- 2017.4.27:DPREVIEWがソニーの新型ミラーレス一眼「α9 ILCE-9」についてα7R IIとの違いを解説する記事を公開しているので抄訳してページを作成しました。
Alpha-better:Sony α9とα7R IIの違い
解像力
この2台における最も基本的な違いはセンサーだ。α9は2400万画素の解像力で、αフルフレームの画素数としては真ん中のポジションだ。
一方α7R IIのセンサーはソニーαの最高解像力であり、フルフレーム市場では実質EOS 5Ds/Rに次ぐ解像力だ。解像度が高いと風景やスタジオ撮影には最適だが、ファイルサイズが当然大きくなり操作速度が低下する。
結論:解像力が必要な場合は現金を節約してα7R IIを購入するべきだ。あなたがスピードを必要とするなら読み進めてください。
スピード
α9は大幅に解像度が低い2400万画素センサーを搭載している一方で、純粋な解像度でなくスピードを最適化している。秒間20コマのフレームレートはα7R IIを前時代的なものにし、連写中にも秒間60フレームのライブビューを使用可能だ。風景撮影にこのような性能は必要ないが、スポーツやアクションでは非常に魅力的なものだ。
オートフォーカス
α7R IIのオートフォーカスは我々に感銘を与えた。それはおそらくフルフレームミラーレスの中では最高のものだろう。その399点の像面位相差AFシステムは非常に優れており、アダプタを介してキヤノンEF(適合するもの)やAマウントのレンズでも非常に良好なオートフォーカスが可能だ。
α9は全くレベルが違う693点の像面位相差AFポイントを採用している。ソニーはAFの捕捉率が25%向上、瞳・顔検出率がα7R IIに比べて30%向上したと述べている。
我々は正式にα9をまだテストしていないが、ファーストインプレッションは非常に良好だ。キヤノンやニコンのスポーツ写真家がマウントを変更するかまだ分からないが、速い動作をキャプチャするにはα9は自信を持っているように見える。
AF性能を優先するソニーユーザーにとって、α9のAF性能は明らかに勝者となるものだ。
エルゴノミクス
α9のデザインとハンドリングはα7R IIと比較してごちゃまぜになっている。2つのカメラは似ているが、α9はかなり重く感じる(少し大きく、やや重い)。最も大きな変更点は操作性やフィーリング、そして最適化されたGUIの追加だ。
まずα9のボタンとダイヤルはα7R IIのそれよりも素晴らしいと感じる。柔らかさが無くなり、クック感が強くなっている。これはコントロールレスポンスの向上と相まってα7R IIよりも応答性に優れている結果となる。
AF測距点用ジョイスティックの追加はスポーツ写真家だけでなく、すべてのカメラマンに歓迎されるものだ。
さらにα9のメニューシステムはα7R IIと比べて大幅に改善されている。
ファインダー
α7R IIのファインダーは本当に良いものだったが、α9の方が優れている。それはより高解像度(230万ドットに対して370万ドット)と120fpsの高いリフレッシュレートを提供するものだ。これは連写時は60fpsに低下するが、60fpsは20コマ秒の連写中でもブラックアウトしない。
モニター
α9の背面モニタはα7R IIと比べて僅かな解像度の向上(123万から144万ドット)にしか見えないが、「640×480ピクセル」から「800×600ピクセル」という違いになる。従来のモニタは赤、緑、青、白のドットだったが、新しいモニタは赤、緑、青、緑となり白が置き換えられている。
さらにタッチパネルの追加は従来のカメラと比較して歓迎できる(やっと導入された)点だ。
シンクロソケット
プロスポーツカメラマンにとって理にかなったイーサネットソケットとスタジオカメラの主力である高解像α7R IIには無いシンクロソケットが存在する。これは面白い。
我々はα9の購入者がシンクロソケットを使う事はほとんどないと確信している。多くのユーザーはイーサネットポートも利用しないだろうが、少なくともα9の特徴とは合致する。
このシンクロソケットの追加はより高解像度の姉妹モデルが開発中だと言う事を示す良い指標だ。
