Canon カメラ デジタルカメラ総合 海外の評価

EOS R5 Mark II は高性能だが価格差を正当化できるかは人それぞれ

DPReviewがキヤノン「EOS R5 Mark II」の知っておくべきポイントについて紹介。大部分のスペックが向上しているものの、R5の時点で優れたオールラウンダーであり、価格差を正当化できるか個人差があると言及。

DPReview:Canon EOS R5 II for photographers: what you need to know

事実確認

  • 複雑で幅広い機能、そして一貫性のない仕様が、いくつかの混乱を招いている。
  • EOS R1のようなクロスタイプのオートフォーカスを搭載していない。
    (訳注:どうやらCanonアメリカには誤記がある模様)
  • EOS R5 IIは動画に14bit読み出しを使用していない。市場に出回っているほぼすべてのカメラと同様に、センサーの読み出しを12bitモードに落として読み出しを高速化し、ローリングシャッター時間を短縮している(通常、約2倍の速度になる)。
  • それでも、複数のピクセルを合成する4Kファインモードでは、12stopsを大幅に超えるダイナミックレンジを得ることができる。
  • GPSは内蔵していない。

視線入力AF

  • 前モデルと比較して、ほぼすべての仕様がある程度改善されている。
  • おそらく最大の改良点は、視線入力AFの搭載。
  • 視線入力AFという名称は誤解を生む危険性がある。目の動きが常にカメラのピント位置を指示するのではなく、AFターゲットの位置決めを助けるためのもの。
  • シャッターボタンを半押ししたり、AFオンを押したりしてフォーカスを開始すると、カメラはそのターゲットに最も近い被写体を選択して追尾する。
  • 構図を確認したり、撮影中に他の動作を監視するためにフレーム内で視線が移動しても問題ない。
  • 視線が活躍するのは、カメラに追尾開始を指示したときだけ。
  • この機能が最も優れているのは、被写体を選択するための最も高速で明白な手段であること。
  • より多くの人が確実に機能するようになれば、R5 IIの大きな追加機能となるだろう。

スピード

  • 画素数は前モデルと同じ。
  • しかしR5 Mark IIは一度に16ラインを読み出す積層型CMOSを採用している(静止画モード時)。
  • これにより、14bitのRAW画像を撮影する場合でも、電子シャッターは前モデルよりも大幅に高速化されている(読み出し時間は16.4msから約6.3msまで短縮)。
  • これは、20fpsから30fpsまで高速撮影が可能になったことと、フレーム内を高速で移動する被写体を撮影する際のローリングシャッター歪みが大幅に軽減されたことを意味する。
  • また、シャッターを半押しすると撮影画像のバッファリングが開始され、ボタンを全押しすると最大1/2秒分の画像が保存されるモードが搭載されている。
  • R5にはこのような同等のモードはなく、新しい実装はEOS R6 IIに追加されたものよりもエレガント。
  • DPPで選択したフレームを抽出するために結果を1つの大きなRAWファイルにまとめるのではなく、RAWファイルを含む、または含まない、通常のJPEGまたはHEIFを保存可能。

オートフォーカス

  • 前モデルの静止画オートフォーカスは非常に優秀だが、R5 IIのこれまでの経験から大きな進歩を遂げている。
  • アクション優先AFモードでは、サッカー、バスケットボール、バレーボールの試合の重要な瞬間をカメラが認識できるように訓練されている。
  • また、特定の人物がシーンに現れた場合、その人物を優先的に撮影するモードもある。さらに認識する人物の優先順序を設定できる。
  • これらのモード以外でも、EOS R1のプロスポーツ撮影者のために開発されたシステムから直接派生したシステムの利点を示しており、より粘り強く、より信頼できるように思える。
  • ただし、クロスタイプの測距点ではない。
  • また、撮影速度が速くなったことで、スポーツカメラとしての実力が格段に向上している。

