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EOS R50 エントリーミラーレスとしては抜群の性能だがレンズが少ない

DPReviewがキヤノン「EOS R50」のファーストインプレッションを公開。エントリーミラーレスとしては高性能AFや動画機能を搭載していると高く評価しつつ、手ごろな価格で利用できるレンズが少なすぎると指摘。

EOS R50:Canon EOS R50 initial review

見どころ

  • EOS R50は、M50(国内ではKiss M)のRFマウント版として、持ち運びに便利なレンズ交換式カメラとして開発された。
  • EOS M50とほぼ同じサイズだが、新しいレンズマウントを採用したほか、新しいセンサーとプロセッサーを搭載し、AF性能も大幅に向上している。

AF

  • 最大の魅力は、AFシステムだ。被写体認識と動体追尾を組み合わせた、シンプルかつ強力なシステムである。多くの場合(特に人物)、ピントを合わせたい場所を選ぶだけで、対象を追従してくれる。
  • 人物(目、顔、頭)、動物(特に犬、猫、鳥、馬)、乗り物(スポーツカーやバイク、電車、飛行機)を認識する。カメラの前にいる被写体を識別する「オート」機能も用意されている。
    訳注:馬・飛行機には対応していません。おそらくR8と混同しています。
  • R50ではVlog用に、カメラに近いものを優先し、それ以外は顔検出モードで撮影するAFモードを搭載している。例えば商品を紹介する際に、自分自身を撮影しているVloggerが商品を構え、カメラが素早くそれにピントを合わせ、商品を下ろすと自分にピントが戻るような撮影を想定している。

連続撮影

  • メカシャッターで最大12コマ/秒、完全電子シャッターで15コマ/秒の連写が可能だ。
  • ただし、電子シャッターで横方向の動きが大きいと動く被写体が歪んで見える可能性がある。
  • 1回の連続撮影で撮影できるJPEG画像は42枚だが、一瞬を逃さず撮影できるスピードである。

アドバンス A+

  • 初心者にやさしいA+オートモードに加え、クリエイティブアシストモードを搭載している。タッチインターフェースを使用して、カメラの主要なパラメータのほとんどを調整することができる。この際、専門用語を使用するのではなく、「明るさ」や「色」などの用語で表現されている。
  • タッチインターフェースをいちいち操作するのではなく、コマンドダイヤルに機能を割り当てることができればと言いと感じた。
  • 自動化をさらに推し進めた「アドバンス A+」を搭載。暗すぎたり、コントラストが高すぎたり、被写界深度が深すぎるシーンを発見すると、自動的に4枚の写真を撮影し、1枚のJPEGに合成して、これらの課題を解決する。
  • このようなモードは他のカメラでも何年も前から見かけるが、シーンの問題に応じて3つのマルチショットモードを評価し、選択できるカメラは初めてだ。
  • アドバンストA+モードは、クリエイティブアシストモードとは異なり、RAWを保存することが可能である。
  • A+モードでは、カメラは「AIフォーカス」ドライブモードを使用するようで、ワンショットAFとサーボAFのどちらかを自動的に選択する。

動画

  • 最大30コマ/秒の4Kを撮影することができる。この映像は、センサーの水平方向の6000画素すべてを使うため、非常に精細な映像になるはずだ。
  • また、不格好なクロップもなく、低照度下での性能も高いはずだ。
  • HDRを使った静止画や動画を撮影することができ、ハイライトのある写真をより鮮やかに、よりリアルに見せることができる。
  • このクラスのカメラとして、マイク端子はあるが、ヘッドホンは利用できない。

競合カメラ

  • 800ドル以下のエントリーモデルを見るのは久しぶりだ。
  • AFと動画の両面で、多くのライバルと比較してすぐに最新機種であることを実感できる。
  • 競合機種としてソニーα6100が最も近いものの、人の顔や瞳までしか検出できない。α6000は価格が手ごろだが古さを感じる。
  • OM-D E-M10 IVは、AFの面で大きく遅れをとっている。ただし、カメラやレンズのラインアップが充実しており、この価格では珍しいボディ内手ぶれ補正を搭載している。
  • キヤノンEOS R50のAFと動画機能は、他機種よりも一段と優れている。気になるのはバッテリーの持ちだが、EOS M50 II(Kiss M2)より改善されているのは嬉しい。

操作性

  • 前面に大きなRFレンズマウントがあるにもかかわらず、驚くほど小型だ。
  • グリップはかなり小さいが、特にコンパクトなレンズとの組み合わせでは十分である。
  • P、A、S、Mの各モードは、カメラ上部にあるダイヤルで操作するが、このダイヤルはあまり使わない。なぜなら、このカメラはタッチ操作にフォーカスしたユーザーインターフェイスを備えているからだ。
  • クリエイティブアシストモードは、明るさや色などをアイコンで表示するシンプルなものだが、コマンドダイヤルを使って設定できるのは、設定画面の中のみだ。実際に撮影している間は常に指がダイヤルにかかっている可能性が高く、もったいないと感じる。
  • ファインダーは236万ドットのOLEDで、倍率は0.59倍と低めだ。私が使用したサンプルは、視度調整器がずれやすく、ファインダーがソフトと感じたら、ファインダー真下にある小さなスライダーを確認する必要がある。
  • マイク入力端子を備えているが、ヘッドホンを取り付ける場所がない。Vlog撮影の魅力が少し損なわれている。

