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良好な個体ならG Masterを凌ぐ描写力|FE 16mm F1.8 G

Phillipreeveが「FE 16mm F1.8 G」のレビューを公開。個体差が他の製品よりも目立つ可能性があるとしつつ、良好な個体であればG Master以上のパフォーマンスを発揮する小型軽量なレンズと評価。

Phillipreeve:Review: Sony FE 16mm 1.8 G

  • 外観:外装は高品質なポリカーボネート製で、刻印はすべて彫刻後にペイント処理されている。フードはバヨネット式でロックボタンはなく、ゴム製バンパーも省略。FE 20mm F1.8 Gに似たデザインで、現代のAFレンズとして非常に高いビルドクオリティ。
  • 構造:電源を切ったりカメラから外した際にフォーカス群が動くのは正常動作であり、問題はない。
  • 携帯性:非常に小型で、同仕様のViltrox 16mm F1.8 AFと比べて明確に小さい。FE 14mm F1.8 GMよりも標準的なフィルター径を維持しながら小型化されており、16mmという画角の広さに対して優れた携帯性を備える。
  • 操作性:絞りリングは1/3段ごとのクリックストップを備え、レバー操作でクリック解除が可能。リングを「A」に設定すると自動絞りにも対応し、カメラのダイヤル操作で絞り変更もできる。左側にはプログラム可能なボタン、AF/MFスイッチ、アイリスロックスイッチを搭載。
  • AF:日常的な使用ではAFは非常に高速かつ静かで、十分実用的。スポーツや高速動体撮影への適性については未評価だが、一般用途では問題ない。
  • MF:ゴム製フォーカスリングは適度なトルクとリニア応答性を備え、回転速度に関係なく0.13mから無限遠まで約180°で移動する。電源を切ってもフォーカス位置が保持され、再起動時に復元される。
  • 手ぶれ補正
  • 解像性能:サンプル個体差が大きいが、良好な個体では驚異的な解像性能を示す。周辺も開放から非常に良好。FE 14mm F1.8 GMやLaowa 15mm F2.0 E、Viltrox 16mm F1.8 AFよりも小型ながら最高の描写を発揮した。サンプルによって性能差がある点には注意が必要であり、特に天体写真家にとっては重要なポイントとなる。
  • 像面湾曲
  • ボケ:超広角のためボケを得られるのは近距離撮影に限られるが、その条件下では印象的な描写。ボケの質は広角レンズとして良好で、滑らかな背景表現が得られる場面もある。
  • 軸上色収差
  • 倍率色収差:補正プロファイルが組み込まれており、RAW現像ソフトでも自動補正される。開放では背景に緑、前景にマゼンタのフリンジがわずかに現れるが、F2.8まで絞るとほぼ消失。FE 20mm F1.8 Gの方がわずかに優れるが、実用上の差は小さい。
  • 球面収差
  • 歪曲収差:波状の歪曲収差が明確に見られるが、JPEG内蔵およびLightroom/CameraRAWの補正プロファイルで容易に補正できる。標準フィルター径と小型化の両立による代償。
  • 周辺減光:サイズの小ささに反して周辺減光は少なく、FE 14mm F1.8 GMやViltrox 16mm F1.8 AFよりも軽減されている。Laowa 15mm F2.0 Eと同程度。
  • コマ収差:開放F1.8でもコマ収差は非常に少なく、FE 14mm F1.8 GMと同等の優秀さを示す。Viltrox 16mm F1.8 AFやLaowa 15mm F2.0 Eより明らかに優れ、星像もきれいで天体撮影に最適な性能を持つ。
  • 逆光耐性:開放でゴーストはほとんどなく、太陽をフレーム内に入れても高コントラストを維持。F11で小さなゴーストが発生する場合があるが、全体的には極めて良好な逆光耐性。Viltrox 16mm F1.8 AFよりも優れ、広角大口径としては高水準。
  • 光条:絞り羽根は11枚構成で、Gレンズとしては異例の多枚数。F8〜F22で美しい光条を描く。FE 40mm F2.5 Gなど7枚羽根のレンズに比べ、明確に上質な光条が得られる。
  • 作例集:作例多数掲載。
  • 総評:設計難度の高い明るい超広角ながら、FE 20mm F1.8 Gに匹敵し、場合によってはそれ以上の性能を示す。小型・低価格・フィルター対応という利点も大きい。個体ごとのばらつきが唯一の弱点だが、良好な個体ならFE 14mm F1.8 GMを凌ぐ描写力を持つ。特に天体撮影用途では、現時点でEマウント最高の大口径広角レンズの一つ。
  • 競合について:紹介のみ。
  • 備考:初期ロットには偏芯個体が存在し、返品報告も多かった。購入前に動作確認や返品保証のある店舗での購入を推奨する。レビュー協力者から良品サンプルを借用してテストが行われた。

2025年2月に登場したフルサイズ対応の大口径広角レンズ。焦点距離と開放F値の組み合わせを考慮すると非常に軽量で、Gシリーズらしい耐候性や操作性を兼ね備えています。販売価格はやや高めですが、16mm F1.8 のパラメータを考慮すると手ごろな価格。

Phillipreeveのレビューでは個体差による性能のバラつきが多いと指摘。特に絞り開放を多用する星景写真で利用する場合は注意したほうがよいと述べています。ただし、良個体であれば優れたパフォーマンスを発揮するとのこと。

他のレビューサイトで指摘している歪曲収差・周辺減光は特に大きな問題ではない模様。コマ収差に関しては競合製品よりも優れていると高く評価しています。

VILTROX AF 16mm F1.8」が強力なライバルとなるものの、より小型軽量で純正品らしい互換性を期待するならば、16mm F1.8 G は優先順序の高い選択肢。他レビューサイトとは評価が異なっており、評価基準が異なるのか、個体差なのか気になるところ。実写作例を併せて見比べてみると良いかもしれません。

ソニー FE 16mm F1.8 G 最新情報まとめ

  • 発売日:2025年4月11日
  • 予約開始日:2025年3月4日(火)10時
  • 希望小売価格:オープン
  • 市場推定価格:140,000円前後

レンズの仕様

レンズマウント Sony E
対応センサー フルサイズ
焦点距離 16mm
レンズ構成 12群15枚
開放絞り F1.8
最小絞り F22
絞り羽根 11枚
最短撮影距離 0.15m(AF)/0.13m(MF)
最大撮影倍率 0.25倍(AF)/0.3倍(MF)
フィルター径 67mm
手振れ補正 -
テレコン -
コーティング フッ素コーティング
サイズ 最大径73.8mm × 長さ75mm
重量 約304g
防塵防滴 防塵・防滴に配慮した設計
AF XDリニア×2
絞りリング あり
その他のコントロール フォーカスホールドボタン
フォーカスモードスイッチ
アイリスロックスイッチ
絞りリングクリック切り換えスイッチ
付属品 フード(モデル):ALC-SH184
レンズフロントキャップ:ALC-F67S
レンズリアキャップ:ALC-R1EM
ケース

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