DPReviewが珍しく交換レンズのレビューを掲載。オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」はズームレンジ全域でシャープな画質を備え、狂ったような手ぶれ補正を実現できるレンズと評価しています。
高価だが検討する価値のある高倍率ズーム
DPReview:Field review: The Olympus M.Zuiko 12-100mm F4 IS Pro goes to Oz
- 2018年が遥か昔のように感じられるが、3週間の休暇でオーストラリアへ旅行した際にオリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」を持って行った。OM-D E-M1 Mark IIと組み合わせることで適度なサイズのシステムだ。(これは個人的な旅行であり、オリンパスを選んだのも自分自身だ)
- 防塵防滴・耐凍結仕様の最高なビルドクオリティのPROレンズだ。
- フォーカスバイワイヤ方式のフォーカスリングだが、機械式と同程度のレスポンスで動作する。
- 金属製ズームリングは適度な抵抗量で動作する。
- 外装はほとんどが金属製だ。手に取った際に感じるレンズの質感は否定することができない。
- オートフォーカスはピント距離全域で高速で移動する。野生動物の撮影にも十分だ。最短撮影距離でもマニュアル操作の必要はない。
- 効果的な手ぶれ補正を搭載している。低照度での素早い被写体の撮影には適していないが、素晴らしい夕景を撮るには最適だった。
- 被写界深度が必要とならない場合、常に絞り開放で問題無いほどシャープな画質だ。ズームレンジ全域で優れたシャープネスを維持しており、接写でも性能が損なわれることは無い。2000万画素センサー以上の性能を備えている。
- 歪曲収差や周辺減光は組み込まれているプロファイルで自動的に補正されている。とても良好に補正されているように見えるが、ソフトウェア補正が負担となっている部分があるかもしれない。
- ソフトウェア補正があるものの、12mmのフレーム四隅ではいくらか周辺減光が残っている。歪曲収差は12mmで僅かに樽型の収差が残存している。長焦点では問題無い。
- ボケ描写に役立つレンズではないが、長焦点と撮影距離によってボケを大きくすることが出来る。ほとんどの場合、ボケは滑らかで素晴らしい。残念ながら玉ボケが多くなりシーンでは玉ねぎボケの効果で少し騒がしく見える。
- 逆光でもフレアによるコントラストの低下は問題とならない。ただし、絞ってもシャープな光条が作れないのは残念だった。
- 色収差補正は優れている。よく見ると厳しい状況で色づきが発生していることがある。
長所:ズームレンジ全域でシャープ・戦車のように頑丈・逆光耐性・驚異的な汎用性・非常に良好な手ぶれ補正・低歪曲
短所:ボケが騒がしい場合がある・光条・部分的な色収差・重い・高価
非常に良くできたズームレンズで、薄暗い教会のインテリアや風景写真、ポートレートや野生動物まで、ほとんど何でも対応することが出来る。とは言え、後ボケが少し騒がしい場合があり、光条やマイクロフォーサーズのF4ズームを許容できない人もいるだろう。しかし、この狂ったような効き目の手ぶれ補正はISO感度を抑えるのに効果的だ。
最大の欠点は価格設定だ。希望小売価格は1299ドルと高価な選択肢である。より安価で良好な作りのオリンパス製レンズもあるが、ここまでの作りではない。堅実な画質が必要で、オールインワンのレンズが必要な場合は検討する価値がある。
とのこと。
広角12mmから望遠100mmまでを開放F値「F4」でカバーする前例のない高倍率ズームレンズですね。この種のズームレンズとしては明るいレンズと言うだけではなく、ズームレンジ全域で優れたシャープネスを備え、非常に効果的な手ぶれ補正や接写性能を実現しています。おまけにPROシリーズらしい頑丈な金属鏡筒と防塵防滴仕様。
私はこのレンズを発売日から愛用しており、E-M1・E-M1 Mark II・E-M1Xを経てE-M1 Mark IIIと組み合わせて使用しています。この期間にAPS-Cやフルサイズ用のズームレンズもいくつか試してみましたが、オリンパスのこのレンズにとって代わる高倍率ズームには巡り合えていません。
DPReviewの評価は逆光耐性以外はほぼ同意。逆光時はゴーストが出やすく、シャドウを回復しようとするとフレアが目立つ場合があると思います。複雑なレンズ構成のズームレンズですので、ゴーストの発生は避けられないのでしょう。それでも、ズームレンジ全域でシャープ、接写時も低下することのない解像性能は高く評価できるポイント。
マイクロフォーサーズで「F4」は、(同じ画角の)APS-Cレンズで「F5.6」、フルサイズで「F8」に相当する深い被写界深度を備えています。ボケを作るには厳しいF値ですが、絞らなくても十分な被写界深度を得られます。効果的な手ぶれ補正と組合せると、風景写真やインテリアなどの撮影でフルサイズ以上に役立つこともしばしばあります。
難点は低照度でシャッタースピードが必要となる場合。屋内や夜間のスポーツ・野生動物の撮影はかなり厳しいと思います。明るい単焦点レンズに切り替えるのがおススメです(個人的にはF2.8ズームでも力不足と感じるので、出来ればF1.4やF2の明るい単焦点がおススメ)。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO交換レンズデータベース
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO | |||
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