α7 Vのレビューに先立ち、カメラの外観やメニュー一覧、シャッター音やローリングシャッターの影響を確認するページを公開しました。
簡易的なまとめ
高価なカメラとなってしまいましたが、そのぶん高性能なカメラに仕上がっています。
部分的に従来機の妥協点を継承(センサー除塵・モードダイヤルのロック機構など)しています。しかし、新型プロセッサ搭載による恩恵や上位機種に近いボディデザインなどアップグレードを感じる部分も多い。
センサー性能は画質の評価を抜きにしても「高速性」という観点で評価できるものとなっており、高速連写などで実用レベルの電子シャッターを利用可能。被写体検出にも対応しており、α1 IIやα9 IIIなどの最上位機種に手が届かない人にとって、面白い動体撮影用カメラとなることでしょう。
ただ価格を考慮すると、センサークリーニングは超音波式が良かったし、ボディやグリップの形状はα1 IIやα9 IIIに寄せてほかったと感じるところ。
It has become an expensive camera, but it has been crafted into a high-performance one.
It partially inherits compromises from previous models (such as sensor dust removal and the mode dial lock mechanism). However, there are many areas where upgrades are evident, such as the benefits of the new processor and a body design closer to higher-end models.
Even setting aside image quality evaluation, the sensor performance can be praised for its “speed,” enabling practical use of the electronic shutter during high-speed continuous shooting. It also supports subject detection, making it an interesting camera for shooting moving subjects for those who can't afford top-tier models like the α1 II or α9 III.
However, considering the price, I wish it had ultrasonic sensor cleaning, and I would have preferred the body and grip shape to be closer to the α1 II or α9 III.
Index
α7 Vのレビュー一覧
カメラのおさらい
2025年12月に登場したα7 スタンダードシリーズの最新モデル。
従来と同じ3300万画素の解像性能ながら、部分積層型CMOSセンサーと新型プロセッサによる高速処理に対応。AFの強化をはじめ、ブラックアウトフリーの連続撮影や4K 120p、被写体認識などを実現しています。
さらに、プロセッサの統合による低消費電力化でバッテリーライフの改善。モニターの可動方式強化やフルマグネシウムボディ化、デュアルUSB-Cポートなど、外側も様々な改良が施されています。販売価格は高くなってしまいましたが、競合他社の部分積層型CMOSモデルと同程度となっています。
- 商品ページ
- 仕様表
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- 発売日:
- 予約開始日:
- 希望小売価格:オープン価格
- 発売日:
・ボディ:12月19日
・レンズキット:2026年春以降 - 予約開始日:2025年12月9日(火)10時
- 市場推定価格:375,210円
主な仕様
| イメージセンサー | タイプ:Exmor RS CMOS 有効画素:約3300万画素 |
| センサー除塵 | アンチダスト機能 |
| プロセッサ | BIONZ XR2 |
| 手振れ補正 | 中央7.5段 周辺6.5段 |
| RAW | 14bit 30fps対応 ロスレス圧縮 圧縮 画質優先 圧縮 |
| ISO | 100 - 51200 拡張 50 / 204800 |
| ストレージ | Slot1:CFe A / SD UHS-II Slot2:SD UHS-II |
| AF | 検出方式: 測距点:759点 測距輝度範囲:-4EV F2.0 |
| 被写体検出 | オート 人物 動物 鳥 昆虫 車 列車 飛行機 |
| シャッター | メカニカル:1/8000-30 秒 電子先幕:1/8000-30 秒 電子:1/16000-30 秒 |
| フラッシュ同調速度 | 1/250 秒 (フルサイズ) 1/320 秒 (APS-Cサイズ) |
| 連続撮影速度 | 電子:最高約30コマ/秒 メカ:最高約10コマ/秒 |
| 連続撮影枚数 | RAW: 95枚 |
| ファインダー | サイズ:0.5型 解像度:369万ドット 倍率:約0.78倍 |
| モニター | サイズ:3.2型 解像度:210万ドット 可動方式:4軸チルト |
| 動画フレームレート | 4K 120p Super35 4K 60p Fullframe |
| 動画出力 | XAVC HS 4K, XAVC S 4K XAVC S HD XAVC S-I HD |
| USB | 1:USB-C USB3.2 10Gbps 2:USB-C USB2.0 |
| マイク/ヘッドホン | マイク:3.5mm ヘッドホン:3.5 mm |
| HDMI | Type-A |
| Wi-Fi | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax |
| Bluetooth | Ver. 5.3 |
| その他ポート類 | - |
| バッテリー | タイプ:NP-FZ100 撮影可能枚数: ・ファインダー:630枚 ・モニター:750 枚 |
| サイズ | 約130.3 x 96.4 x 82.4 mm |
| 重量 | バッテリー含む:約695 g 本体のみ:約610 g |
| 製造国 | タイ |
価格をチェック
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外観・操作性
箱など
箱

