DPREVIEWがEOS 6D Mark IIを買うべきかどうかを7ポイントで紹介しています。
当ウェブサイトでもDPREVIEWと同じように比較してきましたが、だいたい同じような見解です。
画質的には先代や競合を引き離すようなものではありません。しかし、DPREVIEWが文中で「バリアングルとAF、タッチパネルの追加は、これだけで一部のカメラマンにとって”ゲームチェンジャー”となるものだ」と述べているように、バリアングルモニタが必要な人にとって唯一無二のフルサイズ一眼レフとなるかもしれませんね。(実際にはα99 IIという競合が存在するのですが、タッチパネルが搭載されていませんでしたね)
DPREVIEW:6D Mark IIを買うべきか否か?
キヤノン EOS 6D Mark IIはその前身よりも優れたカメラだが、どれくらい良いものだろうか?6Dを所有している場合にアップグレードする価値はあるだろうか?6D以外のカメラだったとしてもアップグレードする価値のあるカメラだろうか?
1:EOS 6Dユーザーの場合
あなたが6Dユーザーで数年間一般的な撮影を楽しんでおり、資金に余裕があるならば6D Mark IIへのアップグレードをオススメする。画質の大幅な向上は無いが、遥かに高速で、最新のユーザーエクスペリエンスを提供している。
そしてAFははるかに優れ、バリアングル式のタッチパネルモニタとデュアルピクセルCMOSAFを追加している。これだけで一部のカメラマンにとって”ゲームチェンジャー”となるだろう。デュアルピクセルAFは我々が見た中で最も正確なAF、顔検出、および被写体追跡性能を提供する。
一方でライブビューがほとんど必要なく、6DのAFで満足してる場合にはお金を節約するべきだろう。そのお金で新しいレンズを買うか6Dの予備機を買える。2000万画素から2600万画素の向上は控えめであり、日常的な撮影では6Dもまだまだ良好だ。
とは言え、6D Mark IIを触る機会があれば、新しい性能を試してみて欲しい。改良されたAFやライブビュー、タッチパネルは予想以上の差と感じるかもしれない。
2:EOS 5D Mark IIIユーザーの場合
残念ながら5D Mark IIIよりも6D Mark IIの方がより高解像度センサー、便利なライブビュー、動画で驚くほど正確なAFを備えている。そしてより高速で軽量だ。
しかし、あなたががスポーツやイベントで広いAFエリアが必要である場合、6D Mark IIの位相差AFエリアが少し狭いことに気が付くはずだ。
6D Mark IIが5D Mark IIIのAFシステムに勝るのは野生動物の撮影において、レンズ+テレコンバーターの組み合わせを使った時だ。5D Mark IIIは中央だけがF8対応だが、6D Mark IIでは27点のAFポイントがF8に対応している。
さらに6D Mark IIにはGPSとWiFiが内蔵されている。私の経験ではとてもありがたい機能だ。
一方で6D Mark IIの低?中ISO感度における画質は5D Mark IIIからの大きなステップアップにはならない。5D Mark IVがより広いダイナミックレンジを提供しているにも関わらず、6D Mark IIのラティチュードは5D Mark IIIと一致している。
さらに5D Mark IIIのメリットとして、長期間運用されてきた”信頼性”という評判だ。6D Mark IIは現時点では未知数である部分が多い。5D Mark IIIから6D Mark IIへの乗り換えに抵抗があるのならば、5D Mark IVを考慮するべきだろう。6D Mark IIよりもコストはかかるが、AFジョイスティック、高解像、4K動画など素晴らしオプション機能が搭載されている。
3:EOS 5D Mark IVユーザーの場合
5D Mark IVを使い続ければいいだろう。もし6D Mark IIに乗り換える理由があるとすれば、本当にバリアングルモニタが必要な場合だろう。(何等かの理由で内蔵GPSが必要な場合もある)
一方でサブ機として6D Mark IIを考慮するならば、多くのポイントを挙げることができる。比較的軽量でコンパクトであり、普段の写真撮影では優れた画質を提供する。そして、優れたライブビュー性能を持ち、特に三脚マウント時には便利だ。ダイナミックレンジ、4K、絶対的な解像度には期待しない方が良いだろう。
4:EOS 80Dユーザーの場合
