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シグマ Foveonセンサー×ピクセルシフトマルチショットに関連した特許出願

2022年8月23日付けでシグマの気になる特許出願が公開。Foveonのような積層構造のセンサーでピクセルシフトマルチショットを想定した特許となっていますね。

概要

  • 【公開番号】P2022122350
  • 【公開日】2022-08-23
  • 【発明の名称】撮像装置及び撮像装置の制御方法
  • 【出願日】2021-02-10
  • 【出願人】
    【識別番号】000131326
    【氏名又は名称】株式会社シグマ
  • 【課題】画素ずらしにより高解像度化された画像データを取得する撮像装置及びその制御方法において、画素ずらしにより取得すべき画像データの枚数を少なくし、合成処理する画像データの情報量を抑える。
  • 【解決手段】
    撮影レンズと、積層構造の撮像素子と、画素ずらし機構と、画素ずらし合成処理部を備え、前記画素ずらし合成処理部は、画素ずらしにより取得された2枚の画像データを入力する画像データ入力部と、2枚の画像データをそれぞれ構成する各層の画像データをずらして配置する画像データ配置部と、ずらして配置された各層の画像データから再サンプリング処理により各層の画像データを再生成する再サンプリング部と、再生成された各層の画像データを用いて画素混合処理により1枚の画像データを生成する画素混合部と、画素混合処理により生成された1枚の画像データを出力する画像データ出力部を備える撮像装置を提供する。

【背景技術】

  • 【0002】
    従来、色フィルタを有する撮像素子により画像データを取得する撮像装置が普及している。色フィルタを有する撮像素子を構成する各画素において、光電変換部であるフォトダイオードの前方には赤色(R)、緑色(G)または青色(B)のいずれかの色フィルタがそれぞれ配置されている。これにより、各画素に配置された色フィルタに対応する波長成分の画素値をフォトダイオードによりそれぞれ取得することができる。そして、各画素で取得した画素値の配列を画像データとして取得し、この画像データをデモザイク処理することにより記録用の画像データを取得する。

【発明が解決しようとする課題】

  • 【0009】
    しかしながら、上記の特許文献等に開示された従来技術には次の課題がある。
  • 【0010】
    色フィルタを有する撮像素子において、各画素はそれぞれの色フィルタに対応する1つの画素値しか取得できない。このため、特に一般的なベイヤー式の配列パターンを採用する色フィルタを有する撮像素子を用いて画素ずらしにより高解像度化された画像データを取得するには、画素ずらしにより8枚の画像データを取得しなければならない。画素ずらしにおいて取得すべき画像データの数が多くなると、画像データを取得するための時間や、画像データに対して補正処理や合成処理等をするための時間が長くなってしまう。また、複数枚の画像データを記録するために必要なバッファメモリの容量が大きくなってしまう。
  • 【0012】
    一方、積層構造の撮像素子は被写体光の波長成分に対応する画素値を各画素においてそれぞれ直接取得することができる。このため、積層構造の撮像素子を用いて画素ずらしにより高解像度化された画像データを取得する場合には、画素ずらしにより取得すべき画像データの数を少なくすることができる。
  • 【0013】
    しかしながら、積層構造の撮像素子により取得された画像データの各層は被写体光の波長成分ごとに同程度の情報量の画像データをそれぞれ有しているため、積層構造の撮像素子により取得される画像データの情報量は非常に大きくなってしまう。積層構造の撮像素子を採用して画素ずらしにおいて取得された画像データの情報量が大きくなると、画像データを転送処理するための負担や合成処理を行うための負担が大きくなってしまう。

一般的なべイヤーフィルターのカメラでピクセルシフトマルチショットを実施する場合、高画素化で半画素ずらし16枚(オリンパスなど)、色情報の補完で1画素ずらし4枚(ペンタックスなど)の撮影を行います。シグマのFoveonセンサーは3層構造で1画素ごとに3色の情報を持つため、他社のマルチショットとは異なった手法を採用することができ、2枚の撮影データで処理できるようですね。ピクセルシフトに使用する構造は専用の画素ずらし機構となるのか、ボディ内手ぶれ補正を使用するのか今のところ不明。もちろん、この機能が将来のFoveonセンサーカメラに実装されるかどうかも分かりません。とは言え、Foveonセンサーによるピクセルシフトマルチショットは見てみたいですねえ。

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