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ニコン「Z 30」は市場のニーズを探る最初の一手である

Xitekがニコン「Z 30」関連のインタビュー内容を公開。Z 30はVlog向けの最初のカメラであり、まだまだ手探り状態であるとのこと。インタビューワーは「ニコンの姿勢が謙虚になった」と述べていますね。

Xitek:无忌?? | 尼康中国董事?松原徹:Z30好不好,用??了算!

ニコンは6月29日、APS-Cフォーマットのエントリー向けミラーレスカメラ「Z 30」を4,799元で発表し、29日午後、海南省三亜市で開催された「Nikon Summer Media Experience」で、ニコン(中国)の会長がメディアのインタビューに応じた。7月14日の発売時には、市場からのフィードバックを楽しみにしているそうだ。

Q:ニコンはZ 30をカメラとしてどのように定義し、どのような顧客層をターゲットにしているのか?

  • Zシリーズの中で最小・最軽量であるだけでなく、映像ユースでの使い勝手を最大限に考慮して開発されたエントリーモデルだ。ユーザーが自分好みの設定にカスタマイズできるため、コンテンツクリエイターは自分の作品を自由に表現し、カメラとともに成長していくことができる。
  • 今はVloggerが多く、スマートフォンで撮影している人も多い。しかし、中には映像作品で何か違う表現をしたいという若者もいて、そういうコンテンツの作り手が増えている。我々のターゲットはそういう若い人たちだ。
  • 動画に特化した最初の製品として、消費者や市場からのフィードバックに、より関心を寄せている。

Q:APS-CフォーマットのZシリーズカメラ3機種、レンズ3本を展開しているが、今後、ニコンが新たに開発するAPS-Cレンズはあるのか?

  • 大変申し訳ないが、現時点で具体的な計画について明確にお答えすることができない。
  • Z 30はZシリーズのユニバーサルマウントを採用しているので、FXレンズ、DXレンズのどちらのフォーマットにも対応可能だ。
  • これまで発売した28本のNIKKOR Zレンズはもちろん、約360本のNIKKOR Fマウントレンズもアダプターリング「FTZ」を介して使用することが可能だ。
  • 今後のレンズ開発計画については、市場やお客様の声を十分に聞きながら進めていく予定である。

Q:一部の消費者にとって、Zシリーズのフルサイズ用レンズは少し値段が高いので、ニコンがもっとコストパフォーマンスの高いAPS-Cフォーマット用レンズを発行してくれることを期待している。

  • 友人たち(訳注:コシナ?)がさまざまなAPS-Cフォーマット用レンズの開発に励んでいることにも注目している。
  • ニコンがAPS-Cフォーマットのレンズを開発し続けるとしたら、どの焦点距離が適しているだろうか?

Q:ファンの中には、大口径でコストパフォーマンスの高いズームレンズや単焦点レンズが必要な人がいる。 APS-Cの単焦点レンズを開発するのであれば、少なくとも28mm相当のフォーマットが適切だと思われる。

  • それは我々が挑戦しなければならないテーマであり、今後も消費者や市場の声を頼りにして仕事を進めてゆく。

Q:Zマウントのプロトコルが開放され、二次レンズが製造できるようになるのはいつ頃か?

  • 私の知る限り、ニコンがレンズメーカーによるZマウント用レンズ製造を規制はしていない。

Q:ニコンの2022-2025年中期経営計画では、「映像クリエイターの獲得に向けた映像力の強化」に言及している。

  • 今はカメラで動画を撮影するユーザーが増えている。マーケットに寄り添い、ユーザーのニーズに合った製品を作っていかなければならない。
  • Z 30は、Vloggingという方向性では初めての製品で、フレンドリーな製品との比較を求めているわけではない。
  • このカメラはあくまでもスタートだ。このモデルを発売した後に、市場からのフィードバックを得たいと考えている。
  • 同時に、動画ユーザー向けのオンライン・オフラインのイベントも多数開催し、ニコンファミリーに参加してもらう予定だ。

Q:今年、パンデミックはニコンに大きな影響を与えたか?

