Mobile01がキヤノンのAPS-C一眼レフカメラ「EOS 90D」のレビューを公開。ファインダー・ライブビューAFの参考動画や3250万画素センサーにおける回折の影響などを分かりやすく紹介しています。
EOS 90DはAPS-Cカメラで初めて3000万画素に到達した。同シリーズ11世代目のカメラであり、同時に10コマ秒連写やハイエンドモデルのみ実装していた「EOS iTR AF」にも対応している。
発売年 モデル名 画素数 最高連写速度 AF点数 2000 D30 310万 3fps 3 2002 D60 630万 3.3fps 7 2003 10D 630万 3.3fps 7 2004 20D 820万 5fps 9 2006 30D 820万 5fps 9 2007 40D 1,010万 6.5fps 9 2008 50D 1,500万 6.3fps 9 2010 60D 1,800万 5.3fps 9 2013 70D 2,000万 7fps 19 2016 80D 2,400万 7fps 45 2019 90D 3,250万? 11fps 45
- EOS 90Dは同シリーズが始まってから19年目のカメラである。過去には4K動画の解像度にも満たないカメラだったが、今では「フルサイズで高画素」よ呼ばれていた解像性能に達している。このようなカメラが登場するとは想像できなかった。
- バリアングルモニタはEOS 60Dから継承されている仕様だ。引き続き104万ドットになるとは思っていなかったが…。
- 重量は701gとここ最近のEOS 10桁モデルとしては最軽量だ。
- 低消費電力の技術が向上しており、EOS 80Dの撮影枚数960枚を大きく上回る1300枚となっている。
- オートフォーカスは光学ファインダー時に45点、ライブビュー時に5481ポジションで利用可能だ。光学ファインダー時のクロスセンサーは中央1点だけである。精度の高いフォーカシングを利用する場合はライブビューを使うべきだ。
- 「EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS USM」はキットレンズながら、ファインダーAFは数多くのF2.8大口径ズームよりも高速であることは疑う余地が無い。フォーカシングは一瞬で被写体をロックする。
- ライブビューAFは光学ファインダーよりも僅かに遅くなるが、基本的に業界最先端のパフォーマンスと言えるだろう。
- EOS iTR AFを利用した光学ファインダーAFとライブビューの顔検出サーボAFで追従連写をテストした。
- 歩行者程度の速度であれば問題無く追従する。
- 光学ファインダー使用時に全エリアを使ったAFで最初の追従開始ポイントを指定することが出来ない。被写体が小さく写る時、これは不利に働くだろう。ただし、大部分は被写体を正確に把握し、フォーカシングの成功率はとても高かった。
- メニューシステムにAF専用タブが存在しない。C.FnページにアクセスしてAF設定を変更しなければならない。
- 一般的なコンシューマー用途では問題の無いフォーカス性能だが、被写体が不規則な動きをし、背景が騒がしく、遮蔽物が多い場合はもっとプログレードのカメラを選んだほうが良いだろう。
- APS-C 3250万画素センサーは画素ピッチが狭く回折の影響を受けやすい。このカメラの場合、F8からF11までの間で回折の影響が表れはじめる。一般的にF16までは問題無いと考えがちだが、EOS 90DやM6 Mark IIで画質を維持したいのであればF11以下に絞り値を設定するのが安全だ。
- フォーカスブラケットに対応しているが、利用可能なレンズは限られている。またキットレンズは対応していないので注意が必要だ。
Points:3250万画素の高解像センサー・45点オールクロスAF・低照度AF性能・スティック型マルチコントローラー・100%×88%のカバーエリアを持つライブビューAF・EOS iTR AF対応・追従AF/AE対応の10コマ秒連写・クロップ無しの4K動画(DPAF対応)・バリアングルモニタ
要改善:過酷な環境ではオートフォーカスでミスショットが時々発生する
一眼レフにもメリットはまだ残っているが、このカメラは肝心の光学ファインダーAFがEOS 80Dのままであり、AFシステムはプロレベルのニーズを満たすものでは無い。バッテリー性能は優れているが、より小型軽量、そして同じ3250万画素センサーを搭載しながらもより安価なEOS M6 Mark IIも検討してみるべきだ。
とのこと。
私も発売日からEOS 90Dを使いこんでいる最中ですが、似たような印象。特に光学ファインダーのフォーカスシステムは基本的にEOS 80Dのままなので、ここを重視しているとあまり変化を感じられないかも。EOS iTR ARを実装していますが、効果を感じるかどうかは被写体によると思われます。また、スティックタイプのマルチコントローラーで操作しやすくなっていますが、正直に言うと45点測距では必要性をそこまで感じません。
ただし、ライブビューAFは見違えるように改善していると感じます。EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMの爆速AFはライブビューでも健在なのでほぼストレスフリー。おそらくファインダーAFよりライブビューAFを多用しています。ファインダーAFと比べてカバーエリアが広く、フレーム隅におけるピント精度も問題ありません。おまけに連写速度もソコソコ速い。
光学ファインダーとライブビューを軽快に使い分けることができるハイブリッドカメラと考えると非常に完成度の高いカメラだと思います。
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