DPReviewが正式発表されたばかりの「Leica Q2 Monochrom」に関するインプレッションとサンプルギャラリーを公開しています。モノクロ4700万画素センサーのポテンシャルが凄い、
驚くほど多目的で使いやすいモノクロカメラ
DPReview:Hands on: Leica Q2 Monochrom
- モノクロセンサーの設計はカラーフィルターを取り除くだけの簡単なものではない。ベースシリコンはQ2と同じだが、厚みが異なるため、マイクロレンズアレイを再設計している。
- カラーフィルターアレイの省略で画素補間が必要無く、純粋にディテールを撮影することが可能となっている。
- フィルターによる光の吸収がないため、より効果的に光を集めることができる。このため、-2?-3EVの低照度性能とダイナミックレンジの改善が期待でそうだが、それほど単純な話でも無く、1EV程度の改善だと思われる。出来るだけ早めにテストしたい。
- 従来通り、11枚構成のSummilux 28mm F1.7レンズを使用している。使った限りでは、モノクロセンサーの解像度を引き出す十分な性能を備えていると確信している。
- オートフォーカス性能は非常に優れているが、マニュアルフォーカスも最高だ(実際にはフォーカスバイワイヤ方式であるにも関わらず)。
- 機能的に見ると、センサーを換装したQ2にすぎない。タッチ機能やコントロールレイアウトは従来通りだ。Q2のファームウェアアップデートVer2と同じ機能を実装している。
- Q2と同様、防塵防滴仕様である。
- QとQ2を比較した際、最大のアップグレードはファインダーだ。以前に使用していたフィールドシーケンシャル液晶ではなく、OLEDパネルを採用している。モノクロームはQ2と同じ368万ドットのパネルを使用している。最高の解像度ではないが、シャープでコントラストは良好だ。唯一の不満は遮光性が悪く、反射する外光が気が散りやすいことだ。
- バッテリーはQ2やSLと同じである。SDカードスロットもカメラ下部だ。SDXC UHS-IIを使用できるが、パフォーマンス上のメリットは無い。
- センサー以外の大きな変更点は外装のデザインだ。
- 希望小売価格は5,995ドルである。
DPReview:Leica Q2 Monochrom initial review
紹介
- Leica Q2 Monochromはライカ最新のモノクロ専用モデルだ。モノクロ専用4700万画素センサーと17cmマクロモード対応の28mm F1.7 ASPHレンズを搭載している。
- Leica Q2と比較してダイナミックレンジとノイズ性能が優れていると言われている。
- Q2との大きな違いは、ご想像の通り、カラーフィルターアレイが無い特別設計の4700万画素センサーだ。
- カラーデジタルカメラではフィルターアレイで入射光をフィルタリングし、各フォトダイオードが赤・緑・青の光情報を入手し、データを補間してフルカラーのイメージを生成している。
- Leica Q2 Monochromは各フォトダイオードの補間がないため、真のトーンを撮影可能だ。さらに、光を吸収するカラーフィルターが無いのでISO感度性能が向上している。
- デザイン面は簡素化されたメニューインターフェースとより目立たない外観が特徴だ。
- M10モノクロームと比較して、電子ビューファインダーと信頼性の高いオートフォーカスを利用可能であり、はるかにシンプルで簡単な操作のカメラとなっている。欠点はレンズが28mmで固定されていることだ。
- 価格は…まぁ高い。Leica Q2 Monochromは5,995米ドルだ。コンセプトが似ている富士フイルム X100Vは遥かに手頃な価格のカメラである。(APS-Cカラーセンサーでレンズは換算35mmだが)。RICOH GR IIIはライカと同じ28mmレンズを搭載したAPS-Cカメラである。
- 外装はニュートラルグレーの控えめなデザインだ。象徴的な赤バッジや上部の刻印は省略されている。
- エルゴノミクスとボタンレイアウトはQ2と同じだ。ファンクションボタンは長押しで素早くカスタマイズが可能である。
- EVF用アイセンサーは感度が高く、設定を「低」にしてもかなり敏感だ。
- デジタルクロップで35mm・50mm・75mmに対応しているが、RAWはフル画角で撮影したものとなる。クロップ時はレンジファインダースタイルのフレームが表示される。
- カメラ下部にはバッテリーコンパートメントがあり、SDカードスロットもある。バッテリーはLeica SLと同じBP-SCL4を使用する。CIPA規格では350枚だが、実写では遥かに多くの撮影が可能だ。
- レンズは3枚の非球面レンズを使用した9群11枚の複雑な設計だ。マクロモードで17cmまで寄ることが出来る。
- リニューアルされた368万ドットOLEDファインダーは信じられない程明るく、正確なライブビューである。
