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タムロンはエントリーユーザー向けの製品も開発していきたいと考えている

DPReviewが今年の初め頃に実施したタムロンへのインタビューを記事として公開しています。今後はハイブリッドユーザーが重要な市場、しかしエントリー向けも開発したい、レンズ開発におけるAIの活用など。

DPReview:Tamron interview: "We're already using AI technology to improve performance"

市場の現状

  • 昨年の段階で市場は底を打ったと考えており、昨年と同水準で推移すると予測。
  • 他の業界幹部から聞いた話と一致している(DPReview談)。
  • タムロンが好調な理由は、主力のソニーEマウントのラインナップ。
  • 富士フイルムXマウントやニコンZマウントも拡充し、毎年5製品以上を遅れることなく発売できている。
  • どの新製品も売れ行きが良く、良い業績を上げることができた。
  • 今後数年間は、ハイブリッドユーザーが重要な市場になると見ている。写真だけでなく動画も撮る中級者以上のユーザーが原動力になる。
  • ハイブリッドユーザーは静止画と動画をスムーズに切り替えられることを望んでいると思う。そこが次期製品のポイントになる。
  • しかし、もっと注目されるべき顧客層がある。最近の傾向から判断すると、エントリーユーザーへのケアが十分でないと感じているので、今後もエントリーユーザー向けにコストと性能の良いレンズを開発していきたい。

ユニークなレンズの開発

  • タムロン成功の一因は、レンズ設計に対する革新的なアプローチにある。
  • 大まかには標準ズームのカテゴリーに収まるが、通常の焦点距離範囲には全く適合しないレンズを開発することで、サイズ、重量、性能の間で異なるバランスを取ることを可能にしている。
  • 例えば、28-75mm F2.8 Di III VXD G2や70-180mm F2.8 Di III VC VXD G2のように、コンパクトさを優先したモデルもこれに含まれる。これは意図的な戦略。
  • 当社のミラーレスレンズの半分以上は個性的なレンズ。
  • 小型・軽量設計、1本で写真や動画が撮れるなど、ユーザーの多様なニーズに応えるため、従来のズームレンズとは異なるユニークなレンズを開発している。
  • 24-70mmF2.8で小型化は実現できない。
  • タムロンは規模が小さいため、このようなアプローチが可能になり、チーム間のコラボレーションが容易。

レンズにおけるAIと光学補正の役割

  • AIの活用による被写体認識の強化やグローバルシャッターの搭載など、カメラの進化には目を見張るものがある。しかし、これらの技術を活用しているのはカメラ会社だけではない。
  • カメラのAIはレンズの機能や性能には影響しない。しかし、動画撮影時の振動補正の性能を向上させるため、すでにAI技術を使用している。
  • この振動補正機構を作るにあたり、動画を撮影している人を対象に、カメラの揺れ方や揺れ回数をテストした。そのテスト結果をもとに、最適な補正を決定した。
  • ソフトウェア補正を好まない理由を理解しているが、このような補正を使用することは、設計プロセスにおける松葉杖としてではなく、特定の製品ビジョンを達成するために行われる。
  • コンパクトで軽量な設計を重視しており、この主な目的を達成するためにソフトウェア補正を使用する。しかし、それが良い選択肢かどうかは、レンズと製品のコンセプトによる。
  • 補正なしの本物の光学性能を本当に求めている人をターゲットにしているのであれば、そういうレンズを作る。
  • 新製品を開発する際には、レンズ補正のようなテクノロジーを駆使しつつ、長年蓄積してきた社内のノウハウを忘れないようにしている。

おそらくCP+付近におけるインタビューだと思いますが詳細は不明。今年の新製品は多くありませんが、今のところ「28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 ニコン用」「50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」を発売しています。

「毎年5製品以上」が確かであれば、年内に少なくとも3つの新製品の発表を控えている模様。タムロンは既にRFマウントへの参入を予告しているので、そのうちの一つは「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」のRFマウント用となりそう。

インタビュー後に発売した「50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD」がエントリー向けの望遠ズームを指しているのか分かりません。しかし、比較的手頃な価格の高倍率望遠ズームレンズとしては面白い選択肢だと思います。今後はより手頃でエントリー寄りのレンズが登場するのか気になるところですね。

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