PCmagがキヤノン「EOS R6 Mark II」のレビューを公開。全体的に優れたパフォーマンスのカメラとしつつ、特にAF性能はこれまで使ってきた中で最高と高く評価しています。
PCmag:Canon EOS R6 Mark II Review
訳注:一部に「マグネシウム合金ボディ」と記載されていますが、R6 IIはシャーシがマグネシウム合金で、外装はポリカーボネートです。
ビルド・外観:
- 記載なし。
バッテリー:
- 最新のLP-E6NHを使用する。
- USB-C経由で充電が可能だ。
- CIPA準拠のバッテリーライフはα7 IVよりも少し低い。
インターフェース:
- USB-C、Micro HDMI、3.5ヘッドホン・マイク、2.5mmリモートを備えている。
- HDMIが壊れやすいD端子であるのが残念だ。
- デュアルSD UHS-IIカードスロットを搭載しているが、CFexpressには非対応だ。
携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- 手袋を装着した状態でも自然とグリップできる。
- シャッターボタンは快適な角度で配置されている。
操作性:
- R6と比べて、エルゴノミクスに大きな変更は無い。
- ただし、上部の電源スイッチが右肩へ移動し、元の位置に静止画/動画の切り替えスイッチを搭載した。(キヤノンの電源スイッチ配置は一定ではない)
- 上部のボタンは録画・M-Fnボタンのみだ。
- 背面のコントロールはR6と同じく健全なデザインである。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 370万ドットのOLEDパネルを使用し、0.76倍と大きなファインダー倍率の光学系だ。
- α7 IVやZ 6IIと同じくらい良好である。
- 60fpsから120fpsまで利用可能で、120fps時に画質が低下することはない。
モニター:
- 3.0型 162万ドットのシャープなモニターだ。
- 屋外でも十分に使える輝度を備えている。
- α7 IVの104万ドットモニタよりも遥かに鮮明に見える。
メニューシステム:
- タッチ操作に対応するメニューシステムを搭載、各種設定に素早くアクセスすることができる。
- 長年にわたり大規模な改修を実施していないので、お馴染みの操作性で利用することができる。
- 長すぎず、考え抜かれた構成だ。
フォーカスシステム:
- これまで見た中ではトップクラスのAFだ。
- ライバルよりも幅広い被写体検出に対応している。
- 被写体検出はうまく機能するが、「自動」のままだと茂みに隠れた鳥を検出できない場合もあった。これを専用モードに切り替えると検出性能が向上する。
- テレコンバージョンレンズ装着時でも良好な結果が得られる。
連写性能:
- 12fpsのメカシャッター連写、40fpsの電子シャッター連写に対応している。
- ライバルをはるかに上回る高速性能だ。
- メカシャッター時は14bitで12fpsの連写が可能だ。
- 40fpsの電子シャッター時はバッファが詰まるまでに138枚のC-RAWを撮影できた。
解像性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- ISO 800までは完璧だ。
- ISO 6400でもディテールは良好で見栄えが良い。
- ISO 51200でもまともな結果が得られる。
- ISO 102400や204800はディテールの低下が目立つ。
ダイナミックレンジ:
- シャドウやハイライトの復元に問題は見られなかった。
画質・仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 内部収録で4K 60p 10bitまで対応している。
- 外部出力で 6K 4:2:2 12bitのRAW動画に対応している。
- 4Kの画質に欠点は見当たらない。
- 静止画と設定が分離しているので扱いやすい。
- インターフェースには癖があり、スローモーションをオフにすると、FHD 60pへリセットされる。
- 内部収録であれば問題ないが、外部レコーダーを使用する際はmicroHDMIに注意する必要がある。
- 内蔵マイクは外部マイクほどクリアではない。
総評
すべてをパッケージした素晴らしいカメラだ。運搬が容易で、合理的なエルゴノミクスを備え、防塵防滴の堅牢なボディである。AFは驚異的で、様々な種類の被写体を認識して追従することができ、特に感銘を受けた。
全幅4K 60pや10bit、フラットなプロファイルも強みと言えるだろう。ただし、外部収録の際はmicroHDMIや波形モニター、オープンゲート収録などに非対応である点が残念と感じると思う。
レンズラインアップは社外製レンズに対応するソニーEマウントよりも選択肢が少ない。それでも、キヤノンは自社で手ごろな価格のレンズから高級レンズまで揃えている。
全体的に見て、2500ドルで入手できるおススメのカメラだ。エディターズチョイスに相応しく、α7 IVを少し上回る結果だ。Eマウントレンズのラインアップは魅力的だが、レンズ資産が無い場合はR6 Mark IIが有利である。
- 長所:
・手振れ補正
・クラス最高のAF
・画質
・防塵防滴
・マグネシウム合金ボディ
・EVF/LCD
・40fps連写
・4K 60p 10bit
・HDMI 6K出力- 短所:
・サードパーティ製レンズへの対応
・Micro HDMポート
とのこと。
一見するとEOS R6とよく似ていますが、イメージセンサーが一新され、競合モデルと同じ2400万画素に到達。解像度を向上させつつ、このクラスでは珍しい40コマ秒の高速連写に対応しているのが印象的ですね。さらに、EOS R3と同じく最新のAFシステムを搭載。さらに洗練されたAFシステムはPCmagをはじめとして国内外のレビューサイトで高く評価されています。特にAFや連写性能が重要となる動物・スポーツなどの撮影ではR6からアップグレードする価値がありそう。
同じセンサー・プロセッサを搭載した「EOS R8」の登場で、センサー画質やAFだけで言えばR8のコスパが良好と言えるかもしれません。ただし、12fpsのメカシャッター連写やバッファ、優れた防塵防滴仕様、AFジョイスティックを含めたコントロールレイアウトはR6 IIの強みと言えそうです。価格は10万円ほど高いですが、R6 IIの強みが必要な人にとってはそう高く感じないかもしれません。
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