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25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2 レンズレビュー完全版

https://asobinet.com/wp-content/uploads/2025/12/25-200mm-F2.8-5.6-Di-III-VXD-G2-review-chart-35mm.png

このページでは「25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2」のレビューを掲載しています。

25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2レビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 シグマが見えてくる価格
サイズ このクラスとしては適度
重量 このクラスとしては適度
操作性 前モデルより改善
AF性能 前モデルから大幅に改善
ただしマクロはシグマに劣る
解像性能 遠景ではシグマより良好
ボケ 比較しなければ良好
色収差 やや目立つシーンがある
歪曲収差 補正が必要
コマ収差・非点収差 良好な補正状態
周辺減光 ズーム両端で目立つ
逆光耐性 シグマよりも少し悪い
満足度 改善点もあるが要注意点もある

評価:

ポイント

改善点もあるが要注意点もある

前モデルから解像性能やAF性能を向上しつつ、広角側を25mmまで拡張。さらに簡易防塵防滴や防汚コートなどで汎用性を高めています。

ただし、本レンズの特徴である「F2.8-5.6」の開放F値の強みが薄まっており、明るさを重視している場合は要注意。また、同時期にシグマが強力な競合製品を投入しているのが悩ましいところ。

Compared to the previous model, it offers improved resolution and autofocus performance while extending the wide-angle end to 25mm. Furthermore, features such as basic dust and splash resistance and anti-smudge coating enhance its versatility. However, the lens's defining characteristic – its wide aperture range of F2.8-5.6 – has become less pronounced, so those prioritising brightness should take note.
Adding to the dilemma is Sigma's simultaneous introduction of a formidable competing product.

まえがき

2025年11月発売の明るい高倍率ズームレンズ。
第二弾となる本レンズは、2020年発売「28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD」の実質的な後継モデル。課題となっていた広角側の拡張を実現、25mmの広い画角で撮影することができるようになりました。さらにVXD方式のAF駆動、USB-C経由でのレンズカスタマイズ、複数の防塵防滴仕様、BBAR G2コーティングによる逆光耐性など複数の改善点を盛り込んでいます。

販売価格は前モデルより高くなっているものの、全体的に強化された第二世代と考えれば許容範囲内でしょうか。引き続き光学手振れ補正は非搭載のため、ソニーαの古い機種(初代α7など)では手振れ補正を利用できない点に注意が必要。

主な仕様

発売日 2025年11月20日
初値 115,830円
レンズマウント E
対応センサー フルサイズ
焦点距離 25‐200mm
レンズ構成 14群18枚
開放絞り F2.8-5.6
最小絞り F16-32
絞り羽根 9枚(円形絞り)
最短撮影距離 0.16m (WIDE) / 0.8m (TELE)
最大撮影倍率 1:1.9 (WIDE) / 1:3.9 (TELE)
フィルター径 φ67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング BBAR-G2
防汚
サイズ φ76.2mm×121.5mm
重量 575g
防塵防滴 簡易防塵防滴
AF VXD
絞りリング
その他のコントロール Tamron Lens Utility
AFLボタン
ズームロック
付属品 花型フード
フロントキャップ
リアキャップ

価格のチェック

初値はカメラ販売店にて115,830円。
前モデルが7.7万円スタートと考えると差額が大きい。アップグレードしたポイントを考慮すると許容範囲内かもしれませんが、20mm広角や0.5倍マクロに対応する「20-200mm F3.5-6.3 DG」が見えてきてしまうのが悩ましいところ。

25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

従来通り、白を基調としたDi IIIシリーズらしいデザインの箱。
装飾は底部にブランドカラーのルミナスゴールドを配色しているのみ。上部には封印用のシールが一か所張り付けられています。

箱の中にレンズの緩衝材は入っておらず、段ボールによる間仕切りのみ。レンズケースなどは同梱していません。付属品は花形レンズフードに前後のキャップ、説明書・保証書・シリアルナンバーのシールなど。

外観

外装はプラスチック製ながらしっかりとした作り。サムヤンTinyシリーズのような薄っぺらいプラスチック感は無く、頑丈。外装のつなぎ目が少し見えてしまうのが惜しい。

塗装はDi III初期モデルと比べて黒色が強くなっており、一眼レフ用レンズ「SP」シリーズを彷彿とさせるカラーリング。もちろん、金属外装だったSPシリーズと比べると質感は劣ります。

