AstrHori 18mm F8 ShiftはシフトしないAPS-C用レンズとして使うと良好

Sony Alpha Blogが「AstrHori 18mm F8 Shift」のレビューを公開。色々と問題点を指摘しつつ、APS-Cの18mm単焦点として使う場合、良好な結果が得られると述べています。

Sony Alpha Blog：AstrHori 18mm F8 Shift

外観・構造：

シフト撮影に対応しているが、フルサイズではケラレてしまう。シフト時はAPS-C用だ。

APS-C18mmのシフトレンズとして機能するが、画角が狭いうえに色被りが目立つ。

ティルト構造は搭載していない。

フルマニュアルレンズであり、電子接点はない。

携帯性：

記載なし。

操作性：

レンズは360度の回転に対応。シフトの方向を調整できる。45度ごとにClickストップがあるものの、適切な抵抗感とは言えない。

フォーカスリングを操作中にリボルビング軸が回転してしまうことがよくある。非常に厄介だ。

フォーカス：

目に見えるフォーカスブリージングが発生する。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

α6000でテストした。

シフトしない場合は中央から隅まで良好だ。

シフト時は中央こそ良好だが、フレーム端や隅は平凡だ。

シフトしない場合、Funleader 18mm? F8 Proよりも遥かに優れている。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

ボケは非常に小さい。

発色は良好だが、シフト時は強い色被りが発生する。

色収差：

色収差は少ない。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

APS-Cでは中程度の樽型歪曲だ。

フルサイズでは陣笠状に歪むので修正がとても難しい。

周辺減光：

シフトしない場合は影響が少ない。

シフト時は片方に重い光量落ちが発生する。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

逆光耐性は平凡だ。

絞りがないので光条は発生しない。

作例集

総評

残念な結果となった。
フルサイズ用レンズのはずだが、シフトには非対応だ。シフトしない場合でも、フルサイズでは複雑な歪曲や周辺減光によりいい結果が得られない。APS-Cではシフトを利用可能だが、周辺減光や色被り、平凡なシャープネスだ。

シフトを利用しないAPS-Cレンズとしては良い結果が得られる。ただし、フォーカスリングを回す際にリボルビング機構が動作してしまうのが厄介である。

長所：
・コンパクトな18mm APS-Cレンズ
・色収差が少ない
・シフトしない場合は発色が良好

平凡：
・APS-Cのシフトレンズとしては画角が狭い
・価格
・歪曲収差

短所：
・シフト時の色被り
・シフト時のシャープネス
・シフト時の周辺減光
・フォーカス時にリボルビング機構が回転してしまう

とのこと。
国内でも2万円未満で手に入る、非常に個性的で、コンパクトな広角シフトレンズ。絞りがF8固定で、リボルビングやシフトを固定するノブもないシンプルな作りですが、携帯性と価格が魅力的ですね。

しかし、Sony Alpha Blogによると、フルサイズセンサー使用時はシフト操作でケラれが発生する模様。今回のテストではフルサイズカメラを使用せず、APS-Cカメラを使用しています。シフトしないAPS-Cレンズとしては良好な結果が得られるようですが、価格を考慮すると割高感を否めません。

APS-Cで換算28mm相当のシフトレンズとして利用可能ですが、歪曲収差・周辺減光・光学性能などいくつかの点で満足のいく結果が得られないとのこと。特に補正が難しい色被りは厄介な問題と感じるかもしれません。個人的にはフルサイズ18mmでのシフト利用を検討していただけに残念な結果。

AstrHori 18mm F8 Shift 最新情報まとめ

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レンズの仕様

レンズの仕様
発売日	2022年12月10日	初値	￥19,199
マウント	L / E / RF / Z	最短撮影距離	0.34m
フォーマット	フルサイズ	最大撮影倍率	不明
焦点距離	18mm	フィルター径	58mm
レンズ構成	9群9枚	手ぶれ補正	-
開放絞り	F8	テレコン	-
最小絞り	F8	コーティング	不明
絞り羽根	-
サイズ・重量など
サイズ	φ62×36mm	防塵防滴	-
重量	164g	AF	MF
その他	±6mmシフト・360度リボルビング
注意
フルサイズ時はシフトでケラれやすい