Lenstipが「FE 16mm F1.8 G」のレビューを公開。(周辺減光の影響が強いので)ここまで小さくしなくてもいいと言及しつつ、優れた光学性能で、使って楽しいレンズと評価。
Lenstip :Sony FE 16 mm f/1.8 G
- 外観:直径 67 mm のフィルター径に対応する鏡筒。フィルターサイズは適度で、画角と絞りの性能を考慮すると妥当。レンズキャップと花形フードが付属するが、レンズケースは省略。1.8/14G および 1.8/20G には付属していたため、惜しい。
(訳注:14GMはレンズケース・20Gはレンズポーチのはず)- 構造:プラスチック製の鏡筒を採用。Eマウントで、シンボルやシリアル番号、製造国(タイ)が刻印されている。
- 携帯性:競合製品と比較すると、サイズが小さいことが際立つ。
- 操作性:右側にソニーロゴとCLICK ON/OFFスイッチを配置。左側にはGシリーズマーク、AFLボタン、AF/MFスイッチ、IRIS LOCKを搭載。絞りリングは1/3 EV刻みで、最大幅10 mm。クリックレスにも対応し、動画撮影向き。
- AF:α7R V に装着時、静音かつ高速。フォーカス全域を移動するのに約 0.3 秒。精度も高く、屋内外問わず優れた性能を発揮。
- MF:幅 17 mm のフォーカスリングはゴム製リブ付き。フォーカスバイワイヤ方式で、回転速度に応じてスローは約 150 度。ブリージングは約 3% と低く、実用上問題なし。ただし、撮影距離の変化に伴い歪曲も変化。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:
・中央:最大絞り時に約 60 lpmm と高解像度。f/2.8 および f/4.0 では 76~77 lpmm まで向上。
・APS-C:最大絞りで 50 lpmm、絞ると 60 lpmm に向上し、優れた結果。
・端:最大絞りではやや低下するが、f/2.0 以降で改善。小型軽量設計を考慮すれば良好。- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:超広角レンズとしては悪くない。内部の光分布は均一だが、非球面要素の影響で玉ねぎボケが発生。口径食は顕著ではない。
- 軸上色収差:問題なし。
- 倍率色収差:広角レンズとして補正は難しいが、結果は 0.04% 未満と良好。
- 球面収差:f/1.8 からフレーム中央の画質が良好で、補正の問題は見られない。
- 歪曲収差:JPEGでは -1.49% の樽型歪みで目立たないが、RAWでは -7.47% に達し、補正が必要。1:1 領域では -8.6% に増加。
- 周辺減光:最大絞り時に -2.63 EV。f/2.8 で -1.72 EV、f/4.0 で -1.54 EV。絞っても劇的な改善は見られない。
- コマ収差:フルフレームの隅ではコマ収差と他の収差の影響が見られる。1段絞ると改善するが、まだ目に見える。収差が強いと言うわけではないが、低~中レベルの境界線上くらいの影響。F3.5で解消。
- 逆光耐性:フレアやゴーストは発生するものの、強度は低く、コントラスト低下も軽微。
- 光条:記載なし。
- 作例集:記載なし。
- 総評:ソニーの最近のレンズ設計の傾向を反映した優れた製品。最大の欠点は周辺減光だが、コンパクトな設計と高い光学性能を両立。価格も 1,000 ユーロ程度と適正。サイズをもう少し大きくすれば、歪曲補正や周辺画質向上の余地があったと考えられるが、現状でも優れたパフォーマンスを発揮。次の撮影旅行にも持参したい。
- 競合について:14 mm レンズと比較すると、最大絞りでは旧モデルが僅かに優れるが、絞ると本レンズが若干上回る。両者の差は小さく、実写での違いはわずか。
2025年2月に登場したフルサイズ対応の大口径広角レンズ。焦点距離と開放F値の組み合わせを考慮すると非常に軽量で、Gシリーズらしい耐候性や操作性を兼ね備えています。販売価格はやや高めですが、16mm F1.8 のパラメータを考慮すると手ごろな価格と言えそう。
Lenstipのレビューによると、問題点は(補正が可能な)強めの歪曲収差と周辺減光だけのようです。自動的に補正可能なカメラ出力のJPEGやメジャーな現像ソフトでは問題無しと感じると思われます。ただし、撮影距離によって変化する強めの歪曲収差を手動で修正するのは難しそうですね。また、強い周辺減光を補正する際にノイズ増が想定されるので、状況によってはノイズが目立つ可能性あり。
妥協点はあれど、驚く程小型軽量な超広角レンズとしては優れた製品となっている模様。動画撮影でも使いやすいサイズ・コントロールになっているので、多目的に使うことができるレンズと言えそうです。
- 発売日:2025年4月11日
- 予約開始日:2025年3月4日(火)10時
- 希望小売価格:オープン
- 市場推定価格:140,000円前後
レンズの仕様
レンズマウント | Sony E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 16mm |
レンズ構成 | 12群15枚 |
開放絞り | F1.8 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.15m(AF)/0.13m(MF) |
最大撮影倍率 | 0.25倍(AF)/0.3倍(MF) |
フィルター径 | 67mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | フッ素コーティング |
サイズ | 最大径73.8mm × 長さ75mm |
重量 | 約304g |
防塵防滴 | 防塵・防滴に配慮した設計 |
AF | XDリニア×2 |
絞りリング | あり |
その他のコントロール | フォーカスホールドボタン フォーカスモードスイッチ アイリスロックスイッチ 絞りリングクリック切り換えスイッチ |
付属品 | フード(モデル):ALC-SH184 レンズフロントキャップ:ALC-F67S レンズリアキャップ:ALC-R1EM ケース |
関連レンズ
- FE 14mm F1.8 GM
- 14mm F1.4 DG DN
- 17mm F4 DG DN
- AF 14mm F2.8 FE/RF
- AF 18mm F2.8 FE
- VILTROX AF 16mm F1.8
関連記事
- FE 16mm F1.8 G 小さすぎるがゆえの欠点もあるが使って楽しいレンズ 2025年2月28日
- FE 16mm F1.8 G 小型軽量ながら高性能で多目的に使えるレンズ 2025年2月28日
- ソニー FE 16mm F1.8 G 正式発表 2025年2月26日
- ソニー FE 400-800mm F6.3-8.0 G OSS のスペック情報 2025年2月24日
- 近日登場と噂のFE 16mm F1.8 Gに関するスペック情報 2025年2月21日
- FE 16mm F1.8 G は20mm F1.8 G よりも短く小型軽量なレンズになる? 2025年2月15日
- FE 400-800mm F6.3-8.0 G と FE 16mm F1.8 G の価格に関する噂情報 2025年2月12日
- ソニーは2月に「16mm F1.8 G」「400-800mm F6.3-8 G」を発表する? 2025年1月25日