Xitekがソニー「α7R V ILCE-7RM5」のレビューを公開。ISO感度ノイズはα7R IVと同程度ですが、オートフォーカスやAWBが強化され、操作性やインタフェースも改善していると評価。競争力の高い高解像モデルとのこと。
ビルド・外観:
- 比較的統一されたデザインを維持している。古いユーザーでもシームレスに使い始めることができるだろう。
- 正面左にAF補助光に加えて、AWBの精度を向上する可視光+IRセンサーを搭載している。
バッテリー:
インターフェース:
- 右側のメモリーカードスロットはCFexpress Type AとUHS-II SD カードに対応するデュアルスロットだ。
- 左側はデータインターフェース部分で、シンクロ接点、Micro USB、マイク、イヤホン、HDMI A、USB-Cポートを備えた完璧なデザインだ。
携帯性:
- サイズは約131.3 x 96.9 x 82.4mm、重量は638グラムだ。
- α7R IVよりも少し重くて厚めだが、全体的なデザインはあまり変わっていない。
グリップ:
操作性:
- ボディ上部のボタン配置は基本的にα7R IV と同じだが、モード ダイヤル下部に静止画/動画の切り替えスイッチを搭載。露出補正ダイヤルはカスタムダイヤルに切り替わっている。
- 背面のボタンデザインを最適化し、録画ボタンをシャッターボタンの近くに移動している。
手ぶれ補正:
- 現在、最大 8 レベルの手ぶれ防止レベルに達する静止写真に加えて、短いビデオを撮影する人が増えているため、カメラの手ぶれ防止機能は非常に必要です。また、A7R5 は、A7R4 よりもさらに優れた、高精度の手ぶれ補正コンポーネントと高度なジャイロ センサーを使用して、手ぶれ防止の点で包括的な改善を行いました。
- 以下、筆者がFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSとA7R5ボディを組み合わせて実写テスト(撮影焦点距離400mm、写真左が手ぶれ補正OFF、写真右)手ぶれ補正ONの状態です)
- 1/4秒の超長焦点距離400mmでの撮影は非常に難しく、画面ブレによる無駄が生じやすい。手ぶれ補正をオンにすると、α7R5 の 5 軸手ぶれ補正システムが良い役割を果たし、写真の鮮明さが大幅に改善されていることがわかります。成功率を維持できます。
ファインダー:
- ファインダーがついに刷新され、944万ドットで解像力が向上し、さらに明るくなり、ファインダーの見心地が旧型に比べて大幅に向上した。
モニター:
- 新しい 4 軸マルチアングル デザインを採用。
- チルトとバリアングルが組み合わさり、側面のケーブル類との干渉を避けることができる。
メニューシステム:
- α7S III、α1、α7 IVに続くコラムレイアウトの新しいメニューを採用。
- マイメニュー、メイン、撮影、露出/色、フォーカス、再生、ネットワーク、設定に分かれている。
- 最大の改善点は、第二層と第三層のサブメニューを同じ画面に表示できることだ。これにより、より論理的で識別しやすくなっている。
- メニュー機能の操作は従来モデルとあまり変わらず、撮影状態で画面に非常に豊富なパラメーター情報を表示できる。
- DISPを介して、パラメーターの表示内容と UIインターフェイスを変更することができる。
- 静止画と動画用に2 セットのカスタム メニューを個別に設定し、Fnメニューと DISP表示の設定をさらに最適化することもできる。
フォーカスシステム:
- AIチップの導入により、追従性・機能性の点で α7R IV よりも優れている。
- 位相フォーカス ポイントは 693点にアップグレードされており、カバー領域は 79%だ。
- フォーカスポイントの数がより密になり、測距輝度範囲の最小値は従来の-3EVから-4EVに強化され、低照度環境でより正確で高速なオートフォーカスが可能になった。
- AIチップを通じて、インテリジェントな被写体認識能力がさらに最適化された。従来の人物、動物、鳥に加え、昆虫、航空機、乗り物など最大7種類の認識が追加され、より多くの撮影対象に対応できるようになった。
- さまざまな認識対象に基づいて、さまざまな対象の認識部分、追従時の「ねばり」レベル、認識感度、およびその他のオプションをさらに設定し、野生動物、鳥、または飛行機や列車をよりよく認識し、より正確で安定したトラッキングを実現している。
- 動物/鳥認識をオンにすると、カメラは遠くにいる動物の頭と目をすばやく認識でき、全体的な認識率は非常に高い。動物がカメラに背を向けていても、体の認識が有効だ。
- 人体の姿勢情報をインテリジェントに予測して処理することもできる。
連写性能:
- 10コマ秒の連続撮影に対応しているので、高速移動する被写体を撮影することも可能だ。
解像性能:
- ピクセルシフトマルチショットモードを搭載。最大2億4080万画素の写真が得られ、一度に撮影できる写真の枚数も4枚から16枚に増えた。高品質な画像を出力するために大きな画像サイズが必要な商業撮影に非常に役立つものだ。
- 現時点では、ピクセルシフトマルチショットをカメラ内で直接合成することはできず、Imaging Edge ソフトウェアで処理する必要がある。
- 最新バージョンでは、小さなオブジェクトの動きや葉の動きなど、ピクセルレベルの小さなずれを自動的に検出して修正できる。
高感度ISOノイズ:
- 常用ISO感度は ISO100 から 32000 であり、102400 まで拡張することもできる。
- RAWで撮影し、Imaging Edgeを使用して JPG に変換し、カメラから直接取り出した JPG ファイルを比較した。
- 100?200の低感度下では、RAWでもJPGでもノイズレスだ。