ハンドリング/レイアウト

  • 従来モデルから比較的変更されていない。
  • 電源スイッチはカメラの右上、ファインダー左の2ウェイスイッチは静止画/動画スイッチになった。両世代のカメラを並行して使おうとする人にしか関係ない変更。
  • より大きな違いは、ファインダーが明るくなったことと、光学ファインダーシミュレーションモードが搭載されたこと。
  • 光学シミュレーションモードはHDRディスプレイで表示するために設計されたHDR PQ撮影モードを完全に表現するのに十分ではない。
  • メニューも見直され、すべてのカスタマイズオプションがメニュー構造のオリーブ色のタブにまとめられている。

その他の機能

  • 2つの "AI "撮影後の画像処理モードが追加された。
    1つはRAW画像をノイズ除去し、もう1つはJPEGまたはHEIFファイルの解像度を2倍(画素数を4倍)にする。
  • 解像度を上げるモードは、生成AI(実際には存在しない画像要素を合成すること)を使用しておらず、撮影されたピクセルの間に何が存在したかを推測しているだけであることを明らかにしている。他社のマルチショット・ハイレゾモードに代わる興味深いもの。三脚や被写体が静止しない状況で、ディテールをある程度まで高める際に便利な機能。
  • ニューラルネットワークNRの印象はかなり良好。ノイズレベルを抑えながら、どの部分を滑らかにし、どのディテールを残すべきかをカメラがうまく判断している。
  • また、より高速な802.11ax(Wi-Fi 6E)Wi-Fi規格に対応した最初の世代のカメラでもある。

画質

  • 量産版のEOS R5 IIを手にするまで画質は確認できない。
  • 他の積層型CMOSチップでは読み取りノイズがわずかに増加し、ピーク(つまり低ISO)ダイナミックレンジの測定値が低下しているが、全体的な画質への影響はほとんどない。
  • EOS R3と同様、高周波フリッカーモードが搭載されており、シーンをスキャンして高速で点滅するLEDのフリッカーを測定し、そのフリッカーの高調波を持つ分数シャッター速度を見つけようとする。

前モデルから4年を経て市場に登場。高騰の時期を経て、より高価な積層型CMOSセンサーを搭載していることを考慮すると、400ドルの値上げを説明するのに役立つ。大幅値引きの初代R5と比較して、差額分の価値があると感じるかどうかは、完全に個人的な判断となる。

純粋にスチルカメラとして考えると、多くのスペックが向上している。より高速な撮影、より高速な読み出し、最新世代のオートフォーカスにより、対応できる写真の種類は確実に広がるだろう。もちろん、前モデルでスポーツ撮影ができないわけではない。

しかし、Mark IIが風景写真家やウェディングフォトグラファーに何をもたらすかという問題は、興味深いところだと思う。視線入力AFが確実に機能することが証明されれば、後者にとって大きな意味を持つ可能性が高い。しかし、EOS R5 IIがオールラウンダーとして、すでに有能な前モデルの影から抜け出すには、我々に多くの感動を与えなければならないだろう。

EOS R5の後継モデルとして2024年8月に発売。同シリーズでは初となる積層型CMOSセンサーを搭載し、プロセッサはEOS R1と同じくDIGIC X + アクセラレータを採用。AFシステムやアルゴリズムはR1とよく似ています(R1のようなクロスタイプAFではありませんが)。連続撮影速度や動画機能も大幅に強化され、EOS R3の視線入力AFにも対応しています。従来よりも高価な機種となってしまいましたが、強化された点を考慮すると妥当な値付けと言えるかもしれません。

DPReviewは、センサー・プロセッサの更新により性能や撮影機能が大幅に強化されていると評価。撮影体験を向上させる機能の追加や、事後のワークフローに良く作用する便利な機能が揃っているようです。とはいえ、EOS R5の時点でローリングシャッター性能は比較的良好であり、20fpsの高速連写にも対応しています。最新世代ほどではないものの、今のでも十分に通用するカメラと言えそうです。

敢えて言えば、EOS R5では不可能な視線入力AFをはじめ、ワイヤレス接続の外部マイクや高周波フリッカー対策、便利になったプリ連写モード、2つのAI処理機能などは撮影体験を高める要素となるかもしれません。

キヤノン EOS R5 Mark II 最新情報まとめ

関連記事

-Canon, カメラ, デジタルカメラ総合, 海外の評価
-,