従来の黒を基調とした光沢のある箱ではなくなりました。環境に配慮したリサイクル可能な脱プラスチック素材の梱包材を使用しています。購入体験を彩るものとしてはイマイチですが、撮影の「道具」として購入するのであれば十分と言うことでしょうか。
付属品

カメラ本体のほか、付属品はストラップとバッテリーのみ。外部充電器やUSBケーブルは付属していないので必要な場合は別途購入することになります。書類は保証書のみ。説明書はオンラインで閲覧可能。
外観
デザイン・質感

全体的なデザインはα7シリーズらしいものですが、世代を重ねるごとにボディサイズが大きくなっています。今回は「α7R V」と非常によく似た形状、デザインを採用。新世代 α1 II・α9 IIIのように曲線的なデザインではありません。
外装はマグネシウム合金製のしっかりとしたボディ。放熱を意識しているためか、背面パネルも金属パーツを使用しています。前モデルよりもしっかりとした作り。
全体像
α7R Vとよく似ているため、特筆すべき点はありません。
敢えて言えば、かなり厚みのあるボディとなりました。ボディ内手振れ補正や可動液晶などを削ぎ落してスリム化したボディを見てみたいものです。
ストラップ金具

ソニーらしい三脚環付きのストラップ金具を備えています。三角環は本体に少し硬めに固定されており、自重で上下左右に動き回ることはありません(動画撮影時に異音が発生しにくい)。無理に外す必要性は感じませんでした。
底面

三脚ネジ穴とシリアルナンバー、バッテリースロットがあります。形状はα7R Vと同じで、アクセサリーを共有可能。
製造国
製造国はタイと記載されています。
ハンズオン

| サイズ (α7 IV) |
約130.3 x 96.4 x 82.4 mm (約131.3 x 96.4 x 79.8 mm) |
| 重量 (α7 IV) |
バッテリー含む:約695 g 本体のみ:約610 g (約573 g) |
α7 IVとよく似ていますが、厚みが増し、少し重くなっています。それでも競合製品と比べて小さく軽いほうですが、差は縮まっています。
グリップ

2世代前と比べると指のかかりが良い形状のグリップです。
α7 IVと比べて大きく改善したとは感じませんが、厚みが増して握りやすくなったように感じます。

小指は余り気味ですが、他の指でしっかりと握ることができます。
敢えて言えば、シャッターボタン・ダイヤル周辺の形状やボタン配置が改善していると良かった。(α1 IIやα9 IIIのような)
コントロール
前面
ありません。
キヤノン・ニコン・パナソニックと比べて残念なポイント。
「小型軽量ボディ」というメリットが薄れつつある現在、そろそろ前面ボタンの追加を検討してほしいところ。(α1 II・α9 IIIの新デザインボディにはある)
上面

α7 IVと同じく、モードダイヤル下部に静止画/動画/S&Qの切り替えレバーを搭載。モードダイヤルは引き続きロックボタンがありません。
カスタマイズ可能なボタンを二つ搭載しているものの、若干押しづらいのが悩ましいところ。シャッターボタンを含め、もう少し前に配置してあると良かったです。
背面

ボタン配置は従来通り。隣り合うボタンは形状やサイズが異なっており、触覚である程度は識別できるようになっています。
これと言って大きな変更点はありません。引き続きカスタマイズに対応するボタンが多く、好みに合わせてボタン配置を変えることができます。

AFジョイスティックも従来通り。

メニューボタンを左上に搭載していますが、ボタンカスタマイズで別のボタンに割り当てることも可能。
側面
ボタン類はありません。
ファインダー

従来通りのスペックです。α7R Vの944万ドットEVFと比べると見劣りします。平凡ですが、ファインダー倍率や発色、コントラストなどに不満はありません。
モニター

α7 IVのバリアングルモニタに加え、上下にチルト可能となりました。そのぶん構造が大きめですが、状況に合わせて傾けやすくなっています。モニターパネルのスペックに変化はありません。
後述しますが、縦位置の情報表示や新しいタッチ操作に対応しています。操作性や視認性の観点で改善。
インターフェース

左側面にHDMIポートとマイク・ヘッドホン、USB-Cポートを二つ搭載。アクセサリーポート(microUSB)が無くなり、通信・充電に使えるUSB-Cポートが二か所あります。充電しつつ、別のポートでテザーや転送が可能。
ただし、今のところUSB-Cに対応する有線レリーズケーブルがありません。(ないですよね?)
バッテリー・ストレージ

