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LEICA DG NOCTICRON 42.5mm F1.2 O.I.S. レンズレビュー完全版

このページでは「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.」のレビューを掲載しています。

LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.のレビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 相応の値付けだが絶対的には高価
サイズ MFT中望遠としては大きい
重量 MFT中望遠としては重い
操作性 ほぼ完備
AF性能 良好
解像性能 広い範囲で優れた解像性能
ボケ 滑らかな後ボケ
色収差 軸上色収差が目立つ場合がある
歪曲収差 無視できる程度
コマ収差・非点収差 無視できる程度
周辺減光 やや目立つがF1.2
逆光耐性 良好
満足度 一度は使ってみたい傑作レンズ

評価:

ポイント

一度は使ってみたい傑作レンズ

発売から10年以上が経過するものの、色褪せぬ光学性能は健在。防塵防滴非対応や色収差の補正の観点から指摘する部分があるものの、それ以上に魅力的な描写が強みとなるレンズ。

マイクロフォーサーズの中望遠レンズとして一度は使ってみたい逸品。

Despite being over 10 years since its release, its optical performance remains undiminished. While it lacks dust and splash resistance and has some color aberration issues, its compelling rendering is its greatest strength.
A must-try masterpiece as a medium telephoto lens for Micro Four Thirds.

まえがき

2014年に発売したLEICA DGシリーズの大口径単焦点レンズ。
当時としてはまだ珍しかった「F1.2」の開放F値を実現したAFレンズとして話題になりました。大口径であると同時に光学手振れ補正「POWER O.I.S.」を搭載しており、低照度の撮影でも手振れやISOを抑えた撮影が可能となっています。ボディ内手振れ補正を搭載していないコンパクトなカメラボディと組み合わせても安定した撮影ができるのも強みの一つ。

光学系は11群14枚と複雑な設計を採用し、そのうち非球面レンズ2枚、EDレンズ1枚、UHRレンズ1枚を採用。解像性能とボケ味を両立させる気合いの入った光学設計であり、贅沢な仕様となっています。構成枚数だけで言えば、より高価な「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」をはじめ、他社の最新フルサイズ用85mm F1.4と同程度。

当時としては異色のポートレートレンズだったと思われます。

主な仕様

レンズマウント マイクロフォーサーズ
対応センサー 4/3
焦点距離 42.5mm
レンズ構成 11群14枚
開放絞り F1.2
最小絞り F16
絞り羽根 9枚羽根 円形虹彩絞り
最短撮影距離 0.5m
最大撮影倍率 0.1倍
(35mm判換算:0.2倍)
フィルター径 φ67mm
手振れ補正 POWER O.I.S.
テレコン -
コーティング ナノサーフェス
サイズ φ74mm×約76.8mm
重量 約425g
防塵防滴 -
AF ステッピングモーター
絞りリング 搭載
その他のコントロール AF/MF
付属品 レンズフード

価格のチェック

売り出し価格は151,199円。現在は13万円台で購入可能。マイクロフォーサーズ用の中望遠レンズとしては非常に高価な部類です。とはいえ、F1.2の中望遠AFレンズはより高価な「M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO」と本製品のみ。決して高すぎる値付けとは言えません。

LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

他のLEICA DGシリーズと同じく黒を基調としたデザイン。
そこにブランドカラーとなるイエローをアクセントにしています。

「Panasonic」「LUMIX」「LEICA DG」「マイクロフォーサーズ」4つのブランドが1面にごちゃっとプリントされている印象。

レンズ本体のほか、レンズキャップと金属製フード、収納ポーチが付属します。

外観

外装はアルミ削り出しの金属製で、光沢を残したブラックの塗装。鏡筒の文字は大部分がプリントですが、42.5mmの焦点距離のみエッチングされ、ブランドカラーのイエローを配色。箱のデザインとよく似ています。

コントロールは金属製の絞りリングとフォーカスリングをはじめ、側面にAF/MFスイッチやOISスイッチを搭載。レンズフードはネジ固定式のため、先端分の形状がスッキリとしています。

全体的に装飾は最小限。
カメラ装着時の底部に製造国(日本)や型番などがプリントされています。

防塵防滴には非対応のため、悪天候下での撮影は避けたほうが良いでしょう。

ハンズオン

サイズ φ74mm×76.8mm
重量 約425g

最近登場したLEICA DGの中には鏡筒がプラスチック製の製品もありますが、本レンズは全体的に金属製のパーツを使用。質感は良好ですが、そのぶん重くなっています。OM SYSTEMの45mm F1.2(410g)よりも重く、同社の42.5mm F1.7と比べると3倍以上も重い。

最近のLUMIXカメラであれば問題ないものの、昔の小型ボディと組み合わせると「レンズのほうが重い」となる場合も多いはず。アンバランス感は否めませんが、F1.2のOIS搭載AFレンズと考えると許容範囲内でしょうか。