  • 上半期はパンデミックが大きく影響したが、6月に入り状況が好転。市場供給が安定してきた。 特に618以降は売上が回復してきた。
    (訳注:「618商戦」は京東商城が手掛ける中国最大のECセールの一つ)
  • 今年の618商戦では、「Z 5」の販売台数が昨年の1.4倍に達し、Hot 100では2位を獲得した。
  • このことからも、当社の製品が中国のユーザーから高い評価を得ていることがわかる。

編集者談:Vlog市場を前にして謙虚な姿勢を見せるニコン

壇上で話していても、インタビューを受けていても、松原氏がよく口にするのは「Z 30について消費者の意見を聞きたい」ということだった。

Z 30の性能やパラメーターについて、松原氏は動画撮影ボタン、動画撮影ライト、120分の長時間録画といったキーパラメーターに言及するのみで、Z 30がニコン初のVlogingカメラであることのほうを強調した。記者との対談では、ニコンのカメラを使用する上で、ファンやユーザーから寄せられるさまざまな疑問や意見について、たびたび質問していた。 これらは、ニコンが今後、新製品を開発する過程で非常に参考になるとのことだ。

同時に、現在のスマートフォンに対するニコンの見解が、若いユーザーのVlogニーズに対するプロフェッショナルビデオソリューションに言及していることにも気づかされた。消費者の声も同じように期待しているようだ。

カメラ機材マニアの間では、ニコンはどちらかというとテクニカルなカメラという印象で、性能重視の製品を開発しがち、市場のニーズをやや無視する傾向があると言われている。 今はショートムービーの急速な発展とともに、意識を変えているようだ。ニコンは謙虚な姿勢で、消費者の声を聞くことに重点を置き、変化している。

とのこと。
ニコン初となる「Z 30」は、言ってしまえばZ 50からファインダーを省略してVlog向けのデザイン・チューニングを施したカメラ。カメラスペックもZ 50やZ fcとよく似ていますね。先行するソニーのZVシリーズと比べるとコントロールレイアウトや機能性にはまだまだ改善の余地が残されているように見えます。ニコン初のVlog向けカメラとなるので、多少の粗削り感は仕方ないかもしれません。Vlog云々は置いておき、静止画用のコンパクトなミラーレスとしても面白い選択肢なのかなと思っています。個人的に外観はZカメラの中で最も好み。

とは言え、ニコンはZ 30のフィードバックを期待しており、今後さらに改良を重ねてゆく覚悟はあるように見えます。今後、どのようなVlogカメラが登場するのか注目ですねえ。他社もVlog向けのカメラを投入する動きがあるのでのんびりと開発している余裕は無さそうですが…。
また、少なくともソニーのようにパワーズームや広角レンズは必要になってくると思うので、早いところロードマップを更新して欲しいところ。Z 30のセールス次第で、コンパクトなDX Zレンズも増えていくかもしれません。

Z 30以外のコメントで注目するとしたら「ニコンはレンズメーカー製Zレンズを規制していない」と述べたことでしょうか?既にVILTROXやTTArtisanなどのZマウント用AFレンズ、EマウントAFレンズアダプターが登場していますが、これらに対してニコンは何も規制措置を講じていないのかもしれません。つまり「作るなら勝手にどうぞ」と言ったところでしょうか?あとは国内レンズメーカーがZマウントに価値を見出すかどうか…。

現在、ミラーレス用のサードパーティ製レンズはライセンスを得て製造している場合が多く、カメラ側のレンズ補正に対応している製品が多いです。当然ながら、レンズの光学設計はソフト補正を前提として最適化しており、カメラ側の協力なしでは最高のパフォーマンスを発揮できません。リバースエンジニアリングなどでZマウントに対応したとしても、レンズ補正までシームレスに対応できなければ商品化は難しいかもしれませんね。

個人的に驚いたのは「Z 5」が人気モデルであること。使用しているセンサーは少し古めだと思いますが、良好なファインダー光学系、ジョイスティックやボディ内手ぶれ補正を搭載しているカメラとしては手ごろな価格で面白い選択肢だと思います。画質やパフォーマンスにこだわらなければ、確かに人気機種となりそうな要素は詰め込まれていますね。

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