DXOMARKがキヤノン「EF85mm F1.4L IS USM」のテストスコアとレビューを公開。Otusを超える解像性能を発揮し、「EFレンズとしては過去最高」の光学性能と高く評価されています。
これまで見た中でEFレンズ最高の光学性能
DXOMARK:Canon EF 85mm F1.4L IS USM Lens review
総合 解像 歪曲 減光 透過 色収差 EF85mmF1.4L 5DsR 49 42 0.1 -1.8 1.6 4 Otus 1.4/85 5DsR 47 41 0.2 -1.8 1.7 3 85mm F1.4 A 5DsR 47 40 0 -1.3 1.8 2 85mm F1.4 EX 5DsR 43 33 0.1 -1.3 1.6 4 SP85mm F1.8 5DsR 42 38 0.1 -2.1 2.0 3 EF85mmF1.2L 5DsR 38 30 0.2 -2.0 1.6 7
- レンズの紹介:
・2017年に登場した、一眼レフ用の大口径レンズだ。
・同社初の85mm F1.4である。
・RFシステムが登場前の最後の単焦点レンズの一つだ。
・従来と比べてデザインが一新され、多くの高度な機能を備えている。
・4段分の光学式手ぶれ補正や耐衝撃性のあるレンズだ。
・10群14枚構成のうち、3枚のレンズが光学手ぶれ補正ユニットに組み込まれている。- 全体的な画質:
・最高の解像性能を持つEOS 5Ds Rと組み合わせてテストした。
・これまで見てきたEFマウントレンズの中では最高の光学性能だ。
・倍率色収差と歪曲収差をとても良好に補正している。
・透過率はT1.6と非常に良好だ。
・比較的コンパクトな大口径レンズだが、周辺減光は-1.8EVとうまく抑えられている。- 競合レンズとの比較:
・F1.2L IIと比べると、特にフレーム周辺部の解像性能に違いが見られる。倍率色収差の補正は遥かに良好だ。- 詳細な比較:
・Otus 1.4/85と85mm F1.4 DG HSMと比較した。
・絞り開放でツアイスは中央で少しシャープだが、周辺部やキヤノンやシグマよりも悪化する。ただし、これは僅かな違いだ。
・シグマはフレーム全域でキヤノンと同程度だ。
・F5.6でキヤノンが最高のシャープネスを達成する。中央もツアイスを上回るが、ほぼ互角の性能だ。
・非点収差の補正はツアイスが最も良好だ。
・シャープネスの性能は3本ともほとんど同じである。
・倍率色収差補正は良好だが、F1.4?F2.8でシグマやツアイスよりも少し数値が高い。ただし、全体的に5μm以下を維持しており、単焦点レンズとしては低い数値である。F4まで絞るとツアイスやシグマよりも良好だ。
・歪曲収差はどのレンズも収差が小さい。
・今回の3本でキヤノンが最も小さいレンズだが、-1.8EVと比較的緩やかな減光量だ。シグマは1段絞ると解消するが、キヤノンやツアイスは2段絞る必要がある。
・非常に優れた透過率のレンズである。総評
ハイエンドで超大口径な85mm F1.2モデルを生産してきた歴史を考えると、「EF 85mm F1.4L IS USM」の登場は驚きだった。モダンなデザインと光学式手ブレ補正を搭載しただけでなく、その低価格は、F1.2の後継機ではなく、F1.2と肩を並べるものであったことを意味している。しかし、それ以上に驚いたのは、RFマウントが発表されて間もない頃に発表されたことだ。(訳注:EOS Rが登場したのは2018年のため、おそらく勘違いです)
キヤノンの既存のデジタル一眼レフカメラのユーザー層は膨大であり、新マウントへの関心がEFマウントをやや上回っているとはいえ、EOS RシステムカメラがこのEFレンズの優れた性能を利用できないわけではない。
デジタル一眼レフユーザーであるか、ミラーレスに移行したかに関わらず、EF 85mm F1.2L II USMに対する大きな利点は、全絞りでフレームの中心から端までシャープであることだ。
ポートレートの撮影では主な被写体がフレームの中央に位置することはほとんどないので、レンズを開放にしてピントを合わせるときには特に重要だ。また、色収差も抑えられており、手ブレ補正機能も搭載されているのは、ウェディングフォトグラファーなど、ライティングに制約のある方には嬉しいポイントと言えるだろう。
プロのLシリーズレンズとして、それはもちろん、安くはない。とは言え、このようなクオリティのレンズが安いはずがない。
とのこと。
大口径の85mm F1.4としては珍しく光学手ぶれ補正を搭載したレンズですね。特殊レンズは非球面レンズ1枚と少ないものの、10群14枚の複雑な光学設計となっています。色収差補正は特殊レンズを贅沢に使ったOtusほどではないものの、他のカテゴリでは良好な補正状態ですね。
EOS 5Ds Rとの組み合わせで最高の解像性能を叩き出していることから、4500万画素のEOS R5と組み合わせても効果的な撮影が可能あると予想できます。解像性能をはじめ、歪曲収差や光透過、周辺減光を含めて、全体的にバランス良くまとまっています。
レビューサイトによって、シグマやOtusとの優劣に違いがあるものの、それだけ僅差のパフォーマンスのレンズと言えるのかもしれません。その中では光学手ぶれ補正と純正らしいAF性能が強みとなりそう。
「今さらEFレンズ」と感じる人も多いかもしれませんが、今でも十分通用するパフォーマンスに仕上がっているようです。5000万画素以上の超高画素機でどれほど伸びしろがあるのか気になるところ。
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