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ニコン Z 9 Ver3.0・4.0の大部分は要望や意見を反映したもの

PhototrendがCP+2024におけるニコンへのインタビュー記事を公開。ニコンの強み、さらなるSEレンズ、最高級APS-C、一眼レフ比でファームウェア更新の頻度向上、社外製レンズやバッテリーについてなど。

Phototrend:Interview Nikon CP+ 2024 : « nous mettons davantage l’accent sur les mises à jour firmware »

ニコンは映像部門の財務状況を改善できたように見える

  • 2023年は多くのイベントが開催され、人々はより外出するようになり、写真撮影の機会が増えた。ニコンを含めて、各メーカーの新しいカメラを手に入れることへの興味を刺激した。
  • 業界全体としては、パンデミック前の水準に戻りつつある。
  • この間に「Z 8」「Z f」、望遠レンズ、Z 135mm F1.8 S Plenaなど多くの新製品を発売し、高級品に注目が集まった。
  • カメラやレンズを含む製品の高価格販売は、ニコンの映像部門の収入と利益を増加させた。

ネット上でニコンがFマウントカメラとレンズの生産を中止したという噂がある

  • この情報はニコンから開示されていないので、コメントは差し控えたい。
  • しかし、生産、販売、サポートのいずれの面でも、これまで通りFマウント製品をフルサポートを提供してく。この点に関して変更は無い。
  • Fマウントのレンズやカメラは今後も安心してお使いいただける。

非定番レンズの開発という点で、NIKKORにとって今後の課題は何か?

  • ニコンがレンズのガラスを製造していることは大きな強みだ。
  • 我々は常にガラスレンズの開発・製造のパイオニアであり、レンズ製造にも最先端技術を取り入れる努力をしている。
  • ニコンはガラスの段階からレンズを製造している唯一のメーカーだ。ガラス会社はニコングループの一員であり、常にコミュニケーションがあり、レンズのニーズを指定することができる。
  • 特にミラーレスカメラに関して、お客様の声を聞くことを大切にしており、お客様のニーズや期待を新しいレンズの企画・開発に反映させている。

Z 8はZ 9の販売と競合しないのか

  • まず、Z 9とZ 8の顧客層は少し異なる。また、Z 9とZ 8のユーザーのニーズも異なる。
  • Z 9は堅牢性と耐久性、写真性能、そして何時間もの連続動画撮影能力が特徴。これらの機能は、特にプロフェッショナルに評価されている。
  • Z 8も優れた性能を備えているが、最大の特長は幅広い顧客層に対応する実用性だ。幅広いユーザーにとって利用しやすいものとなっている。

Z 28mm F2.8 SEやZ 40mm F2 SEのようなレンズについて

  • Z fの発売以来、FXレンズについてお客様から多くのフィードバックをいただいている。
  • このフィードバックを慎重に検討・分析し、ニコンのレンズ開発に反映させたい。

Viltrox、Sirui、7Artisansなど、AFレンズを提供する中国の光学メーカーについて

  • 誰もがそれぞれの好みや嗜好を持つ。このため、レンズの種類を増やすことは本当に理にかなっている。
  • Zマウントに対応したレンズをたくさん試していただき、写真を楽しんでいただきたいと考えている。
  • NIKKORは我々のボディにぴったり合うので、今でもファーストチョイスだ。
  • コンパクトで写りも良いので、ぜひこの組み合わせを活かしていただきたいと思う。

フォーカスポイントVR技術について

  • 従来、VR(ブレ軽減)モードでは、被写体が画面の中心にあるときの手ぶれ補正を改善しようとしていた。
  • この技術を採用することで、被写体が画面の端に寄っていても、システムが被写体に集中し、手ぶれ補正効果を向上させることができる。
  • 被写体がどこにあっても、好きなように構図を決めることができる。

新しい手振れ補正ユニットなのか?

  • アルゴリズムを改良した。
  • 以前は常に中央を安定させていたが、今は被写体がどこにあっても安定させることができる。つまり、アルゴリズムの変更だ。

他のニコンのカメラでも将来的にフォーカスポイントVRが搭載されるのか?

  • 申し訳ないが、現時点で詳細は話せない。

CP+で何も発表が無かった

  • 潜在的な顧客が新製品に大きな期待を寄せていることは理解している。
  • しかし、今のところ言えることはそれだけだ。

ロードマップは35mmのみ

  • ロードマップは35mmで終了だ。
  • しかし、それ以降も魅力的な製品を生み出したいと思っている。
  • 期待して欲しい。

新たなロードマップを発表するつもりなのか、それともロードマップは非公開か

  • 我々は皆さんを驚かせることを誇りにしている。
  • 今のところ、お話しできるのはそれだけだ。

ニコンはイメージング部門でAIをどのように取り入れているか?

  • 最初の利用はオートフォーカスへの応用だ。また、写真の自動露出(AE)にも以前から使っている。
  • 被写体検出の精度や、被写体認識の性能も向上させたいと考えている。
  • オートキャプチャのような機能はニコンしか導入していない。これは様々なタイプのユーザーにアピールできる。カメラとレンズを1台ではなく2台売ることが簡単にできるようになった。

近い将来、最高級のAPS-Cミラーレスを期待できるか?

