PhototrendがSalon de la Photo 2024におけるライカへのインタビュー記事を公開。ライカの売り上げにQが台頭、Q3 Monochromeについて、パナソニックとの関係性、「JPEGを使え、JPEGを使え」など。
Phototrend:Interview Leica au Salon de la Photo 2024 : « avec le Q3 43, on s’appuie sur l’histoire »
2024年はライカにとって成功を収める年になるのだろうか?
- 2023年は例外的な年だったが、2024年も同様に期待できそうだ。4月から始まる会計年度なので、まだ半年しか経っていないが、見通しは非常に明るい。
- ライカQ3のようなボディが登場したため。
- 数年前までは「M」が当社のベストセラーであり、中心的な柱であったが、現在では、Q3が明らかに台頭してきている。
- とはいえ、3つのモデルが売上を分け合う三角形の構造になっている。
SL3は、ミラーレス市場で居場所を見つけたのだろうか?
- 長年の努力の結果、SL3はようやくその居場所を見つけた。
- ソニーやキヤノンなどの他ブランドからの乗り換えであっても、多くのプロフェッショナルにこのモデルへの乗り換えを納得してもらうことができた。
- これは台数の問題ではなく、我々が提供するユニークな品質を認識しているプロフェッショナルの忠実な(あるいはリピーターの)顧客基盤の問題だ。
- 写真市場の2%未満しか占めていないので、キヤノン、ソニー、ニコンのミラーレスから5%のシェアを奪うつもりはない。
- 当社が必ずしも期待されていなかった市場において、当社の正当性を維持していくつもりである。
- M11やQ3のような製品にUSB-Cが搭載されたおかげで最適化された充電システムなどだ。例えば、登山家としては外部バッテリーを使用してM11を直接充電できることを嬉しく思う。
ヨーロッパ市場とその他の地域との違いはあるか?
- 文化的な違いはあるが、主要市場であるアメリカ、日本、フランス、ドイツは、売上高においてかなり均等なバランスを保っている。
- 日本人は特に職人的で神話的な側面に愛着を持っているし、購買力が急上昇している中国の顧客はますます我々の製品を気に入ってくれている。
- しかし、我々のアプローチは変わらない。流行や急速な技術開発を超越した、卓越した製品を提供することである。
ライカQ3 43に対する要望は多かったのか?
- これは顧客からの長年の要望に応えたものだ。
- カルティエ=ブレッソンは50mmレンズしか使わなかったという神話があった。その結果、誰もが50mmで撮りたがった。
- しかし、時が経つにつれ、トレンドはより画角の広い焦点距離へと移り、特にM6のようなカメラが登場すると、35mmがストリートフォトグラファーやルポルタージュの主役となった。
- 28mmのようなさらに広い焦点距離への移行は、とりわけスマートフォンとその広角モジュールの台頭によって推進されてきた。
- ライカQでこの焦点距離を選択することは論理的であった。クロップ時の汎用性が高まり、高解像センサーから35mm、50mm、あるいは75mmにクロップできることは理想的なソリューション。
- 43mmも実に興味深い選択だ。人間の視覚に近いと言われる焦点距離で、24×36センサーの対角線に相当する。
- このレンズはライカブランドにとって歴史的な焦点距離であり、顧客はこのレンズを待ち望んでいた。ライカは歴史の上に成り立っている。
モノクロームQ3はいつ登場するのか?
- ライカのカメラのリリースサイクルに関しては、常に一定のパターンがある。
- M11とそのバリエーション、そしてQ2で見られたように、カラーモデルがリリースされた後、次の2年以内にモノクロモデルがリリースされることが多い。
- 過去の傾向からすると、モノクロームモデルが登場する可能性は十分にある。
- 正式に確認されていないとしても、ライカの製品ロードマップにこのような展開が見られるのはよくあることだ。
- もちろん、ライカが公式に発表するまでは、これは推測にとどまる。
43mm F2レンズの光学系の特許は、28mm F1.7と同様にパナソニックが所有しているようだ。Lマウント提携のシナジーはQにも適用されると考えるのは正当だろうか?
