Phillipreeveが「APO-SKOPAR 90mm F2.8 SL II S」のレビューを公開。特筆すべき欠点がほとんどない、非常に完成度の高いレンズと評価。絞り開放から全域でシャープと言うわけでは無いものの、色収差は良好に補正されている模様。
Phillipreeve:Review: Voigtländer 90mm 2.8 SL IIs Apo-Skopar
- 外観:2017年にCosinaはSLシリーズのデザインを更新し、現在のデザインは古いNikonレンズに酷似。絞りリングにはスプロケットがあり、カラフルなマーキング付き。55mm F1.2には銀色のリングも付属。オールメタルデザインで、文字は彫刻されペイントで塗りつぶされている。
- 構造:VM 90mm F2.8 Apo-Skoparと本レンズは同じ光学設計で、最短焦点距離も同じ。ただし、機械設計、フィルター径、レンズフード、絞り構造が異なる。
- 携帯性:サイズは28mm F2.8と58mm F1.4の中間。標準的な52mmフィルタースレッドを採用。
- 操作性:絞りリングはNikonレンズと同様の配置で、フルストップのクリックストップがカメラ本体に近い位置にある。
- AF:
- MF:フォーカスリングは適度な抵抗感があり、0.9mから無限遠まで180°回転。「ニコン方式」で回転。
- 手ぶれ補正:
- 解像性能:F2.8では若干の色収差があるが、一般的に良好。F2.8?F4.0ではコーナーがやや柔らかいが、F5.6?F8.0でフレーム全体のシャープネスがピークに達する。コンパクトなレンズとしては優れた性能。
- 近距離解像:F2.8からフレーム全体にモアレが見られ、42MPセンサーを上回る解像度。小型レンズとしては驚異的。
- 像面湾曲:
- ボケ:玉ボケの口径食は典型的な特性。9枚の丸形絞り羽根により、絞った際もハイライトが丸く保たれる。Mマウント版は10角形のボケを形成。最短0.9mではクローズアップ性能は控えめ。浅い被写界深度を求める用途には不向き。ボケは滑らかで、Zeiss Loxia 85mm F2.4に近いが、猫の目ボケが少ない。F2.8は被写体分離にやや制限あり。
- 軸上色収差:紫フリンジはほぼ補正されているが、ボケ部分にごくわずかな色フリンジが見られる。一般的なレンズと比較すれば補正は優秀。
- 倍率色収差:軽微な横方向色収差があるが、Lightroom等で簡単に補正可能。
- 球面収差:焦点シフトなし。
- 歪曲収差:、軽微な糸巻き型歪み。Lightroom/Photoshopで-2補正で簡単に修正可能。
- 周辺減光:中望遠レンズとして標準的な周辺減光。
- コマ収差:F2.8では少量発生するが、1段絞ると大幅に減少。良好な補正だが完璧ではない。
- 逆光耐性:典型的な性能。ゴーストは問題なし。ベールフレアは発生しやすく、特にフレーム外の光源で顕著。Mマウント版の長めのフードは効果的だが、Fマウント版のフードは小さく効果が疑問。
- 光条:9枚の丸形絞り羽根により、ボケの美しさは向上。ただし、光条は目立ちにくい。F8.0?F16でそれなりに発生するが、Mマウント版の10枚羽根の方が明瞭。
- 作例集:リサイズ多数
- 総評:マニュアルフォーカスのFマウント一眼レフを使用する人にとっては魅力的なレンズ。驚くほどコンパクトで、28mm F2.8 SL IIや40mm F2.0、58mm F1.4/55mm F1.2と組み合わせることで多用途な3本セットを構成できる。光学性能も優秀で、特筆すべき欠点はほとんどない。全体として非常に完成度の高いレンズ。
- 競合について:
- 備考:
2021年に登場した一眼レフ用のMFレンズ。
総金属製の外装に加え、懐かしさを感じるAI Nikkorのようなデザイン。レトロな外観ながら、異常部分分散ガラスを5枚も使用するアポクロマート設計を採用、高度な色収差補正を実現しています。さらにレンズマウント部にはカメラとの通信を可能にする電子接点やAiカプラーを搭載し、フィルムから最新のデジタル一眼まで対応する製品となっています。
Phillipreeveのレビューでは、絞り開放からフレーム全域で高解像とは言えないものの、APOらしく色収差は良好に補正されているようです。「90mm F2.8」のためボケの大きさには限界があるものの、滑らかで綺麗な描写に見えます。
「APO」を関するレンズとしては価格も手頃で導入しやすい。他の一眼レフ用フォクトレンダーと組み合わせやすく、面白い選択肢となりそうですね。残念ながらシルバーリムは生産完了となってしまいましたが、ブラックリムは引き続き入手可能。
コシナ Voigtländer APO-SKOPAR 90mm F2.8 SL II S 最新情報まとめ
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レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
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発売日 | 2021年11月 | 初値 | 60,120円 |
マウント | Nikon F | 最短撮影距離 | 0.9m |
フォーマット | 35mm | 最大撮影倍率 | 1:8.1 |
焦点距離 | 90mm | フィルター径 | 52mm |
レンズ構成 | 7群7枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F2.8 | テレコン | - |
最小絞り | F22 | コーティング | 不明 |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ66.3×41.0mm | 防塵防滴 | - |
重量 | 260g | AF | MF |
その他 | |||
付属品 | |||
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関連レンズ
- AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
- AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G
- AI AF Nikkor 85mm f/1.8D
- 85mm F1.4 DG HSM
- MF 85mm F1.4 MK2
- Otus 1.4/85
- Milvus 1.4/85
- SPEEDMASTER 85mm F1.2
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