PhototrendがCP+2023におけるニコンへのインタビュー記事を公開。既存製品の話をしつつ、Z 9のテクノロジーを他機種へ移植するのか、新製品とファームウェア更新のバランスなどの話題について。
(CP+・既存製品の紹介は割愛します)
Z 9に搭載された技術は、Z 6 / Z 7 シリーズなど、他のカメラにも搭載されるのか?
- 一言で言えば、そう考えている。
- ハイエンド機で展開している技術は、エントリー機やミドル機のユーザーにも役立つものだ。
- それらのZ 6 / Z 7 クラスの製品でも、Z9で採用した技術の移植は十分に可能だ。
- 本当に強固な基盤を持つポートフォリオがある我々の戦略だ。
Z 9とZ 30を除けば、ニコンは最近あまりカメラを発売していない。一方でいくつかの競合他社は新モデルを投入している。なぜ沈黙しているのか?今年は何か新しいカメラを期待できるか?
- 将来のカメラについて話すことはできない。
- しかし、愛好家のニーズは理解している。その期待に応えられるようなカメラを提供するようにする。
- 製品の発売も重要ですが、ファームウェアのアップデートは、製品に真の改良をもたらし、すでに発売されている製品を盛り上げ続けるという意味で、非常に重要視している。
- ニコンにとって、既存製品の性能を向上させ、お客様に満足し続けることが本当に重要だ。
ファームウェアのアップデートは良いことだ。しかし、メーカーにとって常に懸念されるのは、ファームウェアのアップデートと新しいカメラのバランスだ。ニコンはこの問題をどう捉えているのか?
- このバランスは、我々にとって非常に重要だ。
- しかし、カメラのファームウェアを更新するのか、それともまったく新しい製品を発売するのか、その判断に迷うときは、常にユーザー視点に立つ。
- ユーザー側には常にジレンマがあることを我々は理解している。せっかく投資したのだから、長く使いたいし、機能もアップデートしてほしいというのが本音だと思う。
- しかし、新製品の発売は大きな話題となり、多くの需要が生まれる。
- 我々は常にこの2つの方法で考えており、それは車の中で2つのアクセルペダルを使うようなものだ。両方をバランスよく押していこうと考えている。
- このテーマに関する次の発表にぜひ注目してほしい。
なぜニコンは、Z 28mm F2.8に近い焦点距離のZ 26mm F2.8を新発売したのか?
- できるだけコンパクトにしたかった。それが最初の目標だ。
- そこで、焦点距離と光学特性を検討した結果、最も短い焦点距離として26mmを選んだ。
- しかも、この焦点距離は、スマートフォンで写真を撮る人には馴染みがあるはずだ。
- このレンズがあれば、スマートフォンユーザーがもっと気軽に我々の世界に入ってこられるのではないかと考えた。
- 26mmと28mmはよく似たレンズと思われるかもしれないが、機能的にもユーザー視点でも、この2本のレンズはまったく違う、個性的な提案をしている。
Zマウントレンズのラインアップが完成するまでには、まだいくつかの製品が不足しているようだ。ニコンユーザーから最も要望の多いレンズは?
- 2022年にZマウントのラインアップを拡充し、望遠レンズに明確に焦点を当てた。
- 現在、我々は合計36本のレンズを提供している。しかし、さらに上を目指せると思っている。
- Zマウントには、より小型・軽量で、動画用の機能を盛り込んだレンズやテレコンバーターを内蔵したレンズが必要だと考えている。
- 我々は、レンズの開発ペースを加速していく。今後の発表に期待してほしい。
サードパーティー製レンズについて
- これらのレンズはニコンからライセンスを受けて生産されている。
- レンズを選ぶ際の選択肢が増えることで、まず恩恵を受けるのはユーザーだ。ニコンのライセンスを受けている他メーカーとのこうしたコラボレーションは、特にZマウントの新しいユーザーにとって非常に有益だ。
- このオープンな姿勢は、お客様にとって本当の意味での付加価値となると考えており、今後も続けていく。
- また、レンズの特性はメーカーごとに特徴があり、お客様がより多くの種類のレンズから選べるようになることは素晴らしいことだと考えている。
とのこと。
つい先日、「Z 9」がファームウェアアップデートによって低コントラスト時のピント精度が向上したように、ニコンは既存製品をファームウェアアップデートで強化することも重要と考えているようです。既にファームウェアのバージョンナンバーは3.0を超えており、ここ一年でかなり強化されています。この手厚いファームウェアアップデートは、富士フイルムを除くと他社ではあまり見ない更新頻度と言えるでしょう。Z 9のみならず、Z 5やZ 50など低価格帯の製品や、D850のように発売から時間が経過している製品も強化されています。
ただ、ここのところ「Z 7II」「Z 6II」のファームウェア更新は滞っているように見えます。そろそろファームウェアアップデートなり、後継モデルなりを見てみたいところですが…。
噂のまとめ
- 3月に何らかの新製品発表があるかもしれない
- 4月末か5月上旬に大きなイベント
- イベントのために人々はすでにNDAを締結している
- ニコンフィリピンが「3月25日」のイベントを示唆
NIKKOR Z レンズロードマップ
- NIKKOR Z 12-28mm DX PZ
- NIKKOR Z 24mm DX
- NIKKOR Z 35mm f/1.2 S
- NIKKOR Z 70-180mm f/2.8(非S-Line)
- NIKKOR Z 135mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 200-600mm f/6.3(非S-Line)
ニコン関連記事
- ニコン Z50II レビューVol.2 メニュー編
- NIKKOR Z 35mm f/1.4 はヴィンテージライクな描写で好みが分かれる
- ニコン Z50II レビューVol.1 ダイナミックレンジ編
- ニコンがD500・D5600用の最新ファームウェアを配信開始
- ニコンが動画撮影機能を強化するZ 9の最新ファームウェア Ver5.10を配信開始
- ニコン Z50II はどちらかと言えば動画向けのアップグレードが多い
- ニコン Z50II ハンズオンレビュー
- ニコン Z50II 写真・動画ともに幅広い用途に対応する優秀なカメラ
- ニコン未発表製品「N2323」がデジタルカメラとしてインドネシアで登録
- 焦点工房がニコンZ用の新しい電子マウントアダプターを示唆