シグマ「fp L」は玉石混交のコンパクトな高解像ミラーレス

DPReviewがシグマ「fp L」のファーストインプレッションとサンプルギャラリーを公開。小型軽量な高画素機を評価しつつ、静止画・動画について良いところと悪いところがあると言及しています。

DPReview TV: Sigma fp L first impressions

小型軽量だがEVFを装着すると嵩張ってしまう。また、重心が左側に傾いてしまう。

200万ドット超の3.2型モニターは優れているが、まったく動かない。ウェストレベルやローアングルの撮影が難しい。

Cine・Stillの切替スイッチがあるのは良い。

MODEボタンは奇妙な配置だ。

フロントコマンドダイヤルは大きく、使いやすい。

Qメニューはカスタマイズ可能で見やすいが、タッチ操作には対応していない。

EVF-11はカメラにないヘッドホン出力を備えている。USBパススルーもあるが、HDMI出力には対応していない。

カメラにはProRes RAW出力機能があるものの、EVF装着時はHDMIが使えないので利用することができない。

EVF-11にはアイセンサーが無いので、モニターとファインダーの表示切替は手動だ。

fpは動画向けにデザインされたボディであり、スチル向けの6100万画素センサーに載せ替えただけで静止画向けとは言い難い。特に電子シャッターのみでローリングシャッターの影響を受けやすく、このカメラでパンの撮影は出来ない。

ライカLマウントのカメラで初めて像面位相差AFに対応したモデルだ。しかし、追従AFはあまり上手くいかなかった。これはプリプロダクションモデルであり、製品版では改善しているかもしれない。

オートエリアの追従AFは上手くいかなかったが、1点AFでは非常に高速だ。

バッテリー性能はそれほど良くない。正確な数字をお伝え出来ないが、約60枚の写真を撮り、すでにバッテリーは約半分となっている。

fp L EVFキットの価格を考慮すると、α7R IVも検討すべきである。同じようなセンサーを搭載しつつ、遥かに優れたAF性能やバッテリー性能を備え、カスタマイズ性も高い。

高画素機の動画は過熱やダウンサンプリングの品質で苦労している。その中においてfp Lの画質はとても感銘を受けた。α7R IVの4Kよりもシャープだ。

静止画におけるローリングシャッターの影響は目立つが、動画ではとても良好だ。

内部記録でCinema DNGを記録できるのは面白いが、8bitしかないのが欠点だ。

HDMI出力で12bit ProRes RAWやBRAW出力を利用することが可能だ。

SSD出力で10bit・12bitのCinema DNG出力が可能だ。ただし、12bitはラインスキップされてしまい、ディテールが10bitほどではない。

シャッター角や波形モニターを利用できるのは良い。

ディレクターズビューファインダーを搭載しているのは画期的だ。非常にクールな機能である。市販されているビューファインダーの価格を考えると、この機能でfp Lの価格を正当化できる。

いくつかの問題は製品版で修正される可能性があり、どのように変わるのかとても興味がある。

Sigma fp L sample gallery (DPReview TV)

シグマ fp Lは、いくつかの癖があるものの、6100万画素センサーで美しい画像を得ることができる。DPReview TVスタッフがプリプロダクションモデルで撮影したサンプル写真をご覧あれ。

とのこと。
メカニカルシャッターを搭載していないfp Lは動体撮影や人工照明での撮影で強く影響を受けることとなりそうですね。将来的にα1のような積層型CMOSセンサーを搭載すると状況が変わるかもしれませんんが、現段階では「電子シャッター限定」である点を理解して使う必要がありそうです。恩恵としてカメラの小型化に一役買っているものの、ファインダーを装着するとサイズが大きくなってしまうのが悩ましいところ。珍しいアスペクト比やカラーモードもシグマの特徴だと思うのですが、DPReviewでは特に言及していない模様。個人的には新機能である「クロップズーム」をもう少し取り上げて欲しかったところ。

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