Dustin Abbottがシグマ「135mm F1.8 DG HSM | Art」のレビューを掲載しています。
キヤノンEFマウントを中心にカールツアイスやタムロン、シグマを万遍なくレビューしている方です。85 Artより色収差の補正が良好、AF速度はEF135L並み、ボケは滑らかと絶賛していますね。ただし、ツアイスに比べて”何故か”寒色系のホワイトバランスとなるようです。
Dustin Abbott
- 造り…他のレンズと同様に金属マウントとエンジニアリングプラスチックによる外観はプレミアムな質感を持っている。(ただし、ツアイスレベルではない)。私はこの一貫したArtシリーズの外観に満足しており、135 Artも例外ではない。85Artのように見えるが、全体的にやや小さい。
- 135mmクラスのレンズとしてはとても大きなレンズだが、85Artのようなレンズもあるため特別巨大なシグマレンズと言う訳ではないだろう。とは言え、レンズは前玉が重くなっているので一眼レフに装着したらフロントヘビーと感じるはずだ。バッテリーグリップを装着するとバランスを取ることができる。
- フォーカスリングは85 Artのようにとても大きく鏡筒を覆いつくすものだ。とても滑らかに動くが、より良好なマニュアルフォーカスレンズほどではない。
- AF…キヤノン「EF135mm F2L USM」とほぼ同じAF性能と感じている。AF速度はとても高速で静かだ。さらにAFリミッターは歓迎できるものだろう。これを適切に使用するとAFスピードを少し向上させ、ハンチング(AFが前後に迷うこと)を減らすことが出来る。その結果、AFスピードは非常に高速なものとなっている。
- ただし、AF速度は改善の余地がないわけではない。EOS 5D Mark IVの中央測距点を使うと一貫したフォーカス結果を得ることが出来たが、外側の測距点を使うと時々重大なミスが発生し成功率を下げている。これは必ずしも起こりうるものでは無いが、時々発生した。
- 解像力…テストチャートを用いた場合、F2.8まで絞っても85 Artがまだ有利だ。しかし、実際の撮影現場においてこれは全てではない。より過酷な光環境の下では85Artは目立つ色収差が発生する可能性がある。これを補正すると”見かけの解像度”が低下する事は考慮しておくべきだろう。一方で135Artはこの危険度が高い収差をほぼ完璧に補正している。スタジオ撮影では85Artが良い選択肢だが、屋外でのポートレート撮影ならば135Artがオススメだ。
- 色収差…私がこれまで見てきたレンズの中で最もニュートラルに補正されたレンズの一つだ。実際、色収差が見えないのでレンズの絞りを大きく開いた状態で自由に撮影できる。
- フレア耐性…この性能も印象的だ。特に「EF135mm F2L USM」がどれほど悪いかを考えていると特に印象的だ。多くのレンズで構成される大口径単焦点レンズで問題となるカテゴリだが、135 Artは問題としていない。
- 周辺減光…競合レンズで一般的なレンズ口径F2まで絞ると、減光はとても少なく見事なものとなる。
- 歪曲…メカニカルな観点で見ると85ArtやMilvus135よりもわずかに歪曲がある。しかし、これは現実的には問題ではない軽微なものだ。
- 注意点…他のレンズと比べてホワイトバランスが寒色となる。色温度を編集すると問題ないため発色に問題がある訳ではないが何等かの理由でAWBが寒色傾向となる。これは私の好みと言えるものだが、色が飽和し難い(Milvus135と比較して)
- ボケ…議論の余地はなく、これは信じられないほどのボケを生み出すレンズであり、私の好みだ。イルミネーション、木漏れ日に関わらず柔らかくクリーミーなボケを作ることに優れている。絞り込むと9枚羽根の形状が見えてくる。
- 85 Artにおけるピント面前後のボケはやや騒がしいが、135 Artは遥かに滑らかだ。玉ボケも騒がしい85 Artと比較してはるかに滑らか。これは85 Artと被写体を同じサイズで撮影した場合、より滑らかなボケを演出できることを意味している。
- これは間違いなくボケを作るための特別なレンズだ。シャープネスの質と素晴らしい描写の組み合わせはシグマレンズの中で最も光学的に完成している。
このレンズはシグマの中で最もシャープでは無く、明るくなく、安価なレンズではない。しかし、このレンズは多くの点で最も完璧なシグマレンズだ。ホワイトバランスが少し寒色系となり、色飽和するほど高い彩度とはならないが描写は高く評価できる。
「Milvus 2/135」や「135mm F2.0 ED UMC」など優れた135mmのレンズを見てきたが、これらはどちらもマニュアルフォーカスレンズだ。シグマ 135mm F1.8 Artは現代的なレンズデザインと優れたオートフォーカスを兼ね備えた初めの135mmと言えるだろう。そして、レンズの最大口径を僅かに大きくしてきた事はさらに喜ばしいことだ。
このレンズは85mmと比べて汎用性が低い画角だが、多くの写真家にとって手に入れたいレンズのトップに躍り出るものだろう。そして私はそれを否定する理由が全くない。
長所:優れたシャープネスと美しい描写のコンビネーション、様々な状況で一貫した高速AF、誇りや湿気に強い造り、135mmにおける最も明るい口径、美しいボケ、USB Dock・MC-11の互換性、色収差の完璧な補正、良好なフレア耐性
短所:クラス最大のレンズ、新しいArtレンズの価格、外側の測距点を使うとAFの一貫性が低下する、比較的AWBの色温度が低くなる、Milvus 135mmと比べて彩度と細部のコントラストが低い
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