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オリンパス E-M10 Mark IV を何度も仕入れたがるショップもある

PhototrendがSalon de la Photo 2024におけるOMデジタルへのインタビュー記事を公開。特に目新しい情報があるわけではないものの、面白い持論を展開し、とても正直に話す、熱意のある方のようです。

Phototrend:Interview OM System au Salon de la Photo 2024 : « il y a encore une place pour le Micro 4/3, plus compact et plus léger »

「OMシステム」というブランドに変わってから3年

  • 人々はもはや『なぜ』とか『どうやって』とか、(ブランドの)存続可能性について質問してこない。我々は製品について話す。
  • 世間はもはやそのことを話題にすることはなく、自然とOM SYSTEMにたどり着く。
  • OM-D E-M10 Mark IVを除いて、すべてOM SYSTEMの名前を冠している。
    訳注:E-P7も「OLYMPUS」を冠した機種だったと思いますが…)

財務状況は?

  • 数字を出すのは難しい。
  • 製品が開発され、市場に届いていることは確かだ。
  • OMデジタル・ソリューションズが設立されたときの目標に完全に沿っている。
  • 目標について否定的な情報は持っていない。

OM-D E-M10 Mark IVはオリンパス時代の遺物

  • 日本の友人が言うように、そうかもしれない。
  • OMシリーズはOM-1とOM-5という最上位機種で構成されている
  • 現在もOM-D E-M10 Mark IVが市場に出回っており、これはオリンパスの名前を冠した最後のボディである。

より大きなセンサーを搭載した最近のカメラとの競争に苦しむ可能性はないのか?
(E-M10 Mark IVについて)

  • 興味深い質問だ。
  • 我々に寄せられる質問や、何度も何度も仕入れたがるショップの需要を見ればわかる。
  • リファレンスカメラであり、カメラに1,000ユーロ未満を使いたい人にとても人気がある。特に、この価格のカメラは市場に少なくなってきている。
    訳注:Product reference、エントリーモデルのようなもの)
  • 多くの人にとって、2年前の製品は時代遅れなのだ。しかし、昔ながらのフィルムカメラの熱狂ぶりを見てほしい。私は幸運にもOM-4 TiとOM-2 Spotを持っているが、これらは誰もが素晴らしいと思うビンテージ製品だ。
  • 2~3年前のカメラでも素晴らしい製品なのだ。製品の進化を望む気持ちはわかるが、だからといって3年前のボディがダメになったわけではない。

とはいえ、OM-D E-M10 Mark IVは高度な被写体検出/追尾モードを備えていない

  • このような方向性の製品をこの価格で提供することは正しいと思う。
  • 小型・軽量化、デザイン、テクノロジーなど、実際には使わないような過剰な機能を求めないという点で、大きな期待が寄せられている。
  • 被写体検出機能で我々は先駆者だった(訳注:E-M1X)。また、NDフィルターやGNDフィルター、プロキャプチャーモード、手ぶれ補正、ハイレゾモードなどもそうだ。今日、多くのカメラボディが我々と同じ方向に進んでいるのがわかる。
  • 個人的には、技術開発は写真に何かを加えるものであるべきだと考えている。単なるデータシートのチェックボックスではない。使わなければ意味がない。

PENシリーズは流行りのヴィンテージ路線へいくのか?

  • その点に関しては、お伝えできる情報がない。
  • ヴィンテージ路線と言う意味ではOM-5はフィルム時代のOM-1に似ている。
  • 流行に巻き込まれたくないので、この分野のパイオニアだったとは言うつもりはない。しかし、2009年に発売された最初のOLYMPUS PENは、すでにヴィンテージの域に達していた。

50-600mm F5-6.3 ISはOMシステムの「コンパクトで軽量」という哲学から離れすぎているのでは?

  • という意見をよく耳にする。
  • とはいえ、300-1200mm相当のレンズを手にしていることを忘れてはいけないと思う。レンズに表示されている焦点距離が150-600mmだとしてもだ。
  • これほどコンパクトな1200mmは今まで存在しなかった。ブランドとして、このレンズの使い方をもう少し説明する必要があるかもしれない。

このレンズはシグマのレンズに「インスパイアされた」と言う人もいるが、その開発について教えてもらえるか?

  • 製造について話すつもりはない。それはメーカー間の秘密だ。
  • このレンズの哲学は、開放F値6.3の1200mmを我々の手に与えてくれる。それは技術よりも重要なことだと思う。
  • レンズの特徴である手ぶれ補正機構とのシンクロは、他のレンズでは見られないものであり、テレコンバーターとの互換性もある。
  • 私の意見では、単なるコピー&ペーストと言うには違いが多すぎる。

コンピュテーショナルフォトグラフィーがなぜOMシステムの優先事項なのか?