前玉・後玉

フィルター径は67mm。マイクロフォーサーズ用レンズは数あれど、67mm径に対応する製品は多くありません。しかし、8-18mmや50-200mmなど他のLEICA DGでも採用しているフィルター径でもあります。

前玉がフッ素コーティング処理されている記述はないので、何らかのダメージが想定されるシーンでは保護フィルターの装着を推奨。

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金属製のレンズマウントは4本のネジで本体に固定。周囲に防塵防滴用のゴムリングはありません。

最後尾のレンズはマウント付近に固定。周囲は不必要な反射を防ぐために黒塗りされています。

フォーカスリング

本体と同じ金属製のフォーカスリングを搭載。滑らかで、適度な抵抗感を持っています。

ピント全域を操作するためのストロークはカメラ側の設定で調整可能。回転速度に依存する「ノンリニア」設定の場合、素早く回転しても360度程度の操作量が必要となります。ゆっくり回転した場合は720度近い。

回転量に依存する「リニア」設定の場合、カメラで設定した操作量で動作します。精度は良好。

絞りリング

AポジションとF1.2からF16まで1/3段刻みで操作できる絞りリングを搭載。1/3段ごとにクリック感があり、これを解除することはできません。
(F1.2-F2.0の間は3クリックあります)

回転時のクリック感は適度な抵抗ですが、ソニーや富士フイルムと比べるとやや軽め。小さな力で操作しやすい。前方に配置されているので、自然と左手で操作できる位置にあります。

レンズフード

本体と同じく、アルミ削り出しの金属製。少し重めですが質感は良好。内側には反射を防止するためのフェルト生地が張り付けられています。本体と同じくらいの長さがあり、装着することで全長が大幅に増加します。

本体への取り付けはネジによる固定式。通常はしっかりと固定されていますが、強い力がかかると脱落する可能性があります。レンズフードのみを掴んでレンズを運搬することは避けたほうがいいでしょう。

レンズフードは逆さ付けに対応していますが、この際は本体の大部分がフードに覆われてしまいます(それだけ遮光性の高い大型フード)。

装着例

物撮りをDC-G9M2で行っているため、レンズはOM SYSTEM OM-3に装着しました。個人的な見解ですが、LEICA DGはG9M2よりOM-3のほうが似合っているように見えます。

「F1.2」の大口径レンズらしく、中望遠レンズとしてはかなり大きく重い。カメラ装着時も重量を感じます。とはいえ、日常的に持ち運びが難しい重量でもなく、気軽に持ち出せるサイズに抑えられています。

AF・MF

フォーカススピード

AFはステッピングモーターで動作。電光石火のAFとは言えませんが、適度な速度で近距離から遠距離まで動作します。AF-Cの追従も十分良好。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

撮影距離による画角の変化は皆無と言えず、素早いフォーカスで少し気になるかもしれません。ただし、中望遠レンズは同程度のフォーカスブリージングが発生する傾向があり、特にこのレンズだけの問題ではありません。

精度

LUMIX DC-G9M2やOM-3との組み合わせで大きな問題はありませんでした。

MF

前述した通り、カメラ側の設定でフォーカスリングの操作量や応答性を変えることができます。好みに合わせて調整でき、リング操作時の応答性や精度に問題はありませんでした。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:LUMIX DC-G9M2
  • 交換レンズ:LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

「絞り開放からピークの性能」と言うわけにはいかないものの、中央から隅まで全体的に良好な結果が得られています。絞ると残存する収差が収束し、F4付近のピークに向けて徐々に改善します。数値で見ると絞りによる改善効果は僅かですが、実際の作例ではコントラストが高まっていることが分かります。

9600万画素相当のハイレゾモードでは、中央から周辺まで非常に優れた結果が得られました。隅の結果は少し低下するものの、F4まで絞ると中央や周辺に近い結果となります。

中央

細部や縁が少しぼやけて見えるのは軸上色収差か球面収差の影響。F2.0-F2.8まで絞るとほぼ解消します。

周辺

倍率色収差の影響が僅かにあるものの、中央とほぼ同じ結果が得られています。9600万画素のハイレゾモードを活かしきるとは言えないかもしれませんが、非常に優れた結果に違いありません。

四隅

中央や周辺と比べると、細部の描写がごく僅かに甘い。倍率色収差の影響も僅かに残っています。近距離における結果としては十分良好ですが、ベストを尽くす場合はF4まで絞ると良いでしょう。

