Digital Camera Worldが富士フイルム「X-T5」のハンズオンレビューを公開。X-H2との違いを指摘しつつ、伝統的な操作性を備えた美しく軽量なカメラを求める静止画ユーザーにとっては理想的なカメラと評価。
Digital Camera World:Fujifilm X-T5 hands-on review
ビルド・外観:
- 記載なし。
バッテリー:
- X-Processor 5搭載により、X-T4よりも約20%の電力効率が向上。バッテリー駆動時間はエコノミーモードで740コマと飛躍的に伸びている。
インターフェース:
- マイクロHDMI端子、3.5mmマイク端子、X-T4と同様にSD UHS-IIカード2枚用のスロット(X-H2SはCFexpress Type BとUHS-II SDメモリーカードスロット)を搭載している。
携帯性:
- 他のどの機種よりもX-T1に近い。
- 重量は、X-T4より50g軽く、X-T1より100g重い(新しい手ぶれ補正機構を搭載しているため)。
- 手に持っても重さを感じないし、ストリートフォトや旅行に最適な重さだと思う。
グリップ:
- とても良い感触のグリップがあるが、例えば150-600mmよりもコンパクトなレンズで使う方がはるかにバランスを取りやすい。
- 幸いなことに、MHG-XT5メタルハンドグリップを129.00ポンドで別途購入できるオプションがあり、大きなレンズでカメラを保持しやすくなるはずだ。
操作性:
- 操作性は従来機とほぼ同様で、マニュアルダイヤルを適切な位置に配置することで、撮影の主導権を握ることを可能にしている。
- カメラ上部には、シャッタースピード、ISO、露出補正を設定する3つのダイヤルがある。
- シャッタースピードダイヤルの下部には静止画と動画の切り替えスイッチがあり、ISOダイヤルの下部に撮影モード(連写、シングルなど)の切り替えが可能だ。
- 他のX-Tシリーズと同様、設定内容を表示するサブ液晶モニタは無い。
- 「伝統的な写真撮影」という考えをお持ちなら、露出設定やコントロールをより慎重に考えるという意味で、ダイヤルレイアウトは適しているはずだ。
- カメラの設定がダイヤルで常に目に見え、触ることができ、さらに電源を入れずに変更できることを意味している。
- 一眼レフカメラと違ってモードダイヤルがないので、最初は戸惑うかもしれないが、練習すれば慣れるものだ。
手ぶれ補正:
- 最大7段分の5軸ボディ内手ブレ補正を搭載している。
- 補正機構を利用してカメラのイメージセンサーを高精度にシフトさせる「ピクセルシフトマルチショット」で1億6000万画素の画像を生成することができ、アーカイブ写真や商品撮影に最適だ。
(訳注:合成にはパソコンの専用ソフトで合成処理が必要です)ファインダー:
- 記載なし。
モニター:
- 記載なし。
メニューシステム:
- 記載なし。
フォーカスシステム:
- X-Trans CMOS 5 HRセンサーは、X-T4よりも位相差画素数が多く、風景写真やポートレートなどのジャンルにおいて、高周波数の被写体にAF-Sでピントを合わせやすくなっている。
- また、AF予測アルゴリズムの改良により、AF-Cモードでのピント合わせがより安定するようになり、オートフォーカスが向上した。
- ディープラーニングにより、動物、鳥、車、バイク、飛行機、列車を検出できるようになり、今後のファームウェアアップデートでさらに多くの検出が可能になる可能性がある。
連写性能:
- 記載なし。
解像性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- 記載なし。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
画質・仕上がり機能:
- 10bitの高画質でありながら、JPEGより30%ファイルサイズが小さいHEIF画像フォーマットなど、静止画のための機能も充実している。
- 肌色を自動的になめらかにする「スムーススキン効果」や、ディープラーニング技術に基づく「AWB」も搭載している。
- 19種類のフィルムシミュレーションプリセットがあり、写真フィルムを(かなりうまく)エミュレートするように設計されている。