  • お客様の声をもとに検討していく。
  • ニコンはDX/APS-C機において、D7500とD500で確かな存在感を示したと考えている。そのため、今後もお客様の声に耳を傾けていく。
  • YouTube、TikTok、Instagramなどソーシャルネットワークにより、お客様は写真だけでなく動画にも興味を持っている。
  • 若い世代は、自分の考えや感情を表現したいので、高品質の画像を求めている。そのため、彼らはレンズ交換可能なカメラを望んでいる。フルサイズカメラよりもコンパクトなAPS-Cカメラを使うだろう。
  • 我々は、この世代の要求に応えるために、このことに取り組み続ける必要がある。

ミラーレスのFWアップデートは一眼レフカメラよりも簡単か?

  • ミラーレスのプロセッサーやセンサーに関して、革新が起こっている。情報や知識の蓄積のおかげで、我々はこれらの機能をさらに拡張することができる。
  • 製品を購入した後も、ファームウェアのアップデートによって、ニコンZカメラを楽しみ、使い続けることができる。
  • お客様の期待を超えていきたい。
  • デジタル一眼レフカメラの時代は、ミラーやカメラ内部の機械的な要素に大きく依存していた。
  • ミラーレスの場合は、ファームウェアのアップデートに重きを置いているのは事実だ。例えば、Z 7で初めて被写体検出機能を導入した際には、ユーザーから多くのフィードバックをいただいた。
    (訳注:動物瞳の検出を指していると思われます。)
  • ニコンは組織も変更した。ファームウェア開発者は以前よりもお客様のフィードバックに触れる機会が増え、お客様の要望を迅速にアップデートに反映できるようになった。
  • フィルム、デジタル一眼レフの時代、我々はお客様からのフィードバックを蓄積しても、当時は次の機種に反映するとしか言えなかった。
  • 最近では、次のモデルを待たずに改良を加えることができるようになった。
  • 2021年末にNikon Z 9を発売し、v2.00、v3.00、v4.00と3回の大きなファームウェアアップデートを行った。v2.00のファームウェアアップデートはすでに計画されていたものだが、v3.00とv4.00については、ほとんどの要素がお客様の要望や意見を反映したものだ。
  • もちろん、センサーやプロセッサーの性能も考慮しなければならない。すべての要望に応えられるわけではないが、できる限りお客様の要望に応えられるように努力している。

ファームウェアで追加する機能と新機種に搭載する機能はどのように決めるのか?

  • リソースの面で、ファームウェアの開発はかなり限られている。
  • もちろん、ファームウェアのアップデートは、ハードウェアで定義された能力を超えることはできない。センサーの解像度を上げたり、ダイナミックレンジを広げたりすることはできない。こうした要望については、次のモデルを待たなければならない。
  • ユーザーインターフェースに関する要望であれば、すぐに実装できるし、ファームウェアのアップデートで本体に反映させることもで可能だ。
  • お客様の声に耳を傾けることで、これまで気づかなかった新たな発見があることも多い。我々はこうした発見から多くを学び、これまで注意を払っていなかった分野に取り組み始める。

そのような例は?

  • Z 9とZ 8のシャッター音だ。Z 9はメカニカルシャッターを搭載していないので、シャッター音を出すべきでないと考えた。そのため、カメラのスピーカーから発する音は1種類。撮影者に音が聞こえるように、スピーカーを電子ビューファインダーの近くに配置した。
  • しかし、シャッター音はモデルとのコミュニケーションなどにも使われていることに気づいた。そのため、スピーカーの位置を変える必要があったが、これはハードウェアの問題だ。
  • そして、シャッター音のオプションがいくつかあれば、それらをコミュニケーションに使えることに気づいた。
  • また、フォトグラファーだけでなく、モデルにも聞こえるように音のレベルを調整する必要があることにも気づいた。
  • 猫の鳴き声のアイデアに加え、Z 9の起動後にシャッター音のレベルやトリガー音の種類を変更できるオプションを追加した。

最近のカメラが他社製バッテリーを使用できない理由は

  • 一部のカメラが他社製バッテリーを使用できない理由は、安全性に関係している。
  • ニコン公式のバッテリーをお使いいただくことをお勧めしている。

とのこと。
多岐にわたり興味深いインタビューとなっているようです。特に、ニコン側のスタッフが元々ファームウェアアップデートの開発を担当していたらしく、特にファームウェア関連について詳しく語っていますね。ハードウェアの制限が大きかった一眼レフと比べ、ミラーレスではファームウェアアップデートを導入しやすい環境となっている模様。実際、ここ最近はZ 8の大型ファームウェアアップデートが実施されました。Z 9に追加された多くの新機能に加え、Z fの新しいモノクロームプリセットなども利用可能となっています。まさかZ 8に追加されるとは思っていなかったので驚きました。

ハイエンドAPS-Cは以前から噂されていますが、今回のインタビューでは明言していません。D500やD7500の一眼レフカメラを挙げつつ、どちらかと言えば動画ユーザーに注目しているようも見えます。D500のようなスチル向けカメラと言うよりも、Z 30を強化するような新型モデルが登場するかもしれませんね。実際、ソニーのAPS-Cは動画向けの製品に偏っているように見えます。
レンズロードマップは残すところ「35mm」のみであり、今後はレンズロードマップが更新されるのかどうかは不明。ここ最近はロードマップを非公開にするメーカーも多く、ニコンも同様となるかもしれません。Z fc・Z fの好調を受け、新しいSEレンズが登場すると良いですねえ。

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