数値確認

2400万画素
Center Mid Corner
F1.2 3260 3058 2921
F1.4 3260 3042 3115
F2.0 3502 3201 2819
F2.8 3564 3295 2994
F4.0 3792 3785 3284
F5.6 3536 3768 3286
F8.0 3319 3187 3153
F11 2776 2776 2771
F16 2126 2026 2082
9600万画素
Center Mid Corner
F1.2 4678 4002 3813
F1.4 4611 4384 3837
F2.0 4676 4519 3810
F2.8 4735 4706 3795
F4.0 4623 4729 4287
F5.6 4781 4676 4275
F8.0 4664 4602 4112

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2025.12.17 くもり 微風
  • カメラ:LUMIX DC-G9M2
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:アルカスイスZ1+
  • 露出:絞り優先AE ISO 100
  • RAW:Adobe Camera RAW
    ・シャープネスオフ
    ・ノイズリダクションオフ
    ・レンズ補正オフ

中央

絞り開放から細部まで良く解像していますが、球面収差か軸上色収差の影響でコントラストが低め。絞ると徐々に改善し、F2.8くらいでほぼ解消します。

周辺

中央と同じくF1.2からシャープな結果が得られています。ベストな結果が得られるのはF2.0-2.8くらいまで絞った時。

四隅

悪くはないものの、中央や周辺と比べると僅かにソフトな描写。絞ると徐々に改善し、F4あたりで非常に良好な結果が得られます。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

F1.2の遠景撮影で、中央から隅までピントが合っています。像面湾曲について大きな問題はありません。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレームの周辺部から隅に現れる色ずれ。軸上色収差と異なり、絞りによる改善効果が小さいので、光学設計の段階で補正する必要があります。ただし、カメラ本体に内蔵された画像処理エンジンを使用して、色収差をデジタル補正することが可能。これにより、光学的な補正だけでは難しい色収差の補正が可能で、最近では色収差補正の優先度を下げ、他の収差を重点的に補正するレンズも登場しています。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向あり。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

細部を拡大するとごく僅かに倍率色収差が残っています。と言っても全体像からすると無視できる程度の量であり、問題視するほどではありません。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれ。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられます。F1.4やF1.8のような大口径レンズで発生しやすく、そのような場合は絞りを閉じて改善する必要があります。現像ソフトによる補正は可能ですが、倍率色収差と比べると処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えておきたいところ。ただし、大口径レンズで軸上色収差を抑える場合は製品価格が高くなる傾向があります。軸上色収差を完璧に補正しているレンズは絞り開放からピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できます。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

倍率色収差より問題となるのが軸上色収差。F1.2の絞り開放でピント面前後に色付きが発生し、F2まで絞っても少し残存しています。F2.8-4くらいまで絞りたいところ。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうこと。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすく、魚眼効果のような「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれています。

参考:ニコン 収差とは

比較的補正が簡単な収差ですが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となります。

実写で確認

レンズプロファイル非適用の状態を確認できないものの、適用された状態で歪曲収差は無視できる程度に抑えられています。海外レビューを確認する限りでは、未補正の場合でも良好のようです。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないこと。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要あり。

参考:ニコン 収差とは

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる場合もあります。

実写で確認

F1.2の絞り開放からフレーム隅まで点像の変形がごく僅か。全体像からすると無視できる程度。完璧に抑えるにはF2.8まで絞る必要があるものの、F1.2から実用的な結果。

球面収差

F1.2

前後のボケ質に僅かな差が見られるものの、極端な違いはありません。

F1.8

F1.2から1段絞ると、ボケ質の差はほとんどなくなります。微ボケが気になる場合はF1.8まで絞ってみると良いかもしれません。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。

後ボケ

軸上色収差の影響があるものの、ボケの縁取りが弱く、滑らかな描写。

前ボケ

後ボケと比べると少し硬めですが、基本的にはニュートラル寄り。目障りと感じるほどの描写ではありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。

口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。

実写で確認

OM SYSTEMの75mm F1.8よりも口径食が目立ち、隅に向かって玉ボケが楕円形に変形します。楕円形が気になる場合はF2まで絞るとほぼ改善。色収差による色づきも抑えることができます。

ボケ実写

至近距離

至近距離ではボケが大きく、微ボケの質感を判断しにくい。大きなボケは滑らかで綺麗。特に問題はありません。

近距離

撮影距離が少し長くなっても同様の傾向。背景は滑らかで綺麗な描写です。

中距離

さらに撮影距離が伸びても同様の傾向を維持。フレーム隅の口径食が徐々に目立つようになりますが、柔らかく滑らかなボケなので悪目立ちしません。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

フレームに全身を入れるような撮影でも背景は滑らかで綺麗にボケています。フレーム端や隅でボケのアウトラインが強調される場合があるものの、中央から広い範囲は良好。膝上や上半身くらいまで近寄ると、全体的にほぼ完璧。

周辺減光

周辺減光とは?

フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

最短撮影距離

最短撮影距離の場合、F1.2から非常に穏やかな減光効果。F2まで絞るとほぼ解消します。

無限遠

最短撮影距離と比べて減光効果が強くなり、広い範囲で影響を受けます。幸いにもF2まで絞ると大幅に改善し、F2.8はほぼ解消。絞って撮影する風景撮影で問題となることはありません。

逆光耐性・光条

中央

強い光源を正面から受けてもフレア・ゴーストを良く抑えています。ただし、小絞りでゴーストの影響が増大します。

光源をフレーム隅に移動させた場合も同じ傾向ですが、小絞りでの影響は抑えられています。

光条

F5.6から光条が徐々に発生し、F11-16でシャープな結果。回折とのバランスを取る場合はF8付近ですが、光条メインであればF11あたりが使いやすそうに見えます。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • F1.2の大口径
  • 総金属製の鏡筒
  • 光学手振れ補正を搭載
  • 絞りリング搭載
  • 快適なAF
  • 撮影距離に関わらず優れた解像性能
  • 像面湾曲の問題無し
  • 倍率色収差が無視できる程度
  • 歪曲収差の補正が良好
  • 穏やかなコマ収差
  • 球面収差の問題無し
  • 柔らかく滑らかな後ボケ
  • 逆光耐性が良好
  • 光条が綺麗

LEICA DGシリーズらしい高品質の外装と操作性に加え、フレームの広い範囲で優れた解像性能が得られるレンズ。線の細い描写が特徴的で「マイクロフォーサーズっぽさ」が良い意味で抑えられている印象。高解像であると同時に滑らかで軟かい後ボケを両立。至近距離から中距離まで描写の変化が少なく、使い勝手が良好。また、諸収差の補正状態も良好で、F1.2の絞り開放を使いやすい。

悪かったところ

ココに注意

  • 大きく重い
  • 防塵防滴に非対応
  • ネジ固定フードが一長一短
  • 軸上色収差がやや目立つ
  • 口径食・周辺減光が少し強い

「F1.2」の高性能なAFレンズらしく、販売価格は高め。描写を考慮すると許容範囲内と感じますが、残念ながら(この価格帯のレンズとしては珍しく)防塵防滴に非対応。そろそろ「II型」で防塵防滴に対応してほしいところ。

光学性能の観点では、F1.2で軸上色収差が”若干”気になる程度。常時悪目立ちするわけではないものの、状況によっては少し絞りたくなる場合があります。

結論

発売から10年以上が経過するものの、色褪せぬ光学性能は健在。防塵防滴非対応や色収差の補正の観点から指摘する部分があるものの、それ以上に魅力的な描写が強みとなるレンズ。

マイクロフォーサーズの中望遠レンズとして一度は使ってみたい逸品。

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競合製品について

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO

OM SYSTEM製の45mm F1.2。
本レンズよりも少し高価ですが、ボケ質にこだわった光学設計と防塵防滴仕様が特徴的。現在手元にないものの、発売当時に使った印象としては非常に高性能でした。

LEICA DGはAF速度や色収差補正の観点で少し見劣りしますが、細部表現の繊細さで有利。F1.2 PROの溶けるようなボケではないものの、LEICA DGも滑らかで柔らかい描写。

正直なところ、描写と操作性・防塵防滴の有無で好みが分かれるレンズ。

M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO OM版
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M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO OLY版
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LUMIX G 42.5mm/F1.7 ASPH./POWER O.I.S.

小型軽量かつ手振れ補正を搭載した42.5mmレンズ。
本レンズと共通するのは焦点距離とPowerO.I.Sに対応しているくらいで、開放F値や最短撮影距離、鏡筒の質感、操作性などが大きく異なります。

特にF1.7は最短撮影距離が短く、小さな被写体をクローズアップする点で秀でています。大きな被写体を撮影する場合はF1.2がおススメですが、日常的な撮影や植物や小動物の撮影であればF1.7で十分かと思います。

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M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8

中望遠AFレンズの中では最も安く手に入るレンズ(OM/LUMIXで)。手振れ補正や防塵防滴には非対応ですが、小型軽量ながら高性能で、ボケもそこそこ綺麗。口径食や周辺減光も少なく、使いやすいレンズに仕上がっています。ただし、最短撮影距離は短くありません。

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M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8

焦点距離が異なるものの、プレミアムな望遠レンズとして比較検討している人も多いはず。

基本的には42.5mm F1.2と同じく高性能なレンズ。焦点距離が長いので、F1.8ながら背景を大きくぼかすことが出来ます。45mm F1.8と同じく口径食や周辺減光の影響を受けにくいのが特徴。色収差は42.5mm F1.2と同じく、そこそこ目立ちます。

後ボケの柔らかさは42.5mm F1.2が有利と感じますが、75mmの長焦点も魅力的。どちらを優先するかで決めるのが良いでしょう。

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購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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