Sony Alpha Blogが「FE 50-150mm F2 GM」のレビューを公開。タムロンやサムヤンよりも非常に高価ながら、全域でF2を利用でき、全て面で完成度が高いと評価。高価ながらプロにとって価値があるとのこと。
Sony Alpha Blog:Sony FE 50-150mm F2 GM
- 外観:ソニーの300mm F2.8、400mm F2.8、600mm F4と同系統のデザイン、レンズにはシルバープレートが施されている。コンパクトなレンズフードと輸送用バッグが付属。フードには衝撃吸収用のゴムリングとフィルター操作用の窓が付いており、非常に丁寧な作り。
- 構造:テレコンバーターは使用不可、光学式手ぶれ補正も非搭載のため、設計にはいくつかの妥協が見られる。フィルター径は95mm。
- 携帯性:70-200mm F2.8 GM IIと同等サイズで、重量は30%増に抑えられており、望遠ズームとしては比較的軽量コンパクト。三脚座もあるが、手持ち撮影が可能なので主に動画用。
- 操作性:絞りリングはクリック/クリックレス切替が可能。ズームリングは50mmから150mmまで90度の回転でスムーズに操作できる。
- AF:写真・動画ともに非常に高速かつ正確で、静粛性も高く、連続撮影にも完全に対応。
- MF:フォーカスリングはリニアレスポンスで、意図した動きに忠実に反応する。
- 手ぶれ補正:非搭載。
- 解像性能:α7R IVの6100万画素センサーでテスト。F2以降の全域で非常に高いシャープネスを発揮する。150mmだけわずかに他より劣るが、F2.8では四隅まで良好な画質となる。最短撮影距離では性能がやや落ちるが、F4まで絞れば改善される。遠景でも優秀であり、特にF2からF2.8に絞ると150mm域でのシャープネスが向上する。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:玉ボケは美しく、背景ボケは非常に滑らかで上質である。
- 軸上色収差:わずかに見られる。
- 倍率色収差:ほとんどゼロに近く、極めて良好に補正。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:50mmでは顕著な樽型歪曲が見られ、150mmまで一貫して糸巻き型歪曲。
- 周辺減光:開放では周辺減光が確認されるが、F4まで絞ることで解消。
- コマ収差:ほぼゼロに近く、非常に優れた補正状態。
- 逆光耐性:フレア耐性は良好だが、完全とは言えず、特に望遠端での改善が望まれる。
- 光条:F16まで絞ると、非常に美しい光条(サンスター)が得られる。
- 動画:AFは完璧。絞りリングはクリックレスで便利、ズームリングは90度で操作可能。MFはリニアレスポンス、パーフォーカル。フォーカスブリージングは見られない。
- 作例集:多数あり。
- 総評:すべての面で完成度の高い望遠ズームレンズ。結婚式、屋内スポーツ、ポートレートに最適で、特にプロ用途に強く推奨。ただし、テレコン非対応と手ぶれ補正非搭載は留意すべき点。高価ではあるが、単焦点3本(55mmF1.8、85mmF1.8、135mmF1.8)を代替し得る品質を誇る。
- 競合について:シャープネス、AF、操作性、動画性能、色再現の面で本レンズは明らかに他製品より優れている。ただし価格が2.5倍から3倍に達するため、完全にプロ向けの製品である。
- 備考:本レンズはソニーEマウント初の望遠F2ズームであり、FE 28-70mm F2 GMとの組み合わせで理想的なズームセットとなる。
2025年5月発売の新しい大口径ズームレンズ。
開放F値「F2」の望遠ズームは他社を見渡しても競合製品が存在しません。フルサイズ対応のレンズとしては、かなり珍しい製品。販売価格はそれなりに高価ですが、レンズサイズや重量は「50-150mm F2」というスペックを考慮すると良く抑えられています。携帯性が良いので、70-200mm F2.8のように扱うことができ、このズーム域で明るいレンズが必要な人にとって面白い選択肢。
競合製品として「35-150mm F/2-2.8 Di III VXD」が存在しますが、望遠端まで「F2」を利用したい場合はソニーGMを選ぶしかありません。また、現状で「150mm F2」の単焦点レンズも存在しないため、このような浅い被写界深度の撮影がしてみたい場合にも要検討。販売価格は非常に高いものの、それだけの価値を見出せることでしょう。
Sony Alpha Blogのレビューでは、特殊な大口径ズームレンズながら絞り開放から良好な光学性能のようです。色収差も良く補正され、AF性能も良好で、フォーカスブリージングの抑制などの観点で動画撮影にも適している模様。
ボケに関してはレビューサイトによって評価がまちまちですが、Sony Alpha Blogでは肯定的な結果が得られたようです。
- 発売日:2025年5月23日
- 予約開始日:2025年4月25日(金)10時
- 希望小売価格:オープン
- 市場推定価格:60万円前後
レンズの仕様
発売日 | 2025年5月23日 |
初値 | 60万円前後 |
レンズマウント | E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 50-150mm |
レンズ構成 | 17群19枚 |
開放絞り | F2 |
最小絞り | F22 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 0.4(W)-0.74(T) m |
最大撮影倍率 | 0.2倍 |
フィルター径 | 95mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | Nano ARII フッ素 |
サイズ | 102.8 x 200mm |
重量 | 1340g (三脚座別) |
防塵防滴 | 対応 |
AF | XDリニア |
絞りリング | 搭載 |
その他のコントロール | Fnボタン AF/MF フルタイムDMF アイリスロック クリック切替 |
付属品 | フード キャップ ケース 三脚座 ストラップ |
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