- ライカとパナソニックの関係は、テレビカメラ、ビデオカメラ、ビデオプロジェクター用レンズの設計から数十年前に遡ると理解する必要がある。当初からパナソニック用のレンズを設計していたのはライカだった。
- 長い間、ライカはパナソニックに光学的な専門知識を提供してきた。この協力関係は、我々が目にするLUMIXブランドの製品に反映されており、しばしば「ライカ」の光学系を連想させる。
- エレクトロニクスにおけるパナソニックの専門知識とレンズ設計におけるライカの専門知識の融合は、高品質の製品開発をもたらした。
- パナソニックがこの43mm F2のような特定の光学系で特許を申請できたのは、この長い技術協力の当然の帰結と思われる。
- しかし、パナソニックは特許を取得していても、アポクロマートレンズなど、画質、特に色収差の補正や色再現性に大きな違いをもたらす特定の機能が欠けている。ライカのノウハウは、デザインだけでなく、素材や製造の微調整においても発揮される。
- 結局のところ、たとえパナソニックがある種の特許を持っていたとしても、高級光学部品の中心にあるのはライカの伝統的なクラフトマンシップなのだ。
- Q3 43の光学系が日本製である可能性は十分にある。ライカのレンズの一部はパナソニックとの相乗効果で製造され、Vario-Elmarit SL 70-200mm F2.8 ASPHのように、シグマと共同で作られるレンズもある。
D-LUX8(またはD-LUX7)とLUMIX LX100 IIの技術的な類似性をどう説明するのか?
- ライカ、パナソニック、その他のカメラメーカーのようなブランド間のコラボレーションの複雑さを示している。
- この種のパートナーシップの歴史は古く、正当性と特定のスキルの必要性に根ざしている。パナソニック、ソニー、サムスン、富士フイルムといったアジアのブランドは、写真分野での信頼性を確立するために、しばしばヨーロッパ企業との提携を模索してきた。
- LX100 IIをベースにライカが設計したD-LUX 7と8の例は、まさにその好例だ。ライカは、レンズの品質や、D-LUX 8の場合はQ3から派生したインターフェースなど、本質的な要素に貢献している。
- 実際、光学、デザイン、画像処理に至るまで、ライカの貢献が最終製品に「ライカらしさ」を残している。
M11-PとContent Authenticity Initiative規格の統合について何か意見はあるか?
- 正直に言うと、ない。しかし、あまりメディアで取り上げられていないと言わざるを得ない。
- キヤノンやソニーのような大手メーカーがこの規格を統合するのを待っているところだ。
- しかし、Content Authencity Initiative規格を搭載したSLが登場し、Qも登場する。
- いずれにせよ、CAI規格に統合されたからといって、M11-Pを買いたいと店にやってくる人は見たことがない。
- しかし、例えば、ビジュアルアーティストや、プロジェクトのオリジナルを保証したいアーティストが、M11-PのCAI使用に意義を見出すかもしれないことは想像できる。
高度なカラープロファイルがカメラに内蔵されているが、現像ソフトが必ずしも認識しているとは限らず、RAWは本当にまだ意味があるのだろうか?
- RAWは20年前には存在しなかった。デジタルの初期には、主にTIFFとJPEGを使っていた。
- RAWの登場は、ちょっとしたマーケティングの一環であり、ソフトウェアの開発と同時だった。
- 人々がソフトウェアを使って写真を『処理』していると言っていた時代から、ソフトウェアを使って『現像』していると言う時代になった。
- フィルム現像の手順を覚えておくことは重要だ。しかし、フィルムの時代に個人的にラボで撮影した人は何人いるだろうか?非常に少なく、少なく見積もっても0.8%にも満たないだろう。
- 現在では、RAW現像ソフトに簡単にアクセスできるようになり、画像を300%拡大できるようになったため、レタッチは過剰なまでに行われるようになった。多くの人が、色彩測定の面で「ワールド・ラボ・チャンピオン」になりつつある。
- 昔は、フィルムを詳細に分析するために顕微鏡を手にする人はほとんどいなかった。テクノロジーが進化した今、ファイルにより深い変更を加えることができる。しかし、それは必ずしも適切ではない。
- 私は毎日言っている。JPEGを使え、JPEGを使えと!
従来はMシリーズが屋台骨を支えてきたものの、現在は「Q」や「SL」が台頭してきている模様。特にQは出せば売れるような状態で、長らく供給不足の状態が続いています。今のところQ3 Monochromeが登場するという噂は耳にしませんが、従来のリリースサイクルを考慮すると可能性は残されている模様。(位相差AF実装により難しいという話もありますが真偽は不明)
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