2021年月9日16付けでリコーの気になる特許出願が公開されています。手ぶれ補正を搭載した一眼レフ用の「70-300mm」「150-600mm」に加えてミラーレス向けの「70-400mm」まで実施例を確認。
概要
- 【公開番号】特開2021-140xxx
- 【公開日】2021年9月16日
- 【発明の名称】ズームレンズ、レンズ鏡筒及び撮像装置
- 【出願日】2021年1月12日
- 【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー- 【課題】諸収差を良好に補正し、且つ防振時の偏心収差を抑制することができるズームレンズ、レンズ鏡筒及び撮像装置を提供する。
- 【0002】
従来、デジタルカメラ用のズームレンズとして各種タイプが知られている。特に望遠側の焦点距離を伸ばしたズームレンズとしては、一般的に、最も物体側から順に、正、負、後群と続くポジティブリードのズームタイプが使用されており、全ズーム・撮影距離範囲で高い光学性能を有した小型のズームレンズであることが要求されている。また、カメラを手持ちで撮影する場合、露光時間が長くなると、手振れによって撮影画像にぶれが発生するおそれがある。そのため、像ぶれを補正する防振レンズが望まれている。同じ角度の手振れが発生した場合に焦点距離が長いほど像ぶれが大きくなることが一般的に知られている。長焦点距離端側(テレ端側)ではより像ぶれを補正できることが望ましい。
手ぶれ補正を搭載した望遠ズームレンズに関する特許出願のようですね。以前にも似たような特許を出願していますが、今回は少し中身が異なっています。
実施例1
- 焦点距離:72.08-291.32
- F値:4.6-5.7
- 半画角:17.2-4.2
- 像高:21.64
- 全長:190.18-259.23
- バックフォーカス:42.56-66.55
Kマウントレンズロードマップにも示されているフルサイズ一眼レフ向けの「70-300mm F4.5-5.6」となりそうな実施例ですね。以前の特許出願でも70-300mmは存在しましたが、レンズ構成と防振とフォーカスの位置が異なっています。この実施例通りになるとは限りませんが、前回の実施例を含めて70-300mmズームレンズを検討しているのは間違い無さそう。
実施例5
- 焦点距離:103.00-388.00
- F値:4.5-5.8
- 半画角:12.0-3.2
- 像高:21.64
- 全長:234.60-322.81
- バックフォーカス:62.63-75.26
これも一眼レフ用ズームレンズとしては定番の「100-400mm F4.5-5.6」となりそうな実施例ですね。防振レンズの位置は示されていませんが、実施例1と同じG2群でしょうか?
既に「HD PENTAX-D FA 150-450mmF4.5-5.6ED DC AW」が存在するので実用化される可能性は極めて低いと思われますが、150-450mmには手ぶれ補正が無いのでファインダー像が安定しないのは確か。手ぶれ補正を搭載した100-400mmが登場したとしても不思議ではありません。
実施例7
- 焦点距離:72.11-388.00
- F値:4.1-5.8
- 半画角:17.6-3.3
- 像高:21.64
- 全長:193.80-271.86
- バックフォーカス:11.51-39.59
「100-400mm」とよく似た数値ですが、広角側が70mmと広く、F4.1と少し明るくなっています。汎用性がより高いレンズとなりそうですね。ただしバックフォーカスが11.51と非常に短く、もちろんKマウントには適合しません。リコーイメージングはフルサイズミラーレスシステムを持たないので、何故このような実施例を含ませたかのか謎。
実施例8
- 焦点距離:154.50-582.00
- F値:5.1-6.4
- 半画角:7.8-2.1
- 像高:21.64
- 全長:308.22-387.42
- バックフォーカス:64.28-112.93
レンズロードマップには存在しない「150-600mm F5-6.3」となりそうな実施例。キヤノンやニコン一眼レフシステムにおけるシグマやタムロンの超望遠ズームと似たようなスペックのレンズとなりそうですね。「HD PENTAX-DA 560mmF5.6 ED AW」がディスコンとなったいま、このレンズを実用化する意義は大いにありそうです。
Kマウントレンズロードマップ
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