- ISO400以降はRAWの暗部に微かにノイズが入るが、JPGのノイズコントロールは良好で全く問題ない。
- ISO800 では、JPG の暗い部分にわずかなノイズ リダクションの痕跡が残り始めるが、ノイズ コントロールは依然として良好だ。
- ISO1600からはJPGのノイズリダクションが酷くなり、RAWは色ノイズが出始め、全体的に少しざらつく。
- ISO3200以上のJPGファイルはディテールロスが大きくなり、RAWの色ノイズもさらに大きくなる。
- ISO12800ではRAWのディテールが大きく失われ、JPGもかなりにじむが、縮小された画像はある程度使えるレベルだ。
- ISO25600以上ではJPGもRAWも使えるレベルではない。
- 6100万画素のボディとして、ノイズ制御レベルはα7R IVと大差なく、大きな「驚き」はない。
- 画質を追求するならRAWの感度は6400を超えないようにしよう。
ダイナミックレンジ:
- Imaging Edge は露出を ±2 で調整することしかできないため、1 ? 2 ストップの露出オーバーと 1 ? 2 ストップの露出アンダーのみテストした。
- 2EVの露出アンダーの場合、良好なラチチュードを示し、適正露出へ簡単に引き戻すことができ、写真のディテールを完全に復元できる。シャドウ部分にわずかなノイズしか発生しない。
- 2EVの露出オーバーは、ハイライト部分を復元できた。一部のハイライト詳細が失われているが、全体的な色はまだ正常だ。
画質・仕上がり機能:
- AIテクノロジの恩恵を受けており、AWBも改善されている。
- 白熱灯 環境下では、AWBがうまく機能し、目立つ黄色被りとなる兆候はない。
- AWBは信頼でき、複雑な照明条件で使用できる。
動画:
- 動画撮影機能もアップグレードされている。
- 10bit 4:2:0 8K 24/25P を撮影でき、4:2:2 4K 30/60Pも撮影可能だ。
- XAVC HS、XAVC S、および XAVC SI のさまざまなエンコーディングを含む、さまざまな録画フォーマットを利用可能だ。
- 8K品質が比較的優れている。
- 4K 30pにクロップはない。4K 60pは1.2倍だ。
- オーバーサンプリングされた4K 30pの画質は良好だ。
- S&Q モードで最大 5 倍速のスローモーション動画をFHD 120pまで撮影できる。
- AIインテリジェントトラッキングを使用して、人、動物、飛行機、その他のターゲットを識別してピントを合わせることができる。
総評
α7R IVをベースに静止画/動画のパフォーマンスをアップグレードし、画質のベンチマークに相応しいカメラだ。強力な BIONZ XRプロセッサとAIプロセッシングユニットの組み合わせにより、優れたが画質のみならず、AF性能や処理能力が向上している。さらに、新しいメニュー、新しい可動構造のモニタ、最適化されたボタン レイアウトなど操作性が向上し、最大 8段分の5軸手ぶれ補正システムと相まって、汎用性の高いカメラに仕上がっている。
待ち望んでいた8Kはフレームレートは25pまでだが、それでも大部分の人のニーズを満たすことができるだろう。フォーカス機能やLogなどの機能が充実している。
高画質の静止画・動画を追求するユーザーに最適だ。競争力の高いカメラとして、再び高解像モデルのトップに立つものと思われる。
とのこと。
イメージセンサーこそα7R IVと同じ6100万画素 Exmor R CMOSセンサーを使用していますが、その他の要素は全体的に大きくアップグレードしているカメラですね。最新機種らしくBIONZ XRプロセッサを導入し、さらにα1にすら採用していないAIプロセッシングユニットも搭載。被写体検出の範囲や精度を改善し、AWBや露出の精度向上にも一役買っている模様。個人的に、従来のαシリーズは「AWBがいまいち」というシーンに遭遇する頻度が高かったので、可視光+IRセンサーとAIプロセッシングユニットの組み合わせによってどれほど改善しているのか注目しています。Xitelk曰く、かなり信頼できるAWBとなっているみたいですね。
高ISO感度ノイズは従来通り、画素ピッチが狭いだけあってノイズは発生しやすいようです。手振れ補正が強化されているのでISO感度を低く抑えやすくなっていますが、シャッタースピードが求められるシーンでは低解像で画素ピッチが広いセンサーを搭載するカメラのほうが適しているかもしれません。
α7R V | |||
ソニーストア | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す |
関連記事
- 【更新】ソニーがα7R V ILCE-7RM5用の最新ファームウェア Ver3.00の公開再開 2024年10月10日
- 「EOS R5 Mark II」と「α7R V」の外観やスペックの違い 2024年7月24日
- ソニがα7R V・α7CR・α7C II・ZV-E1の最新ファームウェアを公開 2024年3月26日
- ソニーが「α7R V」「α6700」用の最新ファームウェアを公開 2023年10月20日
- 「α7C R」と「α7R V」の外観やスペックの違い 2023年8月31日
- DXOMARKがソニーα7R Vのセンサースコアとレビューを公開 2023年6月6日
- 「Z 8」と「α7R V」の外観やスペックの違い 2023年5月15日
- ソニーがα7R Vの最新ファームウェア Ver2.00を公開 2023年3月31日
- α7R Vは高性能・高機能だがカメラのデザインが釣り合っていない 2023年2月2日
- α7R Vはソニーのカメラ史における画期的な1台 2023年2月1日