  • オリンパスの写真に対するビジョンは、どのような時代であれ、常に創造性の一つであった。
  • E5の発売まで遡ることになるが、今日ではどこにでもあるアーティスティックなフィルターを初めて搭載したカメラだった。クリエイティビティは、私たちにとって常に非常に重要なものなのだ。
  • 人々に「レタッチよりも写真を撮ろう」と言いたい。最近では、写真を撮る時間よりもコンピュータに向かう時間の方が長いことがある。
  • 例えば、OM-1 Mark IIに搭載されたGNDフィルターは、このようなアプローチを取っている。撮影時に直接使用できる。
  • その方向性を継続する必要があると思う。それは、ユーザーにとっても魅力的なことだ。
  • AFスピード、秒間コマ数、画素数、カメラによるクリエイティブな写真の使い方やメリットを軽視していると思う。レタッチの必要性は常にあるが、コンピューターに費やす時間が減れば、写真を撮る時間が増える。

マイクロフォーサーズの将来

  • 未来があると確信している。
  • 私がOMシステムで働いているからではなく、このカメラのユーザーでもあるからだ。よりコンパクトで軽量な製品に居場所があると確信している。
  • そして、その方向に進むために選択の余地はない。センサーのサイズを小さくする必要がある。センサーが大きくなれば、大口径レンズも大きくなる。
  • 我々はコンパクトで軽量なボディを作る方法を知っている。フルサイズセンサーでも問題はない。しかし、レンズを追加した途端に全体の体積が増える。

より大きなセンサーを搭載したカメラの脅威

  • レンズサイズが大きい。センサーが2倍大きいので、マイクロフォーサーズとフルサイズの間には本当にギャップがある。
  • フルサイズを好む人とマイクロフォーサーズを好む人がいるのは理解できる。
  • APS-Cとフルサイズの差は見た目ほど大きくない。私にとって、このフォーマットはコンセプトの終着点ではない。
  • 2009年当時は、可能な限りコンパクトで軽量であることがコンセプトだった。現在では、一眼レフとほぼ同じ大きさのミラーレスがある。つまり、ミラーレスカメラのコンパクトさが失われつつある。それは少し残念なことだ。
  • だからこそ、私はまだマイクロフォーサーズの居場所があると確信している。

AIについて

  • 我々はパイオニアだ。
  • OM-D E-M1X(2019年)の時点で、我々は車、飛行機、電車を自動検出していた。私の知る限り、当時このような方向に取り組んでいたブランドは他になかった。
    訳注:2017発売のLUMIX G9 PROもファームウェアで被写体検出に対応しています)
  • これが究極の解決策で、突然すべてが可能になり、成功すると考えてはいけない。
  • 我々はAIテクノロジーのごく初期段階にいるに過ぎない。まだ改善すべき点があるかもしれない。そして幸いなことに、正しい方向に向かっていると思う。

Midjourneyのような生成AIを使ったソリューションをどう思うか?

  • 個人的な意見を言わせてもらう。写真家の役割は中心であり続けるべきだと思う。カメラは写真家の目の延長であるべきだ。すべてを人工的に作り出すことはできないはずだ。すべてを人工的に生成できるようになったら、写真家として困る。
  • その後も進歩を無視することはできない。今後、どのように写真に適応していくのか?それを言うのはまだ早すぎると思う。
  • 例えば、写真コンテストや写真賞について疑問が生じるだろう。様々なフェスティバルで論争が起きている。そして、これはますます増えるだろう。注意する必要があると思う。
  • この技術がプラスをもたらすのであれば、私は「いいじゃないか」と言いたいが、いくつかの安全策を講じたい。どこにどのように設置するのか?私は今日、その答えを持っていない。
  • しかし、これらの技術はここにある。そして、写真ビジネスの多くのことを変えるだろう、それは確かだ。
  • インフルエンサーに関する法律のように、AIで加工された写真にも掲示を義務付けるべきだと思う。消費者に知らせる必要がある。

OMデジタルの総意と言うよりは、あくまでも対応したスタッフの個人的見解という印象を受けますが…。それでもOMデジタルの方向性や価値を熱く語っているようです。OM-D E-M1からのオリンパス・OMユーザーですが、同意できる部分が多くありました。

小型軽量が長所とはいえ、APS-Cやフルサイズもレンズの小型軽量化が進んでいます。「携帯性の良さ」は従来ほどマイクロフォーサーズの強みと言えません。「許容範囲内」に抑えたAPS-C・フルサイズ用レンズは多くなっているのではないのかなと。

望遠レンズではまだ優位性があるものの、登場したのがフルサイズセンサー用の光学系をベースしたレンズというのが悩ましい。換算1200mmというのは理解できますが、もう少し細身の光学系・鏡筒に出来なかったものか…。

ボディの大型化はマイクロフォーサーズにも押し寄せてきており、パナソニックは既にGM/GFラインが全滅。残すところファインダー付きのG100を除けばGH7やG9IIのみ。個人的にはそろそろGMやPEN miniくらいの極小マイクロフォーサーズに帰ってきてほしいところですが…。

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