IMAGING RESOURCEがソニー「α7 IV」のレビューを公開。α1やα7S IIIの特徴を継承し、非常に多機能なカメラに仕上がっていると評価。「私にとってはα1みたいなもの」と言及しています。
IMAGING RESOURCE:Sony A7 IV Hands-on Review, Part I
カメラの紹介:
- 2018年に登場したα7 IIIの後継モデルだ。後継モデルが登場するまで時間がかかったが、内部・外部とも多くのアップグレードや改善が見られる。
- エントリーモデルの価格設定ではないが、ソニーはこのカメラを「新しいベーシック」と呼称している。
- ベーシックモデルながら、α7S IIIやα1の機能をいくつも継承し、一連の機能と改善点を備えているのは驚くべきことだ。
ビルド・外観:
- 一見したところ、ソニー最新世代のミラーレスとそれほど変わらないように見える。彫りの深いデザインで、大きなハンドグリップを備えている。
- 全体的に、α1とα7S IIIを融合したようなデザインである。サイズは少し大きいが、優れたビルドクオリティである。
- しっかりとした防塵防滴仕様である。
- コントロールダイヤルはしっかりとしていて、安っぽくも薄っぺらくもない。
- 起動時間は高速だが瞬間的ではない。起動まで1秒もかからず、使い慣れたOM-D E-M1 Mark IIIのほうが少し早い。
携帯性:
- サイズはα7 IIIよりも少し大きい。
グリップ:
- α7 IIIとの見比べて最も顕著な違いはグリップだ。
- α7 IIIと比べて遥かに持ちやすい。
操作性:
- リアコマンドダイヤルは上部へ移動し、少し大きくなっている。
- 右肩には初期設定で露出補正が割り当てられている3つ目のコマンドダイヤルを搭載。このダイヤルはカスタマイズ可能だ。
- α7S IIIと同じく、C1ボタンとMOVIEボタンの位置が置き換わっている。
- 相変わらず、P/A/S/Mモードダイヤルにロックボタンは無い。
- モードダイヤル同軸下部に静止画・動画・S&Qを切り替えるスイッチを導入している。
- ボタンカスタマイズは静止画と動画で完全に切り替えることが可能だ。
- ファインダー左側のカメラ上部はコントロールが何もない。コンシューマーモデルとスポーツモデルの差別化かもしれないが、追加のカスタムボタンを搭載して欲しかった。
- AF-ONボタンはかなり押しやすくなっている。
- AFジョイスティックは大きく、操作しやすくなっている。
手ぶれ補正:
- 手ぶれ補正はα7 IIIから僅かに改善し、5.5段分の補正効果を持つ。
ファインダー:
- 解像度が236万ドットから368万ドットまで向上している。
- リフレッシュレートは60fpsと120fpsを切替可能だ。
- 0.78倍のファインダー倍率は競合カメラの中ではかなり大きい。ただし解像度は最高ではない。
モニター:
- ?α7 IIIのようなチルトではなく、バリアングル式の可動方式を採用している。静止画/動画のハイブリッドユーザーをターゲットにしていることを考慮すると、可動方式の変更は理にかなっている。
- 個人的にはチルト方式が好みだ。
- 基本的にα7S IIIと同じ144万ドットの3.0型モニタだ。
(訳注:ソニーUKの仕様表を確認した限りでは104万ドットです)- モニタは鮮明でシャープで、明るい屋外でも良好に機能する。
- ライブビューの品質が向上しており、偽色を抑制して解像度を向上していると言われている。
メニューシステム:
- α1やα7S IIIと同じ新しいデザインのメニューシステムだ。
- タッチ操作に完全対応している。
- UIのサイズは少し小さく感じるが、簡単にタップしてスクロールすることが出来る。
- 従来のシステムと比べて、遥かに簡単に目的の機能までたどり着くことが出来る。
オートフォーカス:
- 基本的にα1と同じ、見事なAFシステムを搭載している。
- ただし、α1のような積層型CMOSセンサーではないため、α1ほど高速なデータ読み取りには対応していない。システムとしてはα1と同じだが、パフォーマンスは同等と言えない。
- 像面位相差の検出は759点となり、センサー全体の94%をカバーしている。
- 低照度の測距輝度範囲がー4EVまで改善している。
- リアルタイムトラッキングに対応している。α7 IIIにはロックオンAFがあるものの、リアルタイムトラッキングほどの性能ではない。ロックオンAFよりも困難な追従状況に対応可能だ。
- 人物・動物・鳥で対応可能なリアルタイム瞳AFにも対応している。
- F22までAF追従が可能だ。α7 IIIはF11までである。
- AF-Sはほぼ瞬間的にピントが合う。AF-Cの性能も見事だ。
- 瞳検出をカスタムボタンに割り当てることで、素早く機能を切り替えることが出来る。
画質:
- RAWに加え、JPEGとHEIF出力に対応している。
- RAWは非圧縮・ロスレス圧縮・圧縮の3種類に対応している。
- クリエイティブルックには様々な画質調整パラメータがある。これはいくつかの点で富士フイルムのフィルムシミュレーションと似ている。
- クリエイティブルックは何等かの意図を持つ2文字の略語を使用している。
- 3300万画素センサーを搭載し、無印α7としては最高解像度のカメラだ。実際、初代α7Rの3600万画素に近い性能である。2000~2400万画素の競合クラスの中では際立った解像性能だ。
- 3300万画素は優れた解像性能とファイルサイズのバランスが取れている。非圧縮RAWのファイルサイズは70-75MBだが、圧縮RAWならば35-40MBとなる。
- JPEGの画質は鮮明でシャープだ。高ISO感度でも適切にノイズが処理されている。
