2023年8月16日付けでシグマの気になる特許出願が公開。センサー前面に赤外線反射フィルタを備え、ボディ内のIRセンサーによりホワイトバランスの精度を高める技術となっている模様。
概要
- 【公開番号】P2023113158
- 【公開日】2023-08-16
- 【発明の名称】撮像装置及びホワイトバランス制御方法
- 【出願日】2022-02-03
- 【出願人】
【識別番号】000131326
【氏名又は名称】株式会社シグマ- 【課題】
レンズ光学系を通して撮影画角から入射する赤外線を検出することで精度の高い光源推定を行うことができる撮像装置を提供する。- 【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置の一種であるデジタルカメラにおいては、赤外線センサを有効に利用することにより、撮像環境における光源の種別を判別して、撮像する画像のホワイトバランスを適正に制御する技術が開示されている。- 【0006】
しかしながら、特許文献1において開示された発明は、赤外線センサが取得する赤外線の画角が撮影画像の画角と必ずしも一致しないため、赤外線センサが取得した赤外線を用いて光源推定を行うと実際の撮影環境における撮影画角の光源とは異なる推定をしてしまうおそれがある。また、ユーザーが撮像装置を操作中に意図せず赤外線センサを有するリモコン受光部を遮ってしまうことや、レンズ交換式のカメラにおける交換レンズが赤外線センサを有するリモコン受光部を遮ってしまうことで実際の撮影環境における撮影画角の光源推定が行えないおそれがある。- 【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、レンズ光学系を通して撮影画角から入射する赤外線を検出することで精度の高い光源推定を行うことができる撮像装置を提供することを目的とする。- 【0008】
前述の課題を解決するため、本発明の第1の発明に係る撮像装置は、レンズ光学系を有する着脱可能な撮影レンズを備えた撮像装置において、レンズ光学系を通って入射した光を検出し、検出した光を光電変換して信号を出力する撮像素子と、撮像素子の物体側に配置された赤外線反射フィルタと、レンズ光学系と赤外線反射フィルタとの間であり、レンズ光学系を通る光の光路外に配置された赤外線センサと、制御部と、撮像素子が出力した信号を画像データに変換し出力する画像処理部を備え、レンズ光学系を通って入射した光のうち赤外線を赤外線反射フィルタが反射し、赤外線反射フィルタが反射した赤外線を赤外線センサが検出し、赤外線センサが検出した赤外線の信号の強度を制御部が取得し、赤外線反射フィルタを透過して撮像素子が検出した可視光の信号の強度を画像処理部を通して制御部が取得することを特徴とする。
一眼レフカメラにおける赤外線センサーそのものは珍しいものではなく、過去には一眼レフカメラの測光センサーに使われていたり、現在はα7シリーズがホワイトバランス性能向上用に搭載しています。
ソニーαシリーズの可視光・IRセンサーはセンサー周辺部ではなく、外装の一部に配置されています。このため、シグマが特許内で指摘しているように画角の問題で誤検出の可能性がありそうです。シグマはこの問題を避けるため、イメージセンサーの前面に赤外線反射フィルターを備え、反射した赤外線を捕捉するIRセンサーをボディ内に搭載する模様。これにより、イメージセンサーセンサーと同じ環境で赤外線を受光でき、精度の高い光源推定ができるとのこと。将来的に、この技術を搭載したカメラが登場するのかどうかは今のところ不明。
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