Phototrendが富士フイルム「XF23mmF1.4 R LM WR」のレビューを公開。18mmほどの切れ味ではないものの、ボケが綺麗で魅力的と評価。AFは高速ながら、最大限に活かせるのはX-H2Sのみと言及。
Phototrend:Test Fujinon XF 23 mm f/1,4 R LM WR : une focale populaire renouvelée avec brio ?
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- 前バージョンと比べると、金属感がかなり薄れているが防塵防滴仕様だ。
携帯性:
- ミニマルデザインと小型化により、X-Pro 3やX-T4などのグリップがないにもかかわらずバランスが取りやすい。
- 上の組み合わせは800〜900gに収まり、長時間の取材でも持ち運びしやすいバランスの良いセットだ。
操作性:
- 今や伝統となった1/3段刻みの絞りリングと、Aポジションのロックボタンがある。
- 初代レンズでは、リングが不用意に動きやすいという懸念があったが、Aポジションのロックで解決した。
- マニュアルフォーカスに切り替えるためのクラッチ機構がなくなった。
- AF/MFを切り替えるには、M/C/Sスイッチを使用する必要がある。カメラによってはボタンに機能を割り当てなければならない。
- このレンズは、ストリートフォトグラファーを主なターゲットとした焦点距離のため、素早く操作できるフォーカスクラッチは重要で、ピント距離表示も役に立つ。フォーカスが電子的になり、回転は非常にソフトで、正確とは言えない。
フォーカス:
- リニアモーターはとても静かで、使うのが楽しくなる。
- 滑らかな動作に加え、フォーカスブリージングも感じられないことから、動画用に設計されているように見える。
- 低照度下での撮影でも特に問題はない。
- インナーフォーカスのため全長に変化はない。
- 残念ながら、オートフォーカス時にフォーカスリングでピントを調整することができない。
- 全体的にAFは効果的で、XF18mmに近いレスポンスの良さだ。被写体がフレーム内で速く移動しない限り、高速かつ効果的だ。
- AFをフルに活用できるのは、今のところX-H2Sのみだ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 絞り開放から中心部のディテールが非常に高い。前モデルから目を見張る解像度の向上だ。フレーム隅でも物足りなさを感じない。
- その後もシャープネスは向上し、均質性が最大となるF2.8では驚くほどの切れ味だ。大胆なクロップも可能となる。
- F2.8以降はシャープネスが低下する傾向にある。F4とF5.6では非常に良い状態を保っているが、F8では低下を感じるようになる。
- ここでいう「低下」は相対的なものであり、なお性能は良好だが、絞り開放に比べるとパンチがない。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 魅力的なボケ味で雑味がない。
- APS-Cセンサーと比較的広い焦点距離にもかかわらず、平面を分離する能力に魅了された。
色収差:
- 色収差は良好に補正されちえる。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 良好に補正されているように見える。
- レンズプロファイルが適用されているが、著しい劣化は見られない。
周辺減光:
- 良好に補正されているように見える。
- レンズプロファイルが適用されているが、著しい劣化は見られない。
コマ収差:
- コマ収差と非点収差は僅かに残っている。
- F1.4での天体写真はこれらに悩まされるが、F2以上で目に付くことは無い。
- この点は、同世代の18mmが優れている数少ないポイントだ。
逆光耐性:
- 逆光耐性は最高と言えないものの、過度に心配するほどでもない。
- 逆光時のコントラスト低下は非常に限定的だ。
- 絞った際の光条は18mmや33mmよりもさらにシャープで長い。
競合レンズと比べて
- 949ユーロという価格はAPS-C単焦点としてはかなり高い。
- XF 23mm F1.4 R(非WR)
生産終了しているがまだ新品を手に入れることが可能だ。絞り開放のシャープネス欠如、非常に柔らかい絞りリング、目に見える色収差が欠点となり、これらの点は新バージョンでは修正されている。価格差を考慮すると新モデルを選ぶ価値がある。一方、前モデルの中古品は約500ユーロで販売され、非常に高い人気を誇っている。- XF23mm F2 R WR
防塵防滴であること、AFが高速であることが利点だ。そして449ユーロとお求めやすい。ただし、本レンズとの差はF値と解像度だ。と言っても、F4やF5.6まで絞れば匹敵するシャープネスを持つ強力なレンズである。重さは180gで、旅行先でも納得のいくソリューションだ。- 18mm F1.4 R LM WR
これまでテストした富士フイルムのレンズの中で、最もシャープなレンズである。静止画でも動画でも驚くほどパワフルだ。ボケ味は23mmに比べるとややクリーミーさに欠ける。- VILTROX 23mm F1.4 AF
F1.4の中央はコントラストがやや足りず、色収差とフレアが少し目立つが、F4以降は富士フイルムのレンズと見分けがつかなくなる。総評
私たちが愛してやまないコンパクトなサイズで、非の打ち所のない作り、効果的なオートフォーカスを兼ね備えている。シャープネスは18mmと全く同じレベルではないが、これは経験者のみぞ知るところだ。その一方で、少し柔らかめのボケ味に満足することだろう。
汎用性の高い(換算)35mmレンズに慣れているのであれば、949ユーロの値札に納得できるのであれば、日常的に使うことができるレンズとなるだろう。
あえて批判するならば、リニアモーター駆動を活かせるカメラが少ないことだ。X-T4やX-Pro3のAFでは不十分でX-H2Sに移行せざるを得ない。
- 長所:
・F1.4
・良好な解像性能
・ビルドクオリティが素晴らしい
・防塵防滴
・小型軽量- 短所:
・MFクラッチがない
・中程度の絞りでシャープネス低下
とのこと。
18mmF1.4 WRほどの解像性能ではないものの、ボケとのバランスが良く、使い勝手のよい23mmF1.4に仕上がっているみたいですね。X-Pro3との組み合わせもなかなか良さそう。AFはX-H2Sと組み合わせた際に最も良好となるとのことですが、同じ世代のX-H2やX-T5との組み合わせでも十分良好なのか気になるところ。従来と比べて複雑な光学設計を採用しているので、どうしても逆光に弱くなってしまうのは避けられないようです。
富士フイルム XF23mmF1.4 R LM WR 最新情報まとめ
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