低予算で非常に魅力的な選択肢｜VILTROX AF 85mm F1.4 Pro

OpticalLimitsが「VILTROX AF 85mm F1.4 Pro」ニコンZマウントのレビューを公開。低価格ながら優れた光学性能をボケ味を実現しており、ビルドクオリティを含めてコストパフォーマンスの高いレンズと評価。

OpticalLimits：Viltrox AF 85mm F1.4 PRO Z Review

外観：堅牢な総金属製でビルドクオリティは優秀。花形フードが付属。

構造：防塵防滴仕様で、インナーフォーカスと組み合わせて防護性が高い。USB-Cとアプリでファーム更新やFn設定が可能。

携帯性：造りは良いが、重量800gと重め。

操作性：クリックレス絞りリング、カスタムボタン、AFMFスイッチを備え、操作性は良好。

AF：VCMを採用し、機敏だがスポーティとまではいかない。

MF：フォーカスリングはスムーズに回転する。

手ぶれ補正：記載なし。

解像性能：MTF傾向はソニー版と一致している。全体的に非常にシャープ。F1.4で中心は非常に良好〜優秀、周辺も非常に良好。F2〜F4でさらに向上し、F4でピークとなる。F11以上は回折により避けるべき。

像面湾曲：センタリングは良好で、像面は平坦。

ボケ：中央の玉ボケは滑らかで、非球面採用にもかかわらず内部は非常にスムーズ。周辺では輪郭が出て縁取りが強調されやすい。F1.4では中間域から形が崩れ、コーナーには軽い口径食があるが比較的抑えられる。背景ボケは滑らかだが前景はわずかに硬い。

軸上色収差：F1.4で若干生じ、F2で大幅に改善し、F2.8でほぼ解消する。

倍率色収差：絞ると低減し、F4以降でさらに少なくなる。

球面収差：遠側へのフォーカスシフトが目立つ。AFなら問題ないが、至近距離のMFでは留意が必要。

歪曲収差：糸巻き型歪曲だが、現代の基準では良好。補正プロファイルは未提供だが実写で問題になることは少ない。

周辺減光：F1.4で1.7EV超と大きいが、F2で約2/3EV改善し、F2.8以上は許容範囲。ニコン版は自動補正により開放でも1EV未満に抑えられる。

コマ収差：記載なし。

逆光耐性：記載なし。

光条：記載なし。

作例集：

総評：ソニー版と同様に性能が安定しており、サンプル間の一貫性も高い。F1.4からすでにシャープで、中絞りでも非常に良好。金属製で堅牢な造り、操作部も高品質で、AF性能も優秀。総じてコストを抑えた非常に魅力的な選択肢。

競合について：同社「PRO」シリーズで、「Evo」より上、「LAB」より下に位置する。価格は598ドルと魅力的。Zマウント純正ではZ 85mm F1.2 Sは高価すぎ比較対象外で、Z 85mm F1.8 Sは同価格帯だがF値が大きい。F1.4勢ではSirui Aurora 85mm、Meike AF 85mmがやや安価。Siruiは評価が高いが未検証。

備考：

VILTROX Proシリーズとしては初のフルサイズ対応モデル。Proシリーズらしい外装デザインやコントロールで「85mm F1.4」を実現。シグマと同じ11群15枚と複雑な光学設計を採用し、構成には3枚のEDガラスと9枚の高屈折率レンズ、超精密非球面レンズを使用。

シグマほど小型軽量ではないものの、手頃な価格と光学性能でどのようなバランスを実現しているのか気になるところ。

OpticalLimitsのレビューによると、この価格帯では優れた解像性能とボケを実現しており、ビルドクオリティは良好と高く評価。球面収差の影響が残っているものの、それがボケ質に上手く作用していると考えると許容範囲内でしょうか。ポートレートレンズとしては良いバランスの描写なのかなと。

VILTROX AF 85mm F1.4 Pro 最新情報まとめ

VILTROX AF 85mm F1.4 Pro
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レンズの仕様

発売日	2025.6.16
初値	98,600円
レンズマウント	E
対応センサー	フルサイズ
焦点距離	85mm
レンズ構成	11群15枚
開放絞り	F1.4
最小絞り	F16
絞り羽根	11枚
最短撮影距離	0.79m
最大撮影倍率	不明
フィルター径	77mm
手振れ補正	-
テレコン	-
コーティング	防汚コート HDナノコート
サイズ	φ84.5×108.5mm
重量	800g
防塵防滴	対応
AF	HyperVCM
絞りリング	搭載クリック切替対応
その他のコントロール	AFMFスイッチ Fnボタン