動画:
- ハイブリッドカメラと銘打っていないが、動画機能に関して負けていない。
- 4:2:2 10bit カラー、6.2K 30p動画に加え、6.2Kオーバーサンプリングによる4K HQモードも搭載し、高画質な動画が得られる。
- F-Log2というF-Logより広いフォーマットに対応し、ダイナミックレンジを13段以上まで拡大することができる。
- RAW動画出力は12bit Apple ProRes RAWとして最大6.2K、最大29.97fpsのフレームサイズで記録できる。しかし、ATOMOS HDMIデバイスと組み合わせた場合の話だ。
- Blackmagic Design Video Assist 12Gsでは、カメラから出力されたRAW映像をBlackmagic RAWとして最大6.2K、29.97fpsで記録することが可能だ。
- 動画モードには新しいメニューが追加されている。
総評
X-T5は、画期的というより進化的なカメラだ。本格的な写真愛好家を第一に考えた、古典的な一眼レフスタイルのカメラである。伝統的な操作性を備えた軽量なカメラを求める撮影者に最適だ。優れた4020万画素、10bit 4:2:2 6.2K 30p動画、3Wayチルトモニターを搭載している。
X-H2とX-T5はセンサーとプロセッサーが同じなので、なぜX-H2ではなくX-T5を購入するのか不思議に思うかもしれない。しかし、X-H2にはモードダイヤルがあり、X-T5にはシャッターダイヤルがあるため、この2つのカメラのエルゴノミクスには大きな違いがある。
また、X-H2はより大きなバッファ、より優れた動画機能、8Kまでの撮影が可能で、より良いビューファインダーを搭載している。高速書き込みが可能なCFexpressカードスロットも搭載。しかし、X-H2は200ポンドほど高価である。
つまり何を求めているか、何を撮るかでカメラを選ぶことになる。X-T5は、見た目も操作性も、より「伝統的な」愛好家向けカメラであり、X-H2はプロ向けだ。どちらも富士フイルムXマウントレンズを使用できる。
発表会でサンプル機を使った限りでは、FUJIFILM X-T5は、X-Tシリーズにとって歓迎すべき進化を感じられるカメラだ。伝統的な操作性を備えた美しく軽量なカメラを求める撮影者にとっては理想的なカメラとなるだろう。
- 長所:
・10bit 4:2:2 3.2K 30p
・小型軽量
・X-H2よりも安い- 短所:
・3Wayチルトモニタは万人向けではない
とのこと。
X-T4は従来のX-Tユーザーにとって大きすぎる、重すぎる、バリアングルと言った点が不評と耳にしますが、X-T5ではそのあたりを改善したカメラとなっているみたいですね。4000万画素の画像データは少し重すぎるようにも感じますが、連写を重視しなければクロップやトリミング耐性の高い高解像な画像データが役に立つかもしれません。(とはいえ、ソニーやニコンのようにM RAW・S RAWが欲しいところですが…)
関連カメラ
関連記事
- 富士フイルムがAFを改善する「X-T5」「X-S20」「X-T50」「X100VI」用の最新ファームウェアを配信開始 2024年12月19日
- 富士フイルム X-T5 XF16-50mmレンズキット 予約販売開始 2024年7月19日
- 富士フイルムが第五世代Xシリーズに「REALA ACE」を追加する最新ファームウェアを公開 2024年6月27日
- 数日後のアップデートでX-T5にリアラエースが実装される? 2024年6月23日
- 「X-T50」と「X-T5」の外観やスペックの違い 2024年5月18日
- FUJIFILM X-T5が販売店で注文不可となる 2024年5月3日
- 富士フイルム X-T5 XF18-55mmレンズキット が生産完了 2024年4月26日
- 富士フイルムが「X-T5」「X-S20」「X100VI」用ファームウェアアップデートを公開 2024年4月25日
- 富士フイルムがXシリーズのカメラ・レンズ・アクセサリの最新ファームウェアを公開 2024年1月23日
- FUJIFILM X-T5 シルバー ボディ/レンズキットの受注再開 2024年1月19日