正直なところ、EOS 80Dとセットで使っているレンズによって違ってくる。あなたが80Dと適切なレンズのセットを持っており、そして満足している場合にはフルサイズ一眼へのアップグレードは期待している程では無いだろう。EF-Sレンズはフルサイズに取り付けられない上に、フルサイズ用レンズを購入する費用が必要になってくる。
多くの点で6D Mark IIはフルサイズ版80Dと考えることが出来るものだ。6D Mark IIに乗り換える最大のメリットは画質だが、決定打とはならない。フルサイズセンサーによるISO感度全域でより優れた画質を提供できるが、EOS 80Dに搭載されている新しいセンサーは低感度でよりダイナミックレンジが優れている。(この違いはRAWで気が付く程度だ)
6D Mark IIはセンサーサイズが大きいため、被写界深度が浅くポートレートに便利だ。しかし、これはレンズに左右される要素だ。APS-Cでも浅い被写界深度の実現は可能である。
もしも、あなたがお金を持っていて、本当に6D Mark IIが欲しいのならば私は止めに入らないだろう。しかし、もしそうでないならば、80Dで腕を磨くことをオススメする。
60DやKissなど古いAPS-Cボディを使っているのであれば、6D Mark IIへの乗り換えはいい経験となるはずだ。しかし、この場合にもフルサイズ用レンズのコストが必要であることは忘れてはいけない。
5:EOS 7D Mark IIユーザーの場合
6D Mark IIと7D Mark IIは特性が異なるカメラだ。7Dはプログレードのアクションカメラとして設計されている。非常に強力・高速で全点クロスタイプのオートフォーカスシステムは広いAFエリアを持ち、iTR追従システムを持っている。
6D Mark IIが恥ずべき性能と言うものでは無いが、スポーツやアクションを撮影する場合には適したカメラと言うことは出来ない。
繰り返しになるが、APS-Cからフルサイズに乗り換えるためには対応レンズの交換が必要となってくる。果たしてそれだけの価値はあるだろうか?
一方で、ポートレート・風景・イベント写真の場合には高解像で暗所におけるパフォーマンスが高い6D Mark IIはアップグレードに値すると言えるだろう。
6:Nikon D610・D750の購入を検討している
既に手持ちのレンズがある場合にはそれに対応したカメラを買うべきだろう。仮に何もレンズを持っていないと仮定するならば、D750と6D Mark IIとの比較になってくる。D610という選択肢はやや弱い。
D750と6D Mark IIはとても似ているカメラだ。6D Mark IIの利点はライブビュー(動画・静止画)で優れているデュアルピクセルAFシステムだ。D750のライブビューは最低限のものであり、タッチパネルもバリアングルモニタも搭載していない。
一方でD750が遥かに凌駕しているポイントは、良好なファインダーAFシステムと広いダイナミックレンジ、スポーツに適している3Dトラッキング、暗所性能だ。さらに優れた測光システムを持ち、ハイライト重点測光やスポット連動測光を持っている。
他の多くの点では6D Mark IIとD750は互角だ。バッテリー性能、サイズ・重量・動画性能など。動画は6D Mark IIの方がバリアングルとタッチパネルで楽しく撮ることが出来るだろう。一方でD750は内蔵フラッシュを搭載している。
出来る事ならば、カメラ屋でどちらも使ってみる事だ。どちらも優れたカメラだが、使う事で購入したいカメラがハッキリとするはずだ。
7:動画撮影目的の場合
いくつかの点で6D Mark IIは優れたビデオカメラとなるだろう。デュアルピクセルAFはとても滑らかで楽しいユーザーエクスペリエンスを実現する。そしてバリアングル式のタッチパネルモニタをも搭載している。
しかし、プロの動画撮影者にとっていくつかの重大な制限事項がある。モニタリング用のヘッドホン端子が無い、ピーキングやゼブラ表示が無い、そしてログが無く、非効率的なコーディングはハンディキャップとなるだろう。
そして動画はFHD 60pまでだ。4Kが必要な場合には5D Mark IVか1D X Mark II、もしくはシステムを見直す必要がある。
よって、私は6D Mark IIを動画撮影用として購入することをオススメしない。動画が主な使用目的であれば、優れたカメラは他にある。
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