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キヤノン ヴィンテージ風カメラは全てをゼロから作る必要がある

PetaPixelがCP+2025でキヤノンとリコーに対してインタビューを実施。両社はヴィンテージカメラの需要は理解しつつも、それぞれの哲学から新製品の開発は急いでいないようだとPetaPixelは感じ取った模様。

PetaPixel:Canon and Ricoh Are Not Rushing to Make New Vintage-Inspired Cameras

カメラメーカーに対して、カメラの伝統に立ち返り、ヴィンテージデザインと魅力を備えた現代的なカメラを製造するよう、カメラマンたちは繰り返し求めてきた。OMシステムやニコンなどの一部の企業はこれに応えてきたが、キヤノンとリコーペンタックスは、デザインが唯一の理由であるなら、追随することに興味がないようだ。

2月に横浜で開催されたCP+でキヤノンとリコー・ペンタックスに個別に話を聞いたところ、両社の幹部はヴィンテージ調のカメラデザインに対する思いを明確に語った。

キヤノン

  • 他社がヴィンテージ調のカメラを提供し、人気を博していることは承知している。
  • 同じような製品を求める声があることは理解している。
  • ヴィンテージ風のデザインを開発するだけでは満足できない。レンズやアクセサリーなど、すべてをゼロから設計する必要がある。
  • システム全体がバランスよく機能していることを確認する必要がある。
  • 我々にとって非常に労力を要するものになるだろう。
  • グリップやハンドリングなど、操作性には非常にこだわっている。ヴィンテージデザインでそれらすべてを実現できるかというと、そうではない。
  • ビジネスとして進めるかどうかを最終的に決定する前に、これらのさまざまな側面をすべて検討する必要がある。

リコー・ペンタックス

  • 過去のデザインを基に何かを作ることに特別な関心はない。それは単に外見を模倣する行為に過ぎないからだ。我々の哲学ではない。
  • リコーとペンタックスは長い歴史があり、ユーザーの方々も過去の製品についてご存じだが、過去は過去。
  • ノスタルジックな製品にすることを目的として、それを優先することはない。
  • スタイルや装飾性だけで人を惹きつけたいとは思っていない。
  • PENTAX 17 は機能に合わせたフォルムであるため、ヴィンテージ感がある。

富士フイルムやOM SYSTEMはもともとヴィンテージ風のデザインだったことを考えると、ここ数年で台頭したのはニコンでしょうか。「Z fc」「Z f」が良く売れているみたいですね。

キヤノンやリコーも自社のレガシーを活かしたカメラを投入するのかと思いきや、デザインありきの開発には否定的な模様。特にキヤノンはレンズやアクセサリーなどシステム全体のバランスやカメラの操作性をゼロから設計する必要があるとし、かなりの労力がかかると言及。(Phototrendのインタビューでも同様ことを述べています

私はニコン「Z fc」「Z f」をどちらも購入して使ってみました。見た目は質感は好みだったものの、操作性に関しては便利さを残しつつレトロな撮影体験を意識した中途半端さを感じるものでした。
Z f では「見た目重視で多少の不満は愛でカバー」と結論

レンズのコントロールレイアウトが現代風であるため、富士フイルムほど振り切ることができず、かと言ってカメラ側のレトロなコントロールを現代風にアレンジできているかというと、そうでもない。
(例:P/A/S/Mスイッチの搭載、SSダイヤルが全く役に立たないモードがある、等)

そのあたりの問題を解決した、キヤノンが練り上げたヴィンテージ風カメラを見てみたい気もしますが、キヤノンらしい使いやすさを維持しながら作るのは難しそう。「すべてをゼロから設計する必要がある」は間違いないのかなと。

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