Dustin Abbottがフジフイルム「XF8-16mm F2.8 R LM WR」のレビューを掲載しています。
スポンサーリンク
万人受けするレンズでは無いが…
- とても大きなレンズだ。特にAPS-C用であることを考慮すると特にそう感じる。全長は約4.78cm、重量は805gだ。大きいレンズだがビルドクオリティは素晴らしい。
- フルサイズに換算すると12-24mmに相当する画角を持つが、フルサイズのようなF4ズームと違い口径はF2.8である。広い画角に明るい口径が組み合わさっているため、レンズの大型化は避けて通れない道だっただろう。X-T3にグリップエクステンションを装着するとバランスに問題を感じなかった。
- もし大口径・広い画角が必要なければ「XF10-24mmF4 R OIS」はフィルター装着可能で手振れ補正を搭載する素敵な代案となるはずだ。
- 「XF10-24mmF4 R OIS」のようなステッピングモーターでは無く、リニアモーターを搭載しており、オートフォーカスはより高速で静かな動作だ。
- 美しい風景写真を撮ることは出来るが、存在理由は他のところにあるはずだ。フォトジャーナリストやウェディングフォトグラファー、イベントフォトグラファーのために設計されたレンズである。
- ズームリングは滑らかで良好な抵抗感を持つ。ズーミングにより前玉が前後するが、外筒内で完結するためレンズ全長は一定だ。
- フォーカスリングは従来通りバイワイヤ式の制御となっている。ハードストップが無いため使い辛い。ただし、フジフイルムにはマニュアルフォーカスを補助する多くの機能を備えている。
- X-T3との組み合わせではオートフォーカスは低照度な環境でもうまくいく。駆動音はとても小さく、ピントが少し迷った時に僅かに「かすれた音」が聞こえるかもしれない。
- 動画撮影ではキヤノンDP CMOS AFやソニー第3世代ほど滑らかなAFでは無いが、それでも動画撮影に使えるAFだ。ただし、このレンズを支えるジンバルは小型モデルでは対応できないかもしれない。
- 画質に関する欠点は僅かだ。8-16mmの大部分の領域は常にシャープだが、8-10mmの四隅の端では大きな差があること(F5.6まで絞ると非難するほど悪く無い)。プロファイルを適用しないRAWファイルでは陣笠状の歪曲収差が残続することなどがある(歪曲は内蔵プロファイルでほぼ修正できる)。
- 色収差の補正は完璧だ。
- 8mmでも16mmでもコマ収差はとても小さい。
- 一部の極端な状況ではゴーストを目にする機会があったが(かなり絞った状態)、多くの状況では逆光耐性は良好なようだ。
- シャープネスは8mmでF4がピークとなり、それ以上絞っても改善しない。16mmではF5.6でも少し改善する。画質向上でそれ以上絞る理由は見当たらない。
- コントラストはどの絞り値でも優れている。
この焦点距離と明るさを必要とする人は限られてくるはずだ。そして全員がこの種のレンズに費やせる予算を持っている訳では無い。明るさや画角の広さを重視し、金額に糸目をつけないのであれば、このレンズはあなたを幸せにしてくれるはずだ。大きく重く高価なレンズだが、それ以外に文句を付ける点は無い。
F2.8ズームのサイズと重量は風景写真家には多少無駄なものと感じるだろう。これはウェディングフォトグラファーやビデオグラファーが真剣に検討すべきレンズだ。
長所:充実した耐候性・美しいデザイン・リニアモーターの静かなAF・美し演色性・四隅を除く大部分が絞り値全域でとてもシャープ・ほぼ完璧に補正された色収差と周辺減光・とても小さなコマ収差・うまくデジタル補正された歪曲収差
短所:四隅はとてもシャープにならない・8mmのRAWでいくらか陣笠状歪曲がみられる・手うbレ補正無し・高価・一部の状況でゴーストが発生・一般的なフィルターは使用不可
とのこと。
海外では評価が分かれているレンズですが、Dustin Abbottは全体的に肯定的な評価となっています。RAWの歪曲収差を指摘するレビューを散見しますが、埋め込まれたプロファイルをそのまま適用するとほぼ問題無く使うことができそうですね。
逆光耐性はこの種の出目金レンズとしては良好な印象。さすがにゴースト皆無とはいかないようですが、目立つレンズフレアが発生していない点は評価できるのでは無いでしょうか。
「風景写真用としてはサイズが大きい」と述べていますが、画質が向いていないと述べている訳では無い点に注意。実際、FlickrのXF8-16mm専用Groupページには数多くの風景写真の投稿があります。星景写真や一般的な風景写真まで色々と投稿されているので参考になるかと思います。(Flickrの仕様変更でだいぶ投稿数が減ってしまったように感じますが…。)
XF8-16mm F2.8 R LM WRのレビュー・作例を集めているページはコチラ
スポンサーリンク
購入早見表
関連レンズ
サイト案内情報
フジフイルムレンズ関連記事
- XF500mmF5.6 R LM OIS WR 絞り開放から最高水準の光学性能
- 富士フイルム XF16-55mmF2.8 R LM WR II 予約販売開始
- 富士フイルム XF500mmF5.6 R LM OIS WR 予約販売開始
- XF500mmF5.6 R LM OIS WR 驚くほど軽量で絞り開放から素晴らしい結果
- 富士フイルムGFレンズ 5万円キャッシュバック対象製品早見表【2024冬】
- 富士フイルムXシリーズボディ・レンズ 最大4万円キャッシュバック【2024冬】
- 富士フイルム XF16-55mmF2.8 R LM WR 生産完了
- XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ これと言った欠点のない優れたパワーズームレンズ
- 富士フイルム レンズ固定式GFX用と思われる「35mm F3.5」「40mm F3.5」「50mm F3.5」光学系の特許出願
- XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR は前モデルから明らかに改善している
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。