右側面にはCFexpress Type AとSD UHS-IIに対応するslot 1と、SD UHS-IIのみ対応するslot 2を搭載。
競合製品はCFexpress Type BとSD UHS-IIのデュアルスロットですが、α7 Vは「SD UHS-IIのデュアルスロット」として利用可能である点で異なります。

引き続きNP-Z100バッテリーを使用。バッテリー容量は従来通りですが、カメラの低消費電力により継続能力が向上しています。
バッテリースロットのドアにはゴムシーリングあり。
フラッシュ
非搭載です。
同梱もしていないので、必要に応じて買い足すことになります。
レンズ装着例

F4 G シリーズのズームレンズを装着。いずれも装着して良好なバランスを維持。握りやすいグリップにより、片手での保持も可能。グリップとレンズの間のスペースは狭めで、厚めのグローブを装着すると窮屈かもしれません。
起動時間の確認
電源を入れて起動すると、直ちに撮影可能な状態となります。前モデルが遅かったとは言いませんが、α7 Vはさらに早くなったように見えます。
シャッター音の確認
メカニカルシャッター
電子先幕シャッター
連続撮影
ローリングシャッターの影響
RAW形式に関わらず、電子シャッター時はメカニカルシャッターよりもローリングシャッターの影響が目立ちます。(完全な)積層型ほどではないものの、フルサイズセンサーとしてはローリングシャッターの影響が少なめで、前モデルと比べると大幅に改善。E-M1 Mark III(マイクロフォーサーズ)やEOS R5(フルサイズ)と同じくらいです。
おそらく、競合する部分積層型と同程度のパフォーマンスです。流し撮りや水平に高速移動・高速回転する被写体を捉えるには力不足ですが、それ以外の多くの被写体では普通に使える水準です。
- メカニカルシャッター
- 電子シャッター ロスレス圧縮RAW
- 電子シャッター 圧縮RAW HQ
- 電子シャッター 圧縮RAW
撮影画面

α7R Vと比べると、情報パネルのアイコン配置に変化があります。スクリーンショットでは分かりませんが、背面パネル使用時は絞りやシャッタースピード、ISOの部分に触れることでタッチ操作による設定変更が可能。ダイヤル操作することなく調整することができます。

αシリーズで不可能だった水準器とヒストグラムの同時表示が可能となりました。新しいプロセッサ「BIONZ XR2」の恩恵でしょうか。
さらに縦位置時の情報パネル連動機能も追加されました。各種パネルやコンパネの表示に対応。背面モニターのみならず、ファインダー使用時も連動します。

細かい点として、クリエイティブルックを開くと、「ST」など省略文字の意味(例:ST = standard)が追記されています。さらに、ゴミ箱ボタンを押すとプリセットの説明文を見ることができます。

メニュー一覧
機能豊富なだけに設定項目が非常に多い。撮影機能だけでも12ページあり、その下に数多くの設定項目があります。カテゴリごとに分けられているものの、目的の設定項目を見つけるまで時間がかかります。頻繁にアクセスする機能はマイメニューに登録しておくといいでしょう。
撮影
露出・色
フォーカス
再生
ネットワーク
セットアップ
まとめ

良かったところ
- α7R Vとアクセサリーを共有可能
- 全体的にマグネシウム合金製のボディ
- 握りやすいグリップ
- カスタマイズの柔軟性が高い
- 可動域の広がった背面モニター
- 情報表示やタッチ操作の柔軟性向上
- 2か所のUSB-Cで通信と充電の同時利用が可能
- 片方のスロットがCFexpress Type A と SD UHS-IIの両方に対応
- 低消費電力
- 起動速度が速い
- ローリングシャッターが大幅に改善
悪かったところ
- 高価になった
- 付属品が最小限
- 大きく重くなった
- センサークリーニングはシフト式
- グリップ付近の操作性が悪い
- スペック的には従来通りのファインダーとモニタ
- micorUSBアクセサリー使用不可
- メニューが多くて複雑
総評
高価なカメラとなってしまいましたが、そのぶん高性能なカメラに仕上がっています。
部分的に従来機の妥協点を継承(センサー除塵・モードダイヤルのロック機構など)しています。しかし、新型プロセッサ搭載による恩恵や上位機種に近いボディデザインなどアップグレードを感じる部分も多い。
センサー性能は画質の評価を抜きにしても「高速性」という観点で評価できるものとなっており、高速連写などで実用レベルの電子シャッターを利用可能。被写体検出にも対応しており、α1 IIやα9 IIIなどの最上位機種に手が届かない人にとって、面白い動体撮影用カメラとなることでしょう。
ただ価格を考慮すると、センサークリーニングは超音波式が良かったし、ボディやグリップの形状はα1 IIやα9 IIIに寄せてほかったと感じるところ。
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