バッテリー

  • 他の小型ミラーレスと同じLP-E17バッテリーを使用する。7.5Whのバッテリーは、ミラーレスに搭載するには容量が少ない。写真や動画を長時間撮影していると、突然赤いバッテリー警告が点滅することがある。充電率表示のない小型カメラで「LOW BATTERY!!!」に遭遇するのは久しぶりだ。
  • 標準モードで背面モニタを使用した場合、1回の充電で370枚の撮影が可能だが、ファインダーを使用した場合は230枚にとどまる。
  • 低消費電力モードでは、それぞれ440枚、310枚に向上する。
  • 幸いにも、USB PDを使用して充電することができる。
  • カメラ底面のバッテリーの横には、SDカードスロットが1つある。SDカードスロットは、低速のUHS-Iまでだ。

ファーストインプレッション

  • スマートフォンユーザーに対してアピールするカメラを作ろうという、カメラメーカー側の試みである。既存のEOS M50はよく売れたので、キヤノンが既存ユーザーを新しいRFシステムに移行させようとするのは理にかなっている。
  • R50は、ユーザーの手を煩わせることなく、魅力的な写真を撮ることができる。比較的簡単な操作で、ユーザーをガイドしながら調整できるようなインターフェイスだ。
  • 今回撮影したサンプルギャラリーの写真の大部分は、高度に自動化された「クリエイティブアシスト」モードで撮影されたものだ。
  • アドバンス A+モードは、スマートフォンの裏側で採用されているマルチショットの「コンピュテーショナル」撮影の巧妙さを、専用カメラに持ち込んだ興味深い試みと言える。最大の懸念は、ほとんどのユーザーがこのモードを見つけることも使うこともないだろうということだ。
    このモードは少し隠れていて、選んだつもりが、実際に適用されていることを確認するために「セット」を押すのを忘れやすい。
  • キヤノンには、「アドバンス A+」をカメラのモードダイヤルに配置して、可能な限りアクセスしやすく、簡単に使えるようにすることを提案したい。
  • また、撮影終了のタイミングを明確にしてほしい。露光が終わって処理をしているはずなのに、「ビジー」と表示されると、カメラを構え続けてしまう。
  • EOS R8とEOS R10の間には、コストの差は別として、かなり明確な隔たりがある。EOS R10は2つのコマンドダイヤルでボタンも多く、期待した操作を実施することができる。対してR50は、撮りたい写真を探すことに専念すれば、あとはAFも含めてカメラに任せておけばいいという感じだ。
  • スマートフォンからのアップグレードを考えている人や、カメラの操作を覚えるのが面倒な人にとっては、おそらく最高のカメラだ。しかし、比較的ベーシックなキットズームを除けば、装着できる手頃な価格のレンズがない。
    (この市場では、カメラに付属するレンズで満足する人が多いので、関係ないかもしれないが)
  • フォトグラファーとしては、手頃な価格のRFレンズが少ないので、なかなかその能力を発揮できないカメラを心から薦めることはできない。EOS Mシリーズのように、シグマ F1.4シリーズのような選択肢が欲しいものだ。最高のエントリーモデルとなる可能性を秘めているのだが…。

とのこと。
少なくとも北米では手ごろな価格のエントリーミラーレスとして、他社を含めた従来モデルを引き離すAF性能と動画機能を備えているみたいですね。確かに、この価格帯のカメラに被写体検出AFを実装した例は他になく、ノンクロップのオーバーサンプリング4Kを利用できるのも魅力的なポイントと言えそうです。優れたタッチ操作を含めて、スマートフォンからアップグレードを検討しているのであれば最高のカメラとなりそう。

また、Vlogger向けの「レビュー用モード」や静止画の流し撮りで役に立つ「流し撮りアシストモード」など、ニッチだけど便利な新機能もいくつか実装している模様。(上の画像はEOS R50 多彩な表現より

小型軽量で低価格ですが、将来的に本格的なコントロールを体験してみたいのであれば、EOS R10のほうが適した選択肢だと思われます。DPReviewが言及しているように、デュアルダイヤルやAFジョイスティックなどコントロールが充実しているうえ、モードダイヤルには設定を記憶できるカスタム枠も存在。個人的にはEOS R10がおススメです。しかし、Kiss Mのようなタッチ操作が好みであれば、R50がちょうどいいと感じるかもしれません。

やはり気になるのはレンズラインアップ。今のところ一般的なズームレンズしかないので、大きなボケや小さな被写体をクローズアップするには力不足なシステム。フルサイズ用レンズを使うこともできますが、サイズとコストが明らかに見合ってないので、専用のRF-Sレンズが欲しいところ。せめてEOS Mシステムのような「22mm F2」「35mm F1.4」「28mm F3.5 マクロ」あたりの単焦点レンズをRF-Sレンズとして移植すると面白そうなのですが…。

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