DpreviewがLUMIX G9 PROの総合レビューを公開しました。「Dpreview SILVER AWARD 86%」とのこと。
Dpreview
私はLUMIX G9のメニューシステムと操作性、そしてなにより高速連写性能が好きだ。
しかし、DFDを用いたコントラストAFはAF-C時にEVFのバタつき(訳注:おそらくピント面が微妙に前後することかと)が発生するため、E-M1 Mark IIの像面位相差AFが頼もしく好みである。
さらにG9やE-M1 Mark IIと同価格帯にNikon D500が存在するため、スポーツ撮影のたのカメラを検討しているのであれば悩むかもしれない。まだシステムを構築しておらず、静止画が主な場合はマイクロフォーサーズよりもNikon D500をおススメするだろう。使えるDXレンズは限られているが、AF性能はトップクラスだ。
静止画と動画をバランス良くこなす場合にはUHD 60pを備えるG9がE-M1 Mark IIよりもおススメである。
E-M1 Mark IIは金賞でG9を銀賞と評価した。1年以上前に登場したE-M1 Mark IIと競合するだけの性能は持ち合わせているが、金賞と評価するには十分ではない。
長所
- ノイズレベルを増加させずに解像度を向上させた2000万画素センサー
- 改善されたノイズリダクション・シャープニング処理
- 改善したJPEG出力の発色
- 高品質な4K UHD
- 最高クラスの手振れ補正
- コントラストAFとしては最も高性能なAF
- 改善した被写体認識
- 連写20コマ秒
- 9コマ秒連写でバッファ無制限
- 高解像撮影機能
- 大型電子ファインダー
- 耐候性を持つ頑丈で操作性が豊富なボディ
- 肩液晶モニタ
- AFジョイスティック
- 高度なカスタマイズ性
- メニュー操作することなく顔認識AFを作動可能
- デュアルSDカードスロットがUHS-II対応
- USB 3.0対応で給電対応
- WiFi/Bluetooth
短所
- 撮影時にDFDの挙動が気になる
- シャッターボタンを押すとEVFの解像度が低下する
- AFジョイスティックは斜めで動作しない
- 鼻でタッチパッドAFが作動し、タッチ領域の変更が出来ない
- アクセサリドアを使用中はバリアングルモニタを展開できない
- 電子シャッターはローリングシャッターの影響を受けやすい
とのこと。
結論だけピックアップするとAFシステムに関する愚痴が多いですが、Dpreviewが実施する「いつも通りのC-AFテスト」では「見事な結果」と述べていますね。
レビュワーが指摘している「DFDによるバタつき」は私もLUMIX機を使っていて「あ?確かに」と感じる部分。しかし、実際に撮影するとピント合ってるのですよね。DFDを実装してからはだいぶマシになりましたし…。
とは言えレビュワーは非常に気になるらしく、この点で評価をかなり落としているみたいです。
この点に関する分かりやすい動画を掲載しています。
https://www.youtube.com/watch?v=RQbCs9l0kmQ
その他カテゴリ別の評価
個人的に「お!」と思った項目を太字
- G9は658gでE-M1 Mark IIよりもやや重いがGH5よりも軽い。サイズはGH5と同等でE-M1 Mark IIは比較して全体的に少し小さい。
- ビルドクオリティはプロレベルだ。防塵防滴仕様で手にジャストフィットするグリップ、そしてグリップを握るだけで数多くのコントロールにアクセス可能である。
- GH5と比較してG9は僅かに深いグリップを持っている。
- ファインダーはマイクロフォーサーズで最大となる0.83倍と巨大なものだ。眼鏡をかけた状態だと四隅を見るのに苦労するが、ライブビューを縮小することで視認性を向上することが出来る。
- 肩液晶近くに3つ配置されたボタンは感触が異なっている。個人的な好みからすると、ボタンやダイヤルはトッププレートと同じ質感が良かった。
- AFスティックは良い場所に配置され、操作しやすい加工が施されている。ボタンを押し込むとデフォルトの位置に戻る。残念ながら十字方向のみで動作し、斜め方向には動作しない。加えてポイントの動きが鈍く、一方向に動かすとスティックを戻すまで他の方向に動かすことはできない。出来ればファームウェアアップデートで改善して欲しいものだ。
- タッチパネルはタッチパッドAFを実装している。残念ながら右目で操作すると鼻がパネルにあたり誤作動する。タッチパッドは絶対位置と相対位置から選択可能だが、操作領域を変更することはできない。
- G9のカスタマイズ性は化け物のようである。5つの物理ボタンとタッチパネルに5つのFnボタンを持ち、カスタマイズの選択肢は17ページに及ぶリストとなっている。加えてモードダイヤル1?3、Q.Menuをカスタマイズ可能である。
- Fnレバーは使い方によってワンアクションで顔認識のオンオフを設定できたりする。
- ISO感度設定は最低・最高から最低シャッター速度まで調整可能だ。マニュアルモードではISO AUTO中に露出調整が可能である。
- 20コマ秒の高速連写は便利だが、50枚でバッファが詰まってしまうのは不便だ。メカシャッターの9コマ連写を使うとほぼ無限である。
- オートフォーカスは自転車テストで単一の被写体を追跡するときに優れた性能を発揮する。残念ながら複雑な動きをする素早いスポーツの撮影では像面位相差に対して遅れを取っている。
- DFDは注意を削がれる「AFフラッタ(訳注:前述したようにピント面が前後に揺れるような挙動と思われます)」に繋がりヒット率が信用できなくなる。さらに連写中はEVFの解像度が低下するためカメラがどこにピントを合わせているのか分かりづらい。
- G9はUSB充電に対応しているため、旅行中にモバイルバッテリーで充電できるため便利だ。
- JPEG出力の色やシャープネス、ノイズ処理が改善しているので後処理することなく写真をシェアすることが出来る。WiFi/Bluetoothを搭載していることもメリットとなるはずだ。
- 顔認識AFは独立したAFモードであるため、他のAFエリアモードと併用することが出来ない。しかし、Fnレバーに登録しておくことで素早く切替が可能だ。
- スチール重視のカメラだが、強力な手振れ補正機能で動画撮影にも有効である。GH5ほど高度な機能を備えていないが、カジュアルユースならばまず問題ないはずだ。マイクとヘッドホン端子を備えている点も良い。しかし、バリアングルモニタと干渉してしまうのは残念だ。
- 20fpsの1点C-AFテストはとても肯定的な結果だ。9fpsモードでも同様に見事な結果である。
- 追従AFモードも同様に見事な結果だ。大半のカットはシャープか許容範囲内である。
- 近距離で顔認識を使ったショットは90%近くがシャープか許容できる画像だった。20fps連写を使った場合は顔認識よりも追従AFが僅かに良い結果を出す。
- 以上の結果を踏まえ、G9は今までにリリースされた中で最も高性能なコントラストAFカメラと言えるだろう。
- 24mmで手振れ補正を試してみると、G9で3段、E-M1 Mark IIで2.5段の効果を得ることが出来た。
- RAW画質はGH5と同等だが驚くべきことではない。オリンパスE-M1 Mark IIとも似ている。2000万画素のマイクロフォーサーズ機としては競合カメラとドッコイだ。
- G9の肌色はスタジオテストで正確だが、人工照明下ではマゼンダに転びやすい。
- ノイズリダクションはGH5と比べてバランスが明らかに改善している。実際、高感度においてE-M1 Mark IIよりもディテールに優れている。
- 動画時の画質はGH5と似ているが、GH5が僅かにディテールで優れている。これはGH5が4:2:2に対応しているためだ。
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