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FE 16mm F1.8 G 歪曲収差は目立つが総じて完成度の高い広角レンズ

Dustin Abbottが「FE 16mm F1.8 G」のレビューを公開。強い樽型歪曲を指摘しつつも、小型軽量で高解像な広角レンズであるとのこと。VILTROXのコスパを評価しつつも、ソニーの携帯性は魅力的なようです。

Dustin Abbott:Sony FE 16mm F1.8 G Review

  • 外観:ソニーGシリーズは、理想的なレンズ設計。堅牢な作りと優れた光学性能を持ち、価格も比較的手頃である。浅い花型フードが付属し、裏返しての収納も容易。ロック機構はないが、しっかり固定される構造。
  • 構造:67mmのフィルター径を採用し、他レンズと共通性が高い。前玉にはフッ素コーティングが施され、防塵防滴対策として合計10カ所のシールが設けられている。マウント部にはガスケットもあり、設計面での配慮が感じられる。
  • 携帯性:直径約74cm、長さ約75cm、重さ304gと非常に軽量でコンパクト。Viltroxよりも246g軽い点が際立つ。
  • 操作性:絞りリングはクリックの有無を選択可能で、ロック機能付き。AF/MFスイッチに加え、カスタム可能なファンクションボタンも搭載。コンパクトながら操作系が充実している。
  • AF:迅速かつ正確。フローティング構造により、未通電時は内部に若干の遊びがあるが、通電後は解消。α9IIIでは30fpsでのAF撮影が可能で、サードパーティ製よりも優れている。
  • MF:抵抗感はやや軽いが、滑らかな操作感。精度の高いマニュアル操作が可能。フォーカスブリージングは少なく、映像用途でも扱いやすい。
  • マクロ:AFで15cmまで寄れる上、MFでは13cmで最大0.30倍の高倍率撮影が可能。ただし、至近距離では被写体との間が4cm程度と非常に狭く、フードの取り外しが推奨される。
  • 手ぶれ補正:記載なし。
  • 解像性能:中央は非常にシャープで、中間エリアでも高いコントラストを維持。F2.8以降は全体的に改善し、F4〜F8では四隅まで優れた画質となる。ただし、コーナーの性能は歪曲収差補正の影響でわずかに劣る。
  • 像面湾曲:接写では像面湾曲が目立つため、平面的な被写体への接近には注意が必要。
  • ボケ:11枚羽根により玉ボケは滑らかで丸い。被写体に近づけば、広角ながら背景ボケも得られる。ボケはクリーミーとは言えないが、自然で破綻はない。
  • 軸上色収差:被写界深度が深いため色収差はほぼ問題とならず、近接撮影でも色づきは目立たなかった。
  • 倍率色収差:色ずれはほぼ見られず、実使用では問題なし。広角でありがちな収差だが良好に抑えられている。
  • 球面収差:記載なし。
  • 歪曲収差:樽型歪曲が非常に大きく、補正プロファイルに依存。複雑な口ひげ状の歪みで完全補正は難しく、補正後でもViltroxより目立つ。
  • 周辺減光:2段程度の補正で改善される。67mmという小口径ながら、Viltroxよりも減光が少ない点は優秀。
  • コマ収差:完全ではないが、広角としては良好。Viltroxよりわずかに多いが、周辺減光が少ない分ノイズの少ない描写が得られる。より悪いレンズもあるし、より良いレンズもある。
  • 逆光耐性:ソニー独自コーティングにより、フレアやゴーストの抑制性能が高い。太陽を画角に入れても良好なコントラストを維持。
  • 光条:ソニーの光条はシャープで明瞭。Viltroxよりやや好印象。
  • 作例集
  • 総評:歪曲補正への依存は残念だが、総じて完成度の高い広角単焦点であり、個人的にはVILTROXからの買い替えを検討する価値がある。
  • 競合について:ソニーはViltroxよりも明確に広角であり、比較において優位性がある。
  • 備考:ソニーの描写はViltroxより寒色傾向。

2025年2月に登場したフルサイズ対応の大口径広角レンズ。焦点距離と開放F値の組み合わせを考慮すると非常に軽量で、Gシリーズらしい耐候性や操作性を兼ね備えています。販売価格はやや高めですが、16mm F1.8 のパラメータを考慮すると手ごろな価格と言えそう。

Dustin Abbottのレビューによると、強い歪曲収差を指摘しつつも、小型軽量で優れた性能の16mmとなっている模様。他のレビューサイトで指摘している強い周辺減光については良好と評価しており、RAW現像時になんらかの補正が適用されているのか、「VILTROXよりは良好」と言う意味なのか…。このあたりは他のレビューサイトも確認しておいたほうが良いでしょう。

妥協点はあれど、驚く程小型軽量な超広角レンズとしては優れた製品となっている模様。特に動画撮影でも使いやすいサイズ・コントロールになっているので、多目的に使うことができるレンズと言えそうです。

VILTROX AF 16mm F1.8」が強力なライバルとなるものの、より小型軽量で純正品らしいAF性能を期待するならば、16mm F1.8 G は優先順序の高い選択肢。

ソニー FE 16mm F1.8 G 最新情報まとめ

  • 発売日:2025年4月11日
  • 予約開始日:2025年3月4日(火)10時
  • 希望小売価格:オープン
  • 市場推定価格:140,000円前後

レンズの仕様

レンズマウント Sony E
対応センサー フルサイズ
焦点距離 16mm
レンズ構成 12群15枚
開放絞り F1.8
最小絞り F22
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 0.15m(AF)/0.13m(MF)
最大撮影倍率 0.25倍(AF)/0.3倍(MF)
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング フッ素コーティング
サイズ 最大径73.8mm × 長さ75mm
重量 約304g
防塵防滴 防塵・防滴に配慮した設計
AF XDリニア×2
絞りリング あり
その他のコントロール フォーカスホールドボタン
フォーカスモードスイッチ
アイリスロックスイッチ
絞りリングクリック切り換えスイッチ
付属品 フード(モデル):ALC-SH184
レンズフロントキャップ:ALC-F67S
レンズリアキャップ:ALC-R1EM
ケース

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