2022年4月26日付けでニコンの気になる特許出願が公開。360度カメラのレンズ部を保護具に関するいくつかの実施例を掲載しています。
概要
- 【公開番号】P2022064369
- 【公開日】2022-04-26
- 【発明の名称】レンズ保護部材、及び撮像装置
- 【出願日】2020-10-14
- 【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン- 【課題】レンズ保護部材の被写体像への映り込みを適切に防止して、撮像品質に優れる被写体像を取得可能できる撮像装置を提供する。
- 【背景技術】
【0002】
画角が180°のパノラマ画像や360°の全天球パノラマ画像等、広い範囲の被写体像を撮影することができる撮像装置は、レンズ前面が被写体側に突出する曲面を有する超広角レンズを備えている。このため、超広角レンズの曲面がボディよりも外方に飛び出す構造となり、非撮影時や保管の際に前面が露出したままでは傷や汚れが付くおそれがある。そこで、超広角レンズのレンズ前面を保護すべく、現状では、撮像装置本体とは別部品として、レンズ形状に合わせて形成されたキャップ形の保護カバーが用いられている。- 【0003】
このような撮像装置本体とは別部品の保護カバーでは、撮影が終わる度に装着するのは手間であった。このような不具合を解消すべく、広角レンズの曲面よりも被写体側に突出する少なくとも2つの突出部を設けた技術が公知である(例えば特許文献1参照)。- 【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術では、突出部が広角レンズの画角内に配置されているため、突出部が被写体像に映り込むことがあり、改良の余地があった。
ニコンの360度デバイスと言えばKeyMission 360ですが、今回の特許出願におけるデバイスの形状はRICOH THETAシリーズに近いものとなっていますね。ニコンは既にこの分野から手を引いたと思っていたのですが、今のなんらかのアプローチで新製品の投入を検討しているのでしょうか?
今回の特許は360度デバイスで不可避の出目金レンズをどのように保護するのか、に焦点を当てています。RICOH THETAなどは被せ式のキャップを用意していますが、キャップを外すと紛失してしまう可能性もあるので、出来ればデバイスに内蔵しているのが理想的。特許内ではカメラに自然と収納できる形状のレンズガードを搭載し、必要であればレンズガードを倒して保護することが出来る模様。そのほかにスライド式なども実施例として挙げています。
沈胴構造やアニメに出てきそうなプロテクタの実施例もありますが、これは被せ式よりも手間がかかりそう…。360度イメージに写りこんでしまいそうに見えるものの、ギリギリ撮影領域外に退避させているみたいですね。
これら特許出願の内容が将来の新製品を確実にする証拠とは言えませんが、ニコンが360度映像の市場に何らかのアプローチを検討しているのかもしれませんね。国内のB2B市場はRICOH THETAが有名ですが、堅牢で頑丈なニコン製360度撮影デバイスが登場すると、設備や工事などの現場で面白い選択肢となりそう。
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