2022年5月6日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。ティルトレンズを電子制御で駆動する仕組みを採用し、カメラ側でティルト操作を実現する技術に関するものとなっています。
概要
- 【公開番号】P2022067506
- 【公開日】2022-05-06
- 【発明の名称】レンズ装置および撮像装置
- 【課題】あおり撮影のための操作をユーザが直感的にかつ素早く行うことを可能とする。
- 【背景技術】
【0002】
レンズを撮像面に対してティルトまたはシフトさせることで、ピントが合う被写体面を撮像面に対して傾ける等のあおり効果を得ることができる。特許文献1には、鏡筒の外周に2つの操作環を有し、第1の操作環の回転操作により鏡筒内のレンズのティルト軸の光軸回りでの向き(回転位置)を変更でき、第2の操作環の回転操作によりレンズのティルト軸回りでのティルト方向を変更できるレンズ装置が開示されている。- 【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたレンズ装置では、第2の操作環の回転操作方向が実際のレンズのティルト方向とは一致しないため、ユーザが直感的に第2の操作環を操作することができないおそれがある。- 【0005】
しかも、第1の操作環の回転によってティルト軸の向きが変わるため、ユーザは第2の操作環を操作する前に第1の操作環を目視する等してその向きを確認しておく必要がある。さらにティルト軸の向きを調整してレンズをティルトさせる際に、ユーザは第1の操作環から第2の操作環へと手を大きく移動させる必要がある。これらのことからユーザにとって素早い操作が難しい。- 【0006】
本発明は、あおり撮影のための操作をユーザが直感的にかつ素早く行うことが可能なレンズ装置を提供する。- 【0014】
案内筒31の外周上の1箇所であって光軸αからティルト軸βに直交する方向にある位置に駆動部41が固定されている。駆動部41は、光軸αと平行な軸回りで回転するリードスクリュー411を有するモータ(アクチュエータ)であり、保持枠22をティルトさせる駆動力を発生する。案内筒31は、バヨネット結合により光軸α回りで回転可能に固定筒51により保持されている。
ティルトシフトレンズとはあおりなどの撮影で使用する特殊なレンズですね。キヤノンRFマウントのレンズラインアップでティルトシフトレンズはまだ登場していませんが、特許内にあるような電子制御での駆動を考えているのでしょうか?EFレンズは全体的にマニュアル操作となっているので撮影までの手間がありましたが、特許のようにカメラ側で操作できるようになると便利そう。噂ではオートフォーカスにも対応した「TS-R」レンズになると言われていますが、果たしてどのような新世代ティルトシフトレンズが登場するのか気になるところ。
参考:キヤノンTS-Eレンズ
- TS-E17mm F4L
- TS-E45mm F2.8
- TS-E50mm F2.8L Macro
- TS-E90mm F2.8
- TS-E90mm F2.8L Macro
- TS-E135mm F4L Macro
特許関連記事
- キヤノン「9-18mm F4 IS」「10-20mm F2.8-4 IS」「11-22mm F2.8 IS」光学系の特許出願
- タムロンの回折光学系を使用した「400-1000mm F10-11.5」「250-700mm F6.5-13」の特許出願
- キヤノンのパワーズームを想定した「12-30mm F4-6.3」「24-50mm F4-6.3」光学系の特許出願
- タムロン「35mm F4 Di III」「28mm F4 Di III」と思われる光学系の特許出願
- キヤノン 小型軽量でパワーズームも想定した動画向けのインナーズーム光学系
- キヤノン「15-30mm F4-6.3 PZ」「20-50mm F4-5.6 PZ」「12-30mm F4-6.3 PZ」のような光学系の特許出願
- キヤノン「20-40mm F4 IS」「26-40mm F4.5-6.3 IS」インナーズーム光学系の特許出願
- タムロンのフルサイズ向け「50-200mm F2.8」光学系の特許出願
- 「RF24-70mm F4-7.3 IS」を想定したかのようなキヤノンの特許出願【更新】
- キヤノン「35-600mm F4-7.1」「28-500mm F3.5-7.1」などを想定したような光学系の特許出願