全体的に過度な装飾は施されておらず、マウント付近のルミナスゴールドのリングのみ。相変わらず「日本設計」を大きく表示しており、製造国は非常に分かりづらく記載。製造国はベトナム。

フォーカス・ズームリングはゴム製でグリップは良好。とはいえ、ゴム製は塵や小ゴミを吸着しやすい点がマイナス。リングの抵抗は小さく、ソニー純正のように緩い。ストロークは十分に長いため、初期設定の状態でも微調整には十分。

多段式の内筒はプラスチック製。がたつきは無く、しっかりと固定されています。

側面にはUSBポートを搭載しており、パソコンと接続してカスタマイズが可能。ただし、USBポート用のカバーは付属していません(仕様的にはカバー無しでも防塵防滴仕様に問題はなさそうです)。

ハンズオン

ズーム域を広げつつも、前モデルと比べてサイズはほぼ同じ、重量を維持しています。競合するシグマは少し小さく軽いですが、手に取って違いが分かるほどの差ではありません。

  G2 G1 シグマ
最大径 φ76.2mm Φ74mm φ77.2mm
全長 121.5mm 117mm 115.5mm
重量 575g 575g 550g

前玉・後玉

前面には撥水・撥油性のある防汚コートを採用。水滴や油汚れに強く、現地でのメンテナンス性が良好。フィルター径は大部分のDi IIIシリーズと同じく67mmで統一。タムロンレンズを複数使用しているのであれば、NDやC-PLなどを、67mmフィルターで統一するの一つの手。

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レンズマウントは4本のネジで固定された金属製プレート。一般的なシルバーカラーのマウントと比べて、ルミナスゴールドのような色味となっています。周囲は防塵防滴用のシーリングがあります。

フォーカスリング

マウント側にあるゴム製フォーカスリングは滑らかに回転。抵抗感は少なく、ソニー純正レンズと同程度の緩さ。個人的にはもう少し重めの操作が好みですが、ストロークが長いので問題はありません。初期設定では、リニアレスポンスで、ピント全域を180°で操作できます。再現性は良好で、焦点距離全域で変化無し。

ズームリング

前方には幅広のズームリング。回転方向はソニーと同じ。シグマ20-200mmと比べると緩めですが、十分な抵抗感を持ちます。焦点距離は7か所にプリントがあり、正確に調整することが可能。シグマのような不均一な重めの抵抗感が無いので、ズーム全域を滑らかに操作することができます。

レンズは25mmで最も短くなり、200mmで最も長くなる。

開放F値の変動

  • F2.8-:25mm
  • F3.2-:30mm
  • F3.5-:35mm
  • F4.0-:41mm
  • F4.5-:53mm
  • F5.0-:76mm
  • F5.6-:96mm

150mmでF5.6に到達した前モデルと比べると開放F値の上昇が早め。
中望遠までF4-4.5を維持していた前モデルと比べると残念な結果です。

レンズフード

プラスチック製のシンプルな花形フードが付属。他のタムロン製レンズフードと同じく、シンプルなデザインですが、本体にしっかりと固定可能。必要最小限のサイズで、最大径はレンズ本体よりも少し大きい程度。カメラバッグに収納しやすいデザイン。

スイッチ

従来モデルと異なり、鏡筒側面にFnボタンを搭載。初期設定は カメラ側の「レンズFn」で割り当てた機能に依存。しかし、「TAMRON Lens Utility™」を使ったカスタマイズで「AF/MF切替」「A-Bフォーカス」「フォーカスプリセット」などに使用可能。

装着例

α7R Vに装着。
前モデルと同様、違和感なく使用できます。片手での保持・撮影も可能。左手はカメラ底部に添える程度で、ズームリングの操作に集中できます。

AF・MF

フォーカススピード

ボイスコイルモーター駆動のAFに対応。
サードパーティ製レンズはAF-S時にAF速度が低下するものの、それでも非常に高速。さらにAF-Cでは電光石火のAFを実現しています。近距離から無限遠までのピント移動もストレスが溜まらない程度に高速。ちょっとした動体撮影で安心して使えるくらいに信頼性が高い。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

