DPReviewが富士フイルム「X-T5」のレビューを公開。4000万画素の高解像センサーながら最高レベルのダイナミックレンジを実現。AFは一部の競合他社ほどではないものの、将来的な改善に期待とのこと。
DPReview:Fujifilm X-T5 in-depth review
- クラストップの高解像度センサー、時間をかけて熟成されたデザイン、そして(ファームウェアによって)年を重ねるごとに良くなることを期待する優秀なAFシステム。
- スチルフォトグラファーにとって2023年で最も優秀で最も楽しいAPS-Cカメラの1つだ。
- APS-Cの画質としては、同じ4000万画素センサーを搭載するX-H2だけが、X-T5の解像性能に匹敵する。
- RAWのダイナミックレンジも最高レベルで、JPEGは豊富な「フィルムシミュレーション」で、どちらの出力でもユーザーを魅了することができる。
- ビデオグラファーにとって、X-T5の4Kおよび6.2K出力は、クロップのためにディテールとクオリティが制限される。Xマウントの動画クオリティで最高を求めるなら、X-H2Sや、ローリングシャッター強めだが8K対応のX-H2を検討したほうが良いだろう。
- 4Kだけで言えばX-T4も検討する余地がある。
- X-T5のAF性能は、クラスリードのカメラには少し及ばないものの、概して非常に良好だ。(訳が間違っていたので一部修正しました)
- 顔・瞳検出、被写体別追尾モードは意図したとおりに動作する。ただし、複数の顔があるシーンではAFが不安定となってしまう。
- 非被写体別AFは信頼性の高い方法だが、連続撮影中の被写体を追従するには信頼性が十分と言えない。
- X-T5は富士フイルムと熱烈な顧客とのオープンな対話の結果だ。富士フイルムの最も高性能なスチルカメラでありながら、これまでテストした中で最も優れたAPS-Cカメラの1つとなった。このような理由から、金賞に値する。
FUJIFILM X-T5は、スチルカメラマン向けのAPS-Cカメラとして、我々のお気に入りのカメラだ。スピーディで、デザインも良く、クラス最高レベルの画質。しかし、動画の画質は強みと言えず、AFシステムはこの価格帯でより信頼性の高い選択肢が存在する。
競合機種の比較
- X-H2:
動画の優先順位が高くないのであれば、X-T5を購入した方が数百ドル節約できる。両者とも同じ画質で、同じハイレゾモードとAFシステムを搭載。- X-T4:
X-T5はスチル撮影者にとって機能面で素晴らしい進化が見られる。デザイン面では原点回帰と言える。高解像度センサー、EVFの倍率、バッテリーライフ、バッファーの改善、そしてボディのコンパクト化。X-T4は万能モデルを目指していたため、動画派にはX-T4の方が4K動画撮影に適していると思われる。- EOS R7:
X-T5と同様に連続撮影が高速で、バッファが深く、バッテリーの持ちも良く、すべてにおいて価格が抑えられている。富士フイルムよりも使いやすく、AFの信頼性も高い。ただし、X-T5のような豊富なマニュアル操作、カスタマイズ、スタイリッシュな外観に欠ける。また、EVFの解像度が低く、ハイレゾモードもない。- α6600:
使い勝手の面で、ソニーの方がより分かりやすいプラットフォームで、AFシステムは(一度正しくセットアップすれば)非常によく機能する。画質は富士フイルムほどではないにせよ良好だ。ただし、4K動画ではローリングシャッターが顕著に見られる。また、富士フイルムのような静止画中心のダイヤルや豊富なカスタマイズ性に欠ける。さらに、富士フイルムほど高速で撮影することができず、EVFも見劣りする。全体的に価値のある撮影体験ではなかった。
とのこと。
X Summit TOKYO 2022でお披露目した際も「写真撮影を重視したカメラ」であることを強調しており、動画撮影も強化されたハイブリッドのX-H2とは一線を画すコンセプト。まさに原点回帰。X-T4(で動画撮影もするユーザー)からアップグレードするのであればX-H2が適しているかもしれませんが、スチルユーザーであればX-T5が良さそうですね。AFシステムはまだ改良の余地を残しているものの、富士フイルムらしく改善ファームウェアによる段階的な進化に期待したいところ。
センサー性能も良好で、4000万画素ながらダイナミックレンジにデメリットが無いのは凄い。中~高ISO感度でノイズが目立ち始めるとしつつも、それでもキヤノンやソニーよりも良好とのこと。高ISOを重視するのであれば、X-Trans CMOS 4か、X-Trans CMOS 5 HS搭載モデルのほうが良いかもしれません。また、将来的に4000万画素の解像度を必要としないユーザー向けに、解像度を抑えたRAW出力が可能になると良いですねえ、
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