将来、α9と同じ型を共有するシリーズになるのは理にかなっている。より高解像のα9Rは開発しているだろうか?過去のリリーススケジュールガイドがあれば、それはほぼ確実と言えるものだ。
動画
高性能のスチルカメラであるだけでなく、α9とα7R IIは高度な4K動画仕様になっている。優れた出力品質である点では(ピクセルビニングなし、ラインスキップなし、全画素読出しの6Kオーバーサンプリング)のおかげでα9は最も見栄えする映像を提供できる可能性がある。高速処理の新型センサーによる信じられないほどの読み出し速度はローリングシャッターの影響がほとんどない事を意味する。
どちらのカメラもヘッドフォン・マイクジャックとHDMI・USBを搭載している。α9は依然としてUSB 2.0ポートとなっている。カメラが驚異的なスピードにも関わらず、高速USB3.0はお預けだ。
S-Logが無い
奇妙なことにα9にはS-Logが欠け、従来のα7シリーズとは異なる画像プロファイルだ。これはプロの動画機材としての有用性を制限するものであり、グレーディング編集における自由度を落とすものだ。ソニーはα9はスチル写真家のためのものだと主張しているが、ならばなぜ2.4倍オーバーサンプリングの4K動画を追加したのだろうか?
説明が何であれ、S-Logがファームウェア経由で追加されることを期待している。α9Sやカムコーダーのために機能制限したのかもしれない?
カードスロット
α9にはUHS-IIに対応するカードスロットが二つある。これはシングルスロットのα7R IIと比べて明らかな改善点だ。
我々はXQD規格のカードスロットが採用されると思っていたが、これは次世代のαボディで採用されるかもしれない。
ともかく、どのような種類のデュアルスロットであれ、シングルスロットよりは良いだろう。
新型バッテリー
我々は希望を失いかけていたが、幸せな一日となった。α7の継続的な不満の一つとしてバッテリー寿命があった。α7R IIの中にあるFW50はわずか数百枚の静止画には十分な寿命だが、動画の場合には7.7Whという低容量はバッテリーを頻繁に交換しなければいけない事を意味するものだ。
α9は新型のNP-FZ100を搭載し、2倍以上の16.4Whとなっている。強化されたバッテリーとα7R IIと比較して消費電力が40%になったと言うことは、α9は一回の充電でより長く撮影できることを意味するはずだ。
動画カメラマンを対象としているα7シリーズにも互換性のある4個拡張バッテリーパックの導入はとても素晴らしいことだ。
最後に
α9は全てにおいてα7R IIよりも高速だ。我々のファーストインプレッションではスポーツ・アクション撮影において非常に有用なツールとなるだろう。D5やEOS-1D X Mark IIの比較対象となるかはすぐにテストする。
一般的なユーザーの観点からもα9は改善されている。最後に、もうこれでソニーのメニューシステムで叫ばずにすむようになる。そしてタッチパネルだ!
α7R IIにできて、α9にできない事
2000万画素も差があり、より大きなプリントサイズに対応できることを意味する。これは風景やスタジオ写真家にとって重要なことだ。α7R IIのオートフォーカスシステムはα9程では無いがまだ非常に優れており、日常の撮影では5fpsで十分だろう。
一般的な撮影であればα7R IIはα9よりもより安価に素晴らしい働きをしてくれるものだ。少なくとも現在はS-Log機能があるので、α9のオーバーサンプリングされたよりよい解像度であるにも関わらず、動画のプロにとっては魅力的なカメラとなる。バッテリー寿命が短いと言うことに制限があるが、マルチパックバッテリーアダプタは間違いなく役立つだろう。
最後に、本当にスピードを必要としているソニーユーザーならば、α9はα7R IIよりも優れたカメラだ。60fpsのライブビューで20fpsの連写機能は中毒性があるものだとわかるだろう。α9は6Kからの2.4倍オーバーサンプリングと大容量バッテリーのおかげで、よりよい4K動画用のカメラにも見える。
購入早見表
発売前は出品店舗が限られています。4月23日現在はキタムラのみ確認。
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