ズーム全域でフォーカスブリージングをとても良好に抑制しています。望遠側で少し目立つようになるものの、よく観察しないと分からない程度。

25mm
50mm
100mm
200mm

精度

α7R Vと組み合わせた限りで大きな問題は無し。AF-S・AF-Cともに問題無く動作します。

MF

前述したようにTAMRON Lens Utilityによるカスタマイズが可能。自身の好みに合わせてフォーカスリングの操作性を調整することが出来ます。

撮影倍率

25mmで0.52倍の最大撮影倍率を実現。0.32倍だった前モデルよりも大幅に改善しています。

ただし、25mmで最大撮影倍率を実現するためには前玉ギリギリまで被写体に近寄る必要があります。ワーキングディスタンスはほぼ皆無で、現実的とは言えません。

25mm以降は徐々に最大撮影倍率が低下します。28mmから85mmで0.5倍を維持しているシグマ20-200mmと比べると汎用性は低め。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:ILCE-7RM5
  • 交換レンズ:25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・レンズ補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

25mm

中央は絞り開放から優れた解像性能を発揮しますが、隅に向かって画質が低下します。高倍率ズームとしては妥協すべき点だと思いますが、シグマでより良好な結果が得られています。

中央 周辺部 四隅
F2.8 4371 2768
F4.0 4642 3996 3256
F5.6 4542 3838 3655
F8.0 4661 4079 3631
F11 4495 3672 3773
F16 3856 3143 3396

35mm

引き続き、中央は絞り開放から非常にシャープ。一方で周辺や隅では画質が大幅に低下。かなり絞らないと均質的な結果が得られません。

中央 周辺部 四隅
F3.5 4643 3325 1563
F4.0 4703 3374 2982
F5.6 4670 3658 2571
F8.0 4634 4241 3502
F11 4618 4193 3223
F16 3918 3696 3551
F20 3268 3084 2916

50mm

広角域ほどではないものの、中央との画質差は依然として大きめ。F8まで絞ると緩和しますが、F4-5.6はややソフトな結果。

中央 周辺部 四隅
F4.0 4643 3317 2522
F5.6 4819 3599 3100
F8.0 4491 3980 3615
F11 4491 3999 3780
F16 3869 3557 3345
F22 3255 2955 2853

70mm

ズーム中間域で改善するかと思いきや、この焦点距離でも周辺や隅に向かって画質が低下します。

中央 周辺部 四隅
F4.5 4562 3890 2019
F5.6 4739 3524 2086
F8.0 4700 3932 2838
F11 4227 3812 3246
F16 3809 3374 2913
F22 3039 2900 2599
F25 2654 2376 2279

100mm

70mmと同じ傾向。

中央 周辺部 四隅
F5.6 4440 2916 2118
F8.0 4192 3341 2408
F11 4492 3416 2642
F16 3676 2834 2605
F22 3067 2569 2192
F32 2479 2149

135mm

望遠域でも中央は以前として非常に良好。一方、周辺や隅は絞っても大幅な改善は期待できません。

中央 周辺部 四隅
F5.6 4616 2576 2248
F8.0 4655 3274 2424
F11 4672 3098 2938
F16 3503 2968 3025
F22 3252 2530 2295
F32 2283 2114

200mm

望遠端では中央のパフォーマンスが低下。結果的に均質性は高まりますが、周辺や隅の結果が良くなったわけではありません。

中央 周辺部 四隅
F5.6 3803 3141 1989
F8.0 3984 3317 2846
F11 4023 3424 2779
F16 3874 3096 2787
F22 2952 2558 2408
F32 2531 2309 1710

20-200mm F3.5-6.3との比較

遠景の解像テストでは主にタムロンの隅がシグマより良好でした。しかし、近距離での解像チャートテストでは全体的にシグマが良好。特に周辺や隅の安定感に大きな差があります。

シグマは特にズーム中間域が非常に良好で、近距離での撮影が多いのであれば間違いなくシグマをおススメします。

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2025.11.20 晴れ 無風
  • カメラ:ILCE-7RM5
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:アルカスイス Z1+
  • 露出:ISO 100 絞り優先AE
  • RAW:Adobe Camera RAW
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクションオフ
    ・レンズ補正オフ

25mm

  • 中央:絞り開放から良好だが、F4まで絞ると残存する軸上色収差が収束。コントラストが少し改善する。以降に大きな変化なし。
  • 周辺:中央とほぼ同じ。画質の乱れは無く、高倍率ズームの広角端としては優秀。
  • 隅:周辺から顕著な画質低下が無い。シグマ20-200mmよりも優れている。
  • 全体:一貫性の高い画質で、高倍率ズームとしては高性能。画質重視の高倍率ズームが欲しい人ならば魅力的な結果。
中央

