Phototrendが「VILTROX AF 135mm F1.8 Lab」ソニーEマウント用のレビューを公開。トップレベルのレンズと肩を並べる性能を持つと評価。重量が欠点としつつも、LABシリーズの初陣を飾る傑作とのこと。
Phototrend:Test Viltrox AF 135 mm f/1,8 LAB : tout simplement bluffant
- 外観:仕上げは非常に良好であり、ソニーFE 135mm F1.8 GMに似た素材と繊細なテクスチャのコーティングを採用。Zeiss Batisや初期Zレンズを思わせるデザイン。フードは長く、内側は黒フェルト、縁はシリコン製で高品質だが、取り付け部の強度はやや不足している。
- 構造:複数のシーリングにより、防滴・防塵性能を備える。Viltrox独自の特徴としてBluetooth機能を内蔵、専用アプリでファームウェア更新やカスタムボタン設定が可能。レンズに電源を供給する必要があり、USB-C経由での接続も対応している。
- 携帯性:全長14.5センチ以上、直径9.2センチ、重量1.23kgと非常に大きく重い。ニコンプレなよりも大型で、SamyangやSonyの競合製品よりもかなり重い。特に小型カメラとの組み合わせでは実用的でなく、撮影にはしっかりしたグリップが必要。
- 操作性:多くのコントロール機能を備え、カラーOLEDスクリーンも搭載。サムヤンを大きく凌駕し、ニコンプレナよりも扱いやすく感じられる。絞りリングにはノッチがあるが、抵抗が弱く、不意に絞り値が変わってしまう場合がある。
- AF:Hyper VCMモーターによる非常に高速かつ静音なAF性能を備え、精度とスピードのバランスに優れる。人物、動物、昆虫撮影にも効果的であり、ソニーの最新カメラでなくとも十分に機能する。ただし、連写速度制限が存在し、高速連写には制限がある(α1・α9系)。
- MF:フォーカスリングは滑らかで精密な操作が可能。適度な抵抗も備え、快適なMFが行える。
- 手ぶれ補正:光学式手ブレ補正は非搭載。キヤノンRF以外の135mm F1.8も同様であり、ボディ側の補正に依存。α1やα7 IV使用時には5~5.5段の補正が理論上可能だが、実際には3段程度が現実的。巨大なサイズのため、手持ち撮影には不向きである。
- 解像性能:開放F1.8から驚異的なシャープネスを実現しており、絞る必要はほとんどない。コーナーまで求める場合はF2.8で改善。F8では完璧に近い。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:ボケは非常にクリーミーで滑らか。被写体と背景の分離も良好で、背景は優雅に溶け込む。玉ボケも丸く、オニオンリングは見られない。周辺部にわずかなキャッツアイ効果がある。
- 軸上色収差:F1.8では色収差が見られるが、F2では大きく改善し、F2.8でほぼ消失。コントラストも良好に戻る。
- 倍率色収差:記載なし。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:わずかな糸巻き型歪みがあるが、ほとんど気にならないレベル。
- 周辺減光:開放では周辺減光が目立つが、F2.8から急減し、F4で完全に解消する。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:記載なし。
- 光条:記載なし。
- 作例集:リサイズ多数
- 総評:LABシリーズの初陣を飾る傑作である。1000ユーロ超の価格に見合い、トップレベルのレンズと肩を並べる性能を持つ。光学的欠点は少なく、補正も優秀。操作性やエルゴノミクスにも配慮されているが、唯一の難点は重さである。しかし、全体としては非常に高性能であり、あらゆるレベルの写真家の期待に応えるレンズ。
- 競合について:EマウントではソニーFE 135mm F1.8 GMが最大のライバル。ソニーは画質とAF速度は優れるが、キャッツアイ効果が弱点。価格はViltroxより高価であるが、軽量である。Samyang AF 135mm F1.8 FEはViltroxに匹敵する画質を持ちながら、半分の重量と価格の魅力を持つ。ZマウントではNikon Z 135mm F1.8 S Plenaが唯一の選択肢で、高性能だが大型。Viltroxは同等の描写力に加え、操作性で優れる。
- 備考:
VILTROX Labシリーズ最初のレンズ。135mmをF1.8でカバーする大口径レンズで、Labシリーズらしい高い光学性能を実現。さらに、絞りリングや複数のFnボタン、OLEDパネルなどを含め、様々なコントロールを搭載。また、Bluetoothに対応しており、スマートフォンアプリ経由でのファームウェア更新やカスタマイズに対応する珍しい製品となっています。
ソニーやサムヤンの競合製品と比べると重いのが悩ましいところですが、面白い選択肢の一つと言えそうです。販売価格はサムヤンと同程度。
Phototrendのレビューでは、優れた解像性能と滑らかなボケを評価。AFに問題はないものの、積層型センサーの高速連写は非対応である点が残念とのこと。これは他の社外製レンズも同様であり、VILTROXのみの問題ではありません。
ソニーEマウントではサムヤンが強力なライバルとなるものの、ニコンZマウントでは純正品のPlenaのみ。価格差を考慮すると、VILTROXは面白い選択肢となりそうです。
VILTROX AF 135mm F1.8 Lab 最新情報まとめ
レンズの仕様
発売日 | 2024.11.7 |
初値 | ¥111,800 |
レンズマウント | E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 135mm |
レンズ構成 | 9群14枚 |
開放絞り | F1.8 |
最小絞り | F16 |
絞り羽根 | 11枚 |
最短撮影距離 | 72cm |
最大撮影倍率 | 0.25倍 |
フィルター径 | 82mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | HDナノマルチコート |
サイズ | 93.0×145.7mm |
重量 | 1235g |
防塵防滴 | 対応 |
AF | VCM |
絞りリング | クリック解除対応 |
その他のコントロール | Fnボタン×2 OLEDパネル AF/MF フォーカスリミッター USB-Cポート |
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