インプレッション
- モノクロフルサイズセンサーと処理エンジンのおかげで、高解像なイメージを出力できる。これはAPS-Cのコンパクトカメラとは異なるパフォーマンスだ。そしてカラー写真を完全に排除してしまうことで創造的にプラスの影響があると感じる。
- 3つのカスタマイズボタンはスマートなデザインで柔軟性が高い。
- 防塵防滴に対応しているのもセールスポイントとなるだろう。
- オートフォーカスに対応しているのでM10モノクロームより使いやすく、あらゆるレベルのフォトグラファーに親しみやすい撮影体験である。
- 微妙な色調の変化がお気に入りだ。
- 高感度ISOと明るいレンズの組み合わせで深夜の撮影には最適だ。ISO12500で撮影してもノイズはそれほど見られない。
- RAW現像の柔軟性は際立っている。
- モノクロしか撮れないと不自由に感じるかもしれないが、私はとても自由に撮影できるカメラであることに気が付いた。モノクロのファインダー像を見ることで、フレームのパターンや質感・光に集中しやすい。
- 万人向けのカメラではなく、手ごろな価格でもない。しかし、驚くほど多目的に、使いやすいモノクロカメラだ。
DPReview:Leica Q2 Monochrom sample gallery
ライカのモノクロ専用モデルQ2が登場したばかりだが、モノクロ撮影には晩秋が最適だ。モノクロームカメラの優れた柔軟性を強調するRaw現像したJPEGを含め、Q2 Monochromのプリプロダクションモデルで撮影したデータをご覧あれ。
とのこと。
Q2をベースとしてモノクロセンサーに換装したモデルで、4700万画素モノクロセンサーを搭載しています。実際に作例を確認してみると確かに優れた高感度ISO性能を備えているように見えます。かなり強引にシャドウを持ち上げても諧調が残っているように見えます(ノイズは多いですが)。
高画質ですが、カラーフィルター搭載の最新センサーと比べて、高感度ISOやダイナミックレンジに劇的な違いは無いと思われます。とは言え、画素補間がないため細部のディテールが非常に繊細でシャープに見えます。デジタルクロップしても全く違和感の無いシャープネスは魅力的と言えそう。
搭載している28mm F1.7レンズは開放から周辺部までシャープで、4700万画素の高画素にきちんと対応しているように見えます。四隅のボケは少し騒がしいですが…。
問題は価格設定。M10モノクロームより安いものの、Q2と比べて1000ドルほど高くなっています。とは言え他に選択肢があるわけでもないので、欲しい人は清水の舞台から飛び降りる覚悟が必要な模様。高画素モノクロセンサーは使ってみたいですねえ。
購入早見表
Leica Q2 Monochrom | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
ソフマップ | e-BEST | ノジマ | PayPay |
ビックカメラ | ヤマダ | PREMOA |
主な仕様
T独特の魅力と不思議な美しさで昔から親しまれているモノクローム写真は、「光で描く」という写真の本質がカラーよりも顕著に表れます。ライカのモノクロームカメラは、モノクロという魅力的な写真表現に特化した、モノクローム撮影専用のカメラです。
そのモノクローム撮影専用カメラに、ライカQ2モノクロームが新たに加わりました。フルサイズコンパクトデジタルカメラとしては世界で初めてモノクローム撮影専用の撮像素子を搭載しています。
参考
- Leica Summilux 28 f/1.7 ASPH
・9群11枚
・非球面レンズ3枚
・F1.7-16
・49mmフィルター - デジタルズーム:35mm・50mm・75mm
- 解像度:
・28mm:47MP
・35mm:30MP
・50mm:15MP
・75mm:7MP - 裏面照射型 4730万画素 カラー・ローパスフィルターレス
- ISO 100-100000
- ダイナミックレンジ 13stops
- 225点 コントラストAF
- 60-1/2000秒 メカニカルシャッター
- 1-1/40000秒 電子シャッター
- フラッシュ同調 1/500秒
- 368万ドット OLEDファインダー
- 3.0型 104万ドット タッチパネル
- 2.4GHz Wi-Fi・Bluetooth LE
- 動画:
・4K 30p
・DCI 4K 24p
・Full HD 24-60p
・AAC - SDXC UHS-II
- Leica BP-SCL4バッテリー 360枚
- 130×80×91.9mm
- 734g
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- Leica Q2 Monochrom データベース
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