周辺

四隅

35mm

  • 中央:25mmとほぼ同じ。絞り開放で球面収差か軸上色収差による僅かなコントラスト低下。絞ってもほぼ変わらないが、良好な解像性能。
  • 周辺:25mmとほぼ同じ。絞り開放から実用的な画質。
  • 隅:画質低下が少なく、使い勝手が良い。絞っても大きな変化はないものの、隅の端が改善。
  • 全体:引き続き一貫性の高い画質。
中央

周辺

四隅

50mm

  • 中央:絞り開放からピークの画質で、絞り値による大きな変化は無し。
  • 周辺:中央とほぼ同じ。
  • 隅:中央や周辺と比べるとコントラストが若干低め。絞っても大きな変化はない。
  • 全体:フレーム隅に僅かな低下が見られるものの、広い範囲で良好な結果を維持。
中央

周辺

四隅

70mm

  • 中央:絞り開放で画質のピーク。F8まで絞ると回折の影響が若干のコントラスト低下。
  • 周辺:中央と同じく、絞り開放から画質のピーク。絞っても大きな変化なし。
  • 隅:周辺と同程度。隅に向かって極端な画質低下が無く、安定している。
  • 全体:開放F値は上昇するものの、絞り開放でも安心して使うことができる性能。
中央

周辺

四隅

100mm

  • 中央:70mmと同じ傾向。
  • 周辺:70mmと同じ傾向。
  • 隅:一貫性が高く、画質低下が見られない。
  • 全体:70mmよりも一貫性の高い画質。
中央

周辺

四隅

135mm

  • 中央:絞り開放からピークの画質。ズーム中間域よりも細部のコントラストが僅かに低下。
  • 周辺:中央と同程度。顕著な画質低下が無く使いやすい。
  • 隅:中央と同程度。顕著な画質低下が無く使いやすい。
  • 全体:高倍率ズームの望遠域としては良好な画質。
中央

周辺

四隅

200mm

  • 中央:細部のコントラストは低めながら、極端な画質低下は無し。
  • 周辺:中央よりも少し不安定だが許容範囲内。
  • 隅:中央と比べて目立つ画質低下が無い。安定感のある画質。
  • 全体:高倍率ズームの望遠端としては良好で、シグマ20-200mmよりも僅かに優秀。
中央

周辺

四隅

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

25mm

自動補正をオフにすると、フレーム周辺でやや目立つ倍率色収差が発生。実写で目立つシーンは多くないものの、輝度差のある領域では影響が強くなります。

50mm

広角域と比べると影響は軽微。

100mm

50mmよりも悪化し、広角域と同程度。

200mm

100mmと同程度。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

25mm

F2.8の絞り開放で僅かに発生しているものの、F4まで絞ると無視できる程度に抑えることが出来ます。

50mm

軽微な影響。問題となることは少ないはず。

 

100mm

絞り開放から問題となることはありません。

200mm

絞り開放から問題となることはありません。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

25mm

やや強めの樽型歪曲が発生。シグマ20-200mmと同程度ですが、シグマのように陣笠状の複雑な歪みではありません。

50mm

やや強めの糸巻き型歪曲に変化。シグマと同程度か少し弱いくらい。

100mm

50mmから悪化はしていないものの、引き続き歪曲が目立ちます。

200mm

100mmと同程度。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

25mm

絞り開放からコマ収差や非点収差が良く補正されています。シグマと比べると若干良好。

50mm

若干の変形が見られるものの、シグマと同程度。

100mm

大きな問題はありません。

200mm

100mmと同程度。

球面収差

全体的に球面収差は良好に補正されていますが、シグマと比べるとムラが多い。また、軸上色収差がやや目立ちます。

25mm

70mm

200mm

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

前ボケと比べると少し柔らかい描写で、シグマよりも滑らか。ただし、全体的に見ると、シグマもタムロンもニュートラル寄りで個性的とは言えません。

前ボケ

後ボケが柔らかいぶん、前ボケは縁取りが僅かに硬め。と言っても極端な描写ではなく、大きな問題はありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

