XF23mmF1.4 R LM WRはほぼすべてのカテゴリーで非常に優れた性能

Lensipが富士フイルム「XF23mmF1.4 R LM WR」のレビューを公開。絞り開放から全体的に良好な解像性能を示し、色収差など後処理が難しい収差も良好に補正されているとのこと。

Lenstip：Fujifilm Fujinon XF 23 mm f/1.4 R LM WR

外観・構造：

後玉付近の反射防止対策はしっかりとしている。

後玉付近は密閉され、完全な防塵防滴仕様だ。

外装は金属製である。

製造国はフィリピンだ。

携帯性：

このグループでは最大かつ最も重い。
(しかし仕様を考慮すると驚くべきことではない)

操作性：

13mm幅の絞りリングは1/3段刻みで動作する。

絞りリングはAポジションでロックする機能がある。

27mm幅のフォーカスリングはバイワイヤで正確な操作が可能だ。

フォーカスリングのストロークは180度を超える。

フォーカス：

X-T2との組み合わせで非常に静かに動作する。

ピント全域を0.5秒で移動する。きちんとしたフォーカス速度だ。

フォーカス精度に問題は見られなかった。

僅かにフォーカスシフトの傾向が見られるが、ほとんど問題とならないだろう。

最短撮影距離が非常に短い。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

X-T2のRAWを測定した。

最高の単焦点レンズで85lpmmに達する。

良像の基準値は44-45lpmmだ。

中央は開放からほぼ70lpmm、F4で82lpmmと素晴らしい結果だ。

端でも開放から57lpmm、絞ると70lpmm近い良好な結果だ。

VILTROXは絞った際の中央解像が富士フイルムよりも良好だが、F1.4の性能やフレーム端の性能が伴っていない。

このレンズのF1.4やフレーム端の性能には拍手喝采である。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

とても良好だ。

玉ねぎボケの兆候が僅かに見られる。

口径食の影響はF2まで絞っても解消しない。

色収差：

軸上色収差は3枚の低分散レンズにより良好に補正されている。

前モデルと比べると顕著な改善だ。

倍率色収差は前モデルよりも良好な非常に低い数値だ。

球面収差：

完璧には補正されていない。

歪曲収差：

RAWでは-3.49％と非常に目立つ。

周辺減光：

RAWのF1.4で-2.11EVだ。

23mm F1.4と考えると弱くはない。

絞っても急速には改善しない。

コマ収差：

前モデルと比べて遥かに良好だ。

VILTROXを凌駕するポイントである。

非点収差は開放の平均値で17.7％だが、F2まで絞ると大幅に低下する。

逆光耐性：

どの絞り値でもフレアが目立つ。

作例集

総評

この新しいレンズは、どのような絞り値でもフレーム全体にわたって優れた画質を実現している。広角の大口径レンズであることを考えると、この結果は特に賞賛に値する。

900ドルと決して安くはないが、ここで文句を言うのは、このレンズに重大な欠陥がある場合のみだ。我々のテストでは、ほぼすべてのカテゴリーで非常に優れた性能を示している。「高品質は安いものではない」と諦めるしかないだろう。

長所：
・大部分が金属製の頑丈な鏡筒
・センセーショナルな中央画質
・とても良好なフレーム端の画質
・軸上色収差が無視できる程度
・倍率色収差が良好な補正状態
・コマ収差がきちんと補正されている
・ボケ描写が心地よい
・AFが効果的で静か

短所：
・周辺減光が少し目立つ
・逆光耐性は改善の余地あり

とのこと。
10万円超の高価なAPS-C用大口径レンズですが、前モデルから顕著な値上がりは無く、光学性能の向上と防塵防滴仕様の追加、そしてインナーフォーカスのリニアモーター駆動を考慮すると優れたレンズと言えそうですね。解像性能は絞り開放から周辺部まで良好で、特に35mm相当の広い画角を備えた広角レンズとしては素晴らしい結果となっているようです。コマ収差も良く抑えられているので夜景・夕景・星景写真などに適したレンズと言えるかもしれません。色収差も良く抑えられているので、日中などコントラストの高い状況で安心してF1.4を使えるのは良いですねえ。

富士フイルム XF23mmF1.4 R LM WR 最新情報まとめ