PhotographyBlogがタムロン「11-20mm F/2.8 Di III-A RXD」のレビューを公開。良好な光学性能に加え、F2.8の開放F値や防塵防滴に対応した貴重な広角ズームレンズと評価しています。
PhotographyBlog:Tamron 11-20mm F2.8 Di III-A RXD Review
レンズの紹介:
- ズームレンジ全域で開放F値「F2.8」を実現している広角ズームレンズだ。
- APS-C用で、α6600などに対応している他、フルサイズミラーレスでもAPS-Cクロップで使用可能だ。
ビルドクオリティ:
- 他のタムロンレンズと同じくビルドクオリティに問題は無い。
- 大部分がハイクオリティなプラスチック製で、十分頑丈と感じる。
- レンズマウントは金属製、フィルターは67mm径に対応している。
- 防塵防滴仕様だ。
- レンズにはプラスチック製レンズフードが付属する。
携帯性:
- 重量335g、全長86mmだ。大口径広角ズームとしては小型軽量である。
- 20mmから11mmまでズームリングを操作すると、内筒が1.7cmほど伸びる。
操作性:
- 幅の狭いフォーカスリングを搭載している。AF/MFスイッチは無いので、切り替えるにはカメラ側での操作が必要である。
- ズームリングは滑らかだが、フォーカスリングは緩すぎるように感じる。
オートフォーカス:
- RXD駆動のオートフォーカスは静かで高速に動作する。
- α6600と組み合わせることで、どのような光環境でもハンチングはほとんど発生しなかった。
- 最大撮影倍率0.25倍に対応しているので非常に便利だ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は非搭載だ。カメラ側の補正能力が必要となる。
解像性能:
- 11mm中央:F2.8からF11まで見事なシャープネスだ。F16とF22で回折の影響を受けている。
- 11mm端:中央ほどシャープではない。F4からF11で最もシャープになる。
- 16mm中央:F2.8は少しソフトだが、F4からF11で見事なシャープネスとなる。F16で回折の影響を受ける。
- 16mm端:端は中央ほどではなく、F5.6からF11でピークとなる。
- 20mm中央:F2.8は少しソフトだが、F4からF11で見事なシャープネスとなる。F16で回折の影響を受ける。
- 20mm端:端は中央ほどではなく、F5.6からF11でピークとなる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- ボケの評価には個人差があると思うが、我々の見解としては魅力的なボケに見える。
- 強い輪線ボケに悩まされており、玉ボケには同心円状のムラが発生している。
色収差:
- テストショットではあまり目立たず、コントラストの高い領域でのみ発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 11mmで目立つ樽型歪曲が発生する。
- 20mmでは目立つ糸巻き型歪曲が発生する。
周辺減光:
- 絞り開放で光量落ちが発生する。
- これを解消するには少なくとも3段絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 記載なし。
総評
ソニーAPS-Cミラーレス用の超広角ズームレンズは多くない。しかし、タムロンが11-20mm F2.8 Di III-A RXDという優れた選択肢を用意してくれた。シャープネスはすべての焦点距離において、F2.8の絞り開放でフレームの中央部が優れている。しかし、周辺部は少し落ち込むため、同水準のシャープネスを得るためにはF4まで絞る必要がある。光の状態が良くも悪くも、オートフォーカスは高速かつ確実で、静かである。
このレンズはいくつかの問題を抱えている。特に、ズームレンジの両端での明らかな歪曲収差が発生し、フレーム内に強い光源がある、フレアが発生する。また、17-70mm F2.8とは異なり、タムロンの手ブレ補正機構は搭載されていない。しかし、防塵防滴には対応している、本格的なレンズだ。さらに、本レンズには物理的な操作系が全くないので、フォーカスモードを変更するたびに複雑なソニーのメニューシステムに入っていかなければならないのは、少々煩わしく感じた。
唯一のライバルであるソニーE 10-18mm F4 OSSと比較すると、100g以上重く、数cm長く、光学式手ぶれ補正を搭載していない。しかし、より明るい開放F値、より優れたビルドクオリティ、より優れた防塵防滴仕様が得られることから、我々はソニーに勝るとも劣らないと考えている。
明るい超広角ズームレンズをお求めの方は、ぜひタムロン11-20mm F2.8 Di III-A RXDレンズを候補に入れてみてほしい。
とのこと。
APS-Cミラーレスでは貴重な大口径広角ズームレンズですね。このレンズを除けば選択肢はソニー「E 10-18mm F4 OSS」しか存在しません。F2.8の明るさや防塵防滴が必要であれば積極的にタムロン選ぶ理由となります。光学性能は十分良好ながら、歪曲収差や逆光耐性には注意が必要となる模様。ここ最近登場したVLOG向けカメラ「ZV-E10」と組み合わせたくなるところですが、手ぶれ補正を利用できないのが悩ましいところ。静止画向け、もしくは三脚やジンバル搭載で動画撮影する時に重宝する選択肢となりそうです。
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競合レンズ比較
11-20mm | 10-18mm | |
レンズ構成 | 10-12 | 8-10 |
最短撮影距離 | 0.15-0.24m | 0.25m |
最大撮影倍率 | 0.25-0.13 | 0.1 |
フィルター | 67mm | 62mm |
サイズ | φ73x86.2mm | φ70.0×63.5mm |
重量 | 335g | 225g |
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