DPReviewが富士フイルム「FUJIFILM X100VI」のレビューを公開。必ずしも劇的に優れているカメラとは言えないものの、他では代用の利かない撮影体験が得られると評価。頭ではなく心で選ぶカメラとのこと。
DPReview:Fujifilm X100VI review
- 予想されるように、多くの人に愛されているカメラシリーズの反復的なアップデートである。
- 高解像度のセンサーと手ぶれ補正機能、その他いくつかの微調整により、これまでで最高のカメラに仕上がっている。
- レンズ交換の柔軟性を求めてミラーレス一眼を購入する方が理にかなっているのではないかと考えたり、そのルックスから「Hipster」や「TikTok」という言葉が思い浮かんだりするのであれば、このカメラはあなたのためのカメラではない。
- 悲観的に見るならば、妥協のカメラだ。オートフォーカスは、このシリーズで最も高性能で使いやすいが、現代の最高のミラーレスカメラには遠く及ばない。その(小さな)レンズは、一流レンズのようにシャープでもなければ、端から端まで安定しているわけでもない。また、基本的にレンズが固定されているため、撮影に制限がある。
- しかし、この経験は新鮮だった。ただ1つのものになろうとするカメラは、そのカメラでできることに集中させてくれる。
- OVFは実際にはあまり実用的ではないものの、このカメラが特徴的で特別な存在であることを感じさせてくれる。
- また、レンズの隅の性能を心配することは可能だが、JPEGを見返すと「素晴らしい」と思うことがある。
- レビュアーとして、すべての機能とコントロールポイントを調査しなければならないが、他のXシリーズから多くのものを拝借しすぎて、純粋さが損なわれているのではないかと思った。
- これまでのX100同様、頭ではなく心で選ぶカメラだろう。しかし、それを承知でX100VIを使えば、写真の楽しさを再認識できるかもしれない。
X100VIは、特定の写真体験を提供するように設計されており、その点で優れている。X100VIのスタイリングは、それが何であるか、また何でないかを表現しており、それに応じてあなたを惹きつけるか、あるいは反発させるだろう。
もしあなたが、現実よりも美しい色彩であなたの人生を記録する手助けをしてくれる、美しく、制限の多い、無意味な写真ツールを求めているのなら、あなたの完璧な相棒となる。欠点もあるが、気にすることはないだろう。
同クラスのカメラとの比較
- RICOH GR IIIx
・富士フイルムのクラシックな外観とハイブリッドファインダーを求めるか、GRのすっきりしたポケット性を求めるかが主な問題だ。
・動画では富士フイルムの圧勝。
・X100VIはJPEG出力の点でも優位に立つと感じるが、最終的には、性能面よりも各カメラの根本的な設計コンセプトが勝敗を決めると思う。- FUJIFILM X100V
・X100VIの4,000万画素センサーは、画質を劇的に向上させるものではなく、手ブレ補正の追加も決定的な決め手にはならない。
・同様に、Reala ACEフィルムシミュレーションや被写体認識モードがなくても生きていける。
・しかし、Camera to CloudやBluetoothとWi-Fiの信頼性向上といったディテールが、新型カメラへの支持をさらに高めている。- 35mm相当のレンズを搭載したミラーレスカメラ
・例えば、ソニーα6700はかなり小型で、電子ビューファインダーを搭載し、レンズの選択肢もも十分にある。
・オートフォーカスも動画もX100VIを大きく凌駕しており、圧倒的に柔軟性が高い。
・しかし、X100VIは、ミラーレスカメラよりも首尾一貫した独特のユーザーエクスペリエンスを提供し、ハイブリッドビューファインダーはこのエクスペリエンスを際立たせることができる。
・我々は、どちらのアプローチも非常に優れたものだと考えているが、互いに代用することはできない。
と。