- 光学ローパスフィルターは搭載していないので、より細かいディテールを撮影可能だ。
連写性能:
- α1と大きく差がつくポイントだ。同じ処理エンジンを搭載しているが、α7 IVの連写速度はわずか10コマ秒までである。これはα7 IIIも同じだ。
- α1もメカニカルシャッター時は10コマ秒だが、電子シャッター使用時は30コマ秒まで対応している。
- それでも10コマ秒あれば要求の厳しい場合を除いて十分な連写速度である。
- CFexpress Aカードに対応したことで、見事なバッファクリア性能を備えている。
- その一方、かなり高速なSD UHS-IIを使用した場合でも、13?14枚だで連写速度の低下が始まる。連写で最高性能を得るにはCFexpress Aカードが不可欠だ。
- その意味で下のスロットでCFexpress Aカードに対応していないのは残念だ。
ISO感度:
- 新型センサーと新型プロセッサだが、ISO感度レンジは従来通りだ。
- 低感度・高感度どちらの画質にも満足している。
- ISO 3200~12800でも画質はとても良好だ。
ダイナミックレンジ:
- ソニーが主張するダイナミックレンジはα7 IIIと同じだ。
- ただし、新しい画像処理エンジンを使用しており、改善した画像処理機能やより自然な色を利用できると言われている。
動画:
- 4K 60p・10bit・FullHD 120p・S-logなど、様々な高度な機能を利用することが出来る。
- 4K 60pはSuper35モードでのみ利用可能だ。この際は4.6Kオーバーサンプリングで4Kを生成する。
- センサー全幅を利用するには4K 30pを使う必要がある。この際は7Kのオーバーサンプリングで4Kを生成する。
- XAVC S・XAVC HS・XAVC S-Iなどに対応している。
- XAVC S-Iは4:2:2 10bitで高ビットレートでの撮影となる。
- 全ての動画機能はSDカードに記録可能だ。
- α7S IIIと同じ放熱システムを採用している。ソニーは4K 60p 4:2:2 10bitで1時間以上撮影できると主張している。
- α1やα7S IIIがまだ対応していない、動画撮影で動物瞳AF・鳥瞳AFを使うことが出来る。
- フォーカスマップ機能やブリージング補正など、これまでにない撮影機能も揃っている。ブリージング補正はソニー純正レンズのみ対応している。
- UVC/UACに対応しているので、USBを装着して高性能なWebカメラとして利用可能だ。最大で4K 15p・FHD 60p・HD 30pとして使うことが出来る。
- ストリーミングと同時に内部記録も可能である。
インターフェース
- 頑丈なフルサイズHDMIポートを備えている。
- α7 IIIと同じく3.5mmヘッドホン・マイクジャックを搭載。
- 従来通りUSB-CとMicro USBに対応しているが、USB-CはUSB 3.2にアップグレードされ、最大10Gbpsの転送速度を利用可能だ。
- USB経由で1000BASE-Tイーサネット接続の高速FTP転送にも対応している。
- Wi-Fiは転送速度が速い5GHzに対応し、Bluetoothはスマートフォンとの常時接続が可能となっている。ペアリングは最初の一回だけでよい。
総評
全体として、α7 IVは非常に多機能なカメラだ。人気の高かったα7 IIIからしばらく待たされたが、これは待った甲斐があったようだ。α7 IVは、デザインとエルゴノミクスが改善され、まったく新しい画像処理パイプラインとオートフォーカスシステムを搭載している。新型3300万画素センサーは、素晴らしいディテール性能を備えた画質、素晴らしい高感度画質を提供し、オートフォーカスシステムは高速で正確かつレスポンス良好だ。
このカメラを表現するのに"多機能 "以外の形容詞を思いつくのは難しい。静止画でも動画でも、さまざまなタイプのクリエイターにマッチする。風景写真やポートレート写真を撮る方は、高解像度センサーと瞳AFの追従性をお勧めする。また、野生動物や自然を撮影する方には、「動物&鳥瞳AF」や、AFエリアの広さ、完全なサイレント撮影モードなどが役に立つ。動画クリエイターの方には、高画質化、フレームレートの向上、バリアングル対応、連続撮影時間など、動画のスペックが向上したことに加え、ライブストリーミング機能がより使いやすくなったことを評価していただけると思う。
今のところ、このカメラの唯一のマイナス点は、電子シャッターの連写速度が10fpsであることだと思っている。もう少し速い方がいいかもしれないが、ほとんどのユーザーにとって、アクションやスポーツ、野生動物の撮影には十分な速度だと思う。少なくとも、私にとってはそうだ。
最終的に、α7 IVはα7R IVからソニーの最も多機能なカメラの座を奪うかもしれない。この "ニューベーシック "モデルは、フラッグシップモデルであるA1やA7S IIIから受け継いだ機能が非常に多く、しかもお財布に優しい価格帯になっているのが印象的だ。解像度、性能、そして価格。私にとってα7 IVは、他の人たちにとってのα1のように感じられる。
とのこと。
新型センサー・新型プロセッサ・フルモデルチェンジの外装など、待っただけの甲斐があるカメラに仕上がっているようですね。価格は少し高くなってしまいましたが、それだけ高機能・高性能なカメラに見えます。IMAGING RESOURCEのレビュワーはほとんど不満なく使うことができ、連写速度も10コマ秒あれば十分とのこと。ただし、連写性能を最大限活かすのであれば、CFexpress Aカードを導入したほうが良さそうです。
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