25mm

ぱっと見は問題ありませんが、フレーム隅で倍率色収差の影響があります。ボケのサイズや輝度差によって悪目立ちする可能性あり。

50mm

引き続き大きな問題はありませんが、シグマと比べると内側の滑らかさや色収差の補正状態が若干劣る。

100mm

特筆すべき問題はありません。

200mm

特筆すべき問題はありません。口径食はシグマと同程度です。

ボケ実写

25mm

至近距離では問題ないものの、ボケが小さくなる撮影距離では微ボケの粗が目立つようになります。特にフレーム隅で兆候が顕著。

50mm

大きな欠点はありませんが、シグマと比べると小さなボケの描写が粗め。

100mm

傾向は他の焦点距離と同じ。ボケが大きいぶん、欠点が目立ちにくいものの、撮影距離が長くなると気になる場合があります。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

悪くはありませんが、微ボケの描写がやや硬め。接近しても玉ボケに同心円状のムラが発生する場合があります。高倍率ズームに高水準を求める領域ではないものの、少なくともシグマのほうが良好に見えます。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

25mm

撮影距離に関わらず、絞り開放でやや目立つ減光効果が発生。1段絞ってもあまり改善しません。特に無限遠側における隅で減光が強め。歪曲収差と周辺減光のレンズ補正が同時に必要となります。

最短撮影距離
無限遠

50mm

広角端と比べると遥かに良好。絞り開放から問題はほとんどありません。

最短撮影距離
無限遠

100mm

50mmとよく似ていますが、無限遠側における隅の影響が強め。

最短撮影距離
無限遠

200mm

100mmより減光が強くなりますが、広角端よりは良好。状況によってはレンズ補正が必要と感じます。

最短撮影距離
無限遠

逆光耐性・光条

25mm

強い光を正面から受けると、多数のゴーストが発生します。絞り開放で抑えられていたシグマと比べるとやや悪い結果。絞っても同じ傾向が続きます。ただし、フレーム隅に光源を移動すると問題無し。

70mm

ズーム中間域で大きな問題はありません。フレアが良く抑えられています。

200mm

広角側と同じく、シグマと比べるとゴーストがやや多め。

光条

F5.6付近から光条が発生しはじめます。F8でシャープな光条に変化しますが、強調された光条が得られるのは最小絞り付近。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 25mm F2.8
  • TAMRON Lens Utility対応
  • 防塵防滴・防汚コート
  • VXD駆動による高速AF
  • 広角側で高い撮影倍率
  • 遠景で良好な解像性能
  • コマ収差の補正状態
  • 後ボケが少し柔らかい
  • 小絞りで光条が綺麗

前モデルからの主な改良点は「25mmが使える」「高速AF」「(遠景の)解像性能」の3点。さらに操作性の改善などを挙げることが出来ます。特に「25mm F2.8」を重視するのであれば他に選択肢のない面白いレンズとなるでしょう。

悪かったところ

ココに注意

  • 開放F値の上昇が急速
  • 手振れ補正非搭載
  • 広角以外は撮影倍率が低め
  • 近距離でフレーム周辺・隅の画質低下
  • 倍率色収差がやや目立つ
  • 軸上色収差が広角端でやや目立つ
  • 歪曲収差はレンズ補正前提の設計
  • 玉ボケが粗い
  • ズーム両端で周辺減光が目立つ

最も気を付けたいのは前モデルよりもズームによる開放F値の上昇がはやいこと。シグマより明るいレンズですが、その差は大きくありません。開放F値を重視してレンズの購入を検討している人は要注意。

結論

前モデルから解像性能やAF性能を向上しつつ、広角側を25mmまで拡張。さらに簡易防塵防滴や防汚コートなどで汎用性を高めています。ただし、本レンズの特徴である「F2.8-5.6」の開放F値の強みが薄まっており、明るさを重視している場合は要注意。

また、同時期にシグマが強力な競合製品を投入しているのが悩ましいところ。

25-200mm F/2.8-5.6 Di III VXD G2
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競合製品について

20-200mm F3.5-6.3 DG

開放F値を抜きすると、同時期に登場したシグマ「20-200mm F3.5-6.3 DG」の汎用性がタムロンを圧倒。光学性能の差は小さく、20mmや28-85mmにおける0.5倍のハーフマクロが魅力的。ボケの質感や逆光耐性もシグマ有利。

販売価格が少し高いものの、できることを考慮するとおススメしやすいのはこちら。

20-200mm F3.5-6.3 DG|Contemporary Leica L
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20-200mm F3.5-6.3 DG|Contemporary Sony E
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28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD

旧モデル。
全体的に新モデルのほうが良好ですが、開放F値の明るさを重視する場合は旧製品も要検討。ただし、既にディスコンのため、新品を見つけにくくなっています。

28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD
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購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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