外観はX100Vとよく似ていますが、ボディサイズそのままに5軸6段分のボディ内手振れ補正を搭載。さらにイメージセンサーは4000万画素の最新X-Trans CMOSに更新され、プロセッサは省電力で高性能なX-Processor 5を使用しています。最新のフィルムシミュレーションや10bit HEIF、超高速電子シャッターやISO125などに対応。ファインダーやモニターはほぼ従来通りで、コントロールレイアウトも同様ですが、中身は大幅に進化している模様。注意点として、SDカードスロットが従来通りSD UHS-Iとなっているので、高速連写をする機会が多いのであれば注意が必要です(高解像であるぶん画像のファイルサイズが大きく、書き込みに時間がかかる)。
DPReviewのレビューではJPEGやRAWの優れた画質、フィルムシミュレーションの豊富さ、直感的なコントロールレイアウトやハイブリッドファインダーなどを評価。必ずしもマストな選択肢ではないものの、替えのきかないカメラとなっているようです。最も競合するのはX100シリーズの過去製品ですが、AFや機能性などを考慮すると、最も新しいX100VIが無難なように見えます。
問題は、実機を手に取って購買意欲を掻き立てられた時、すでに購入することができない(供給不足)ことでしょうか。小売店では軒並み抽選販売となっており、抽選応募はすでに締め切られています。X100Vの時と同じく、このまま販売終了となってしまうのか気になるところですねえ。
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新製品
主な仕様
- レンズ
・f=23mm(35mm判換算:約35mm相当
・F2~F16 1/3EVステップ(9枚羽根)
・構成:6群8枚
・撮影距離:10cm ~ ∞ - イメージセンサー
・タイプ:X-Trans CMOS 5 HR
・有効画素数:約4020万画素
・除塵ユニット:圧電素子による超音波方式
・手振れ補正:搭載 6.0段分
・NDフィルター:4段分 - 14bit RAW / 4:2:2 10bit HEIF / JPEG / TIFF 8・16bit
- プロセッサ:X-Processor 5
- フィルムシミュレーション 20種
・リアラエース
・ノスタルジックネガ
・エテルナ ブリーチバイパス - 撮影感度:
・標準: ISO125~12800
・拡張:ISO64-25600 - SD UHS-I カードスロット
- AFシステム:
・測距点:25x17
・測距輝度範囲:位相差: -5.0EV
・被写体認識:動物/鳥/クルマ/バイク&自転車/飛行機/電車
・その他: - ドライブ性能:
・メカニカルシャッター: 15分~1/4000秒
・電子シャッター:30秒~1/180000秒
・フラッシュ同調速度:
・撮影速度:電子 20fps(×1.29crop)・メカ 11fps
・撮影枚数:20fps ロスレス圧縮 35枚 - ファインダー:
・OVF:約0.52倍 視野率 約95%
・EVF:0.5型有機EL 約369万ドット 0.66倍 - モニター:3.0型チルト式 約162万ドット
・ハイアングル時角度が30°から45°に改善 - 動画:
・6K:6.2K 29.97p 200Mbps
・4K:HQ 29.97p 200Mbps / 59.94p 200Mbps
・Long GOP - インターフェース:
・USB:USB Type-C USB 10Gbps
・ヘッドホン:
・マイク:ø2.5mm
・HDMI:Type D
・Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
・Bluetooth:Ver. 4.2 (Bluetooth low energy)
・フラッシュ:GN 4.4 - バッテリー
・タイプ:NP-W126S
・撮影可能枚数:エコノミーモード時: 約360枚(EVF)、約450枚(OVF)
・撮影可能枚数:ノーマルモード時: 約310枚(EVF)、約450枚(OVF)
・充電方法: - サイズ:
幅: 128.0mm
高さ: 74.8mm
奥行き: 55.3mm
(最薄部: 33.2mm) - 重量:
バッテリー、 メモリーカード含む: 約521g
バッテリー、 メモリーカード含まず: 約471g - 防塵防滴:対応(要 AR-X100+PRF-49)
- ボディ材質:アルミニウム
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