Lesnumeriquesがキヤノン「EOS R3」の連写・AFに関するレビューを公開。カメラの起動時間が本当に遅いと指摘していますが、それ以外では連写・AFは素晴らしいパフォーマンスであると評価しています。
Lesnumeriques:Labo ? Canon EOS R3?: l'autofocus le plus performant du marché photo??
EOS R3は、キヤノン初の縦位置グリップ一体型ミラーレスカメラだ。一眼レフカメラ「EOS-1D X Mark III」のレガシーを継承しつつ、ジャーナリストやスポーツ写真家、野生動物写真家のために設計された。キヤノンで最も先進的なカメラである。
起動時間
- 一般的な性能を語る前に、EOS R3の弱点である起動時間を確認する。撮影できるまでに1.5秒以上待たなければならず、これは本当に長い。「EOS-1D X Mark III」は0.26秒で起動していることを考えると残念だ。2つのカメラの間に80%以上の差がある。
- 電源オフ時のシャッター幕によるセンサー保護機能をオフすると、約0.1秒の向上が見られる。しかし、これは起動時間にとって重要なことではない。
- この点が解消されると、EOS R3はその実力を存分に発揮する。オートフォーカスの測定値の中には0.1秒を切るものもあり、これは大部分のミラーレスカメラで実現できないことだ。低照度での性能はわずかに低下するが、全体的な性能に比べればごくわずかな低下である。
連写
- 連写速度はソニー「α1」と同等だ。しかし、ソニーは連写速度が速い場合にフリーズする場合がある。これは本当にフラストレーションを感じる。一方でEOS R3は本当に滑らかで一貫した動作である。
- 連写速度は、キヤノンが発表した値と厳密に一致している。スペックシートを盛っていない。
- キヤノン初の積層型センサーを搭載し、JPEG/RAWでも30コマ/秒の高速連写が可能だ。その性能は驚くべきもので、特定のオプションを利用する必要無く実現している。
- 連続撮影枚数はRAWで150コマまで。しかし、JPEGや圧縮RAWに切り替えると、上限を押し上げることが可能だ。
- 一方、12fpsのメカニカルシャッターによる連写は、「1000コマ以上」で無制限に記録できる。
AF
- 従来のカメラに比べて、被写体の検出や追従性が向上しており、それを実感できる。
- 乗り物も効果的に検出し、場合によっては搭乗者を検出することも可能だ。
- 動物に関しては、一般的ではない姿の動物がEOS R3の検出を邪魔をすることがあるものの、あらゆる状況で非常にうまく機能している。魚の目も検出可能だ。
- 我々のテストで、ゴミ箱行きの写真データは発生しなかった。
- 撮影現場では、その力に改めて驚かされる。数千枚の写真の中で、実際にオートフォーカスに起因するエラーの数はとんでもなく少ない。これは、ソニーα1で見られた優れた性能と同じである。
ソニーと比べて
- キヤノンとソニーには、性能ではなくユーザーエクスペリエンスの点で異なる点がある。
・AiサーボAFとAF-C
・検出機能
・検出領域の指定- キヤノンは被写体を検出して追従を開始するが、ソニーは追従を開始するポイントを指定して追従する。キヤノンでソニーと同じ使い方をする場合は被写体検出をオフにする必要がある。モード切替の手間が発生する。
- ソニーはAFエリアモードの選択肢が多く、追従AF用のAFエリアも複数用意されており、簡単に切り替えることが出来る。撮影シーンに応じて被写体追従とゾーン追従を同時に行うことも可能だ。
被写体を検出しない追従AF
- キヤノンの場合、被写体追従とエリア追従は2つの異なる設定となる。古典的なエリア追従はメニューで切り替えるか、あるいは手の届きにくいカスタム設定で行う必要がある。ソニーは必要に応じてAFエリアの種類を選択するだけなので、より快適に使用できる。
- どちらのアプローチにも賛否両論があると思うが、我々は特定の被写体を認識しないトラッキングAFについてはソニーが効果的であり、競合他社よりも優れていると感じている。EOS R3は、この機能の効果が薄く、信頼性が低い。
訳注:キヤノンは8種のAFエリアでトラッキングに対応していますが、トラッキング開始後は「全域AF」として機能します。被写体追尾をオフにすることで、従来のAFエリアでサーボAFを利用できる模様。ソニーは指定したエリア内での検出AFに対応しています。トラッキングAFの動作はキヤノンと似ているはず。
動画
- 動画のオートフォーカスもEOS R3は良好だ。デフォルトでは、しっかりと素早く反応してくれるが、ソニーのようなレスポンスの良さは感じられない。優れたスピードを得るためには、レスポンスを+2(=最大値)にすることを躊躇してはいけない。この場合、特定の状況でスムーズなピント移行が失われる。
- 動画撮影中の顔や瞳の検出も非常に優れており、アルゴリズムに頼ることができる。実際の用途ではないにしても、顔の一部やフレーム端にある顔を認識するのが少し難しい。
ソニーとの比較で、小型カメラがEOS R3に匹敵する性能を備えているという点では痛い。
EOS R3のAFシステムは、その性能の高さと効果的な自動システムにより、納得のいくものとなっている。また、電子ビューファインダーならではの性能や機能は、一眼レフカメラや旧来の写真術を決定的に葬り去ることに貢献している。この圧倒的な操作性のおかげで、撮影者はますますカメラに頼り、撮影に集中することができるだろう。
ラボテストでは、少なくとも静止画モードでは、ソニーのα1をわずかに上回るキヤノンに軍配が上がった。とは言え、実際に使用してみると、その差はわずかなものに感じられるかもしれない。しかし、EOS R3は市場で最も優れたオートフォーカスの一つである。
もちろん、まだニコン「Z 9」が控えていることを忘れてはいけない。
とのこと。
起動時間の遅さが気になるものの、オートフォーカスや連写性能は流石のハイエンドモデルと言ったとことでしょうか。連写速度は正確に30コマ秒の高速連写が可能となっているみたいですね。圧縮RAWを使用せずとも150枚の連写が可能で、圧縮RAWを使用することでバッファも節約することが可能となっています。フォーカスシステムは好みがあるものの、基本的なAF性能はとても良好で、レスポンスはかなり速い模様。
特にLesnumeriquesは効果的な被写体検出能力を高く評価。被写体を検出しないトラッキングAFはソニーに劣ると言及していますが、基本的には検出機能とセットで使う人が多いはず。私もキヤノン・ソニーユーザーですが、追従開始のポイントを指定する必要があるソニーよりも、被写体検出で簡単に捕捉できるキヤノンのほうが使い勝手が良いと感じています。
それでも、追従を開始した時の粘り強さはソニーのリアルタイムトラッキングのほうが少し良好と言った印象あり。このあたりが将来的に改善すると、さらに使いやすいカメラとなりそうですねえ。
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