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M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0 交換レンズレビュー

このページではオリンパスの交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」のレビューを掲載しています。

レンズのおさらい

「M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0」は2011年に登場したマイクロフォーサーズ用交換レンズ。当時はまだPROレンズが登場しておらず、交換レンズの多くは小型軽量で安価なズームレンズでした。

単焦点レンズは17mm F2.8やパナソニックの45mm F2.8や20mm F1.7、8mm F3.5くらいだったはず。

そんな中で登場したのが趣味性の高いこのレンズ。金属外装スナップショットフォーカス機構を導入した高価なマイクロフォーサーズ用レンズとして注目を浴びました。

焦点距離 12mm(35mm判換算 24mm相当)
最大口径比/最小口径比 F2.0 / F22
レンズ構成
画角 84°
AF方式 ハイスピードイメージャAF(MSC)
最短撮影距離 0.2m
最大撮影倍率 0.08倍(35mm判換算 0.16倍相当)
最近接撮影範囲 216 × 162mm
絞り羽枚数 7枚(円形絞り)
フィルターサイズ Ø46mm
マウント規格 マイクロフォーサーズシステム規格
大きさ 最大径×長さ Ø56×43mm
質量 130g

レンズ構成は「DSAレンズ1枚、非球面レンズ1枚、スーパーHRレンズ1枚、EDレンズ1枚」を含む8群11枚。このサイズのレンズとしては珍しく、特殊レンズを惜しみなく使っているようです。

さらに当時としては新しい「ZEROコーティング」(今はさらに新しいZコーティングNanoが存在します)を採用していたりと、光学設計にはかなり力が入っていたようですね。

製造コストは金属外装・特殊硝材に使われてしまったのか、残念なことに付属品が全くありません。この価格帯のレンズとしては残念。

中古レンズの見分け方

カラーバリエーションはシルバーが最も古く、リミテッドエディション、ブラックと続きます。リミテッドエディションは限定生産のため、おそらく2012年付近。

シルバーとブラックは今も生産が続いているため判断は難しいですが、製造国が「日本」→「中国」→「(おそらく)ベトナム」と移っているので判断しやすいかと思います。(現状で流通しているのは中国製が最も多いはず)

ちなみにリミテッドエディションの製造国表記は鏡筒右側。シルバーも「日本」の場合は同じ部分に表記されているはず。中国以降はマウント面へ移動しています。

レビュー

外観

現行の黒を基調としたデザインでは無く、従来タイプのPREMIUMレンズ用デザインの箱。

前述した通り、付属品皆無のため箱は非常に小さい。せめて金属製キャップくらいは付属して欲しかったところ。

箱の中にはレンズの他にプラスチック製の前後キャップと説明書・保証書が同梱。

さっそくレンズを手に取ってみると、17mm F1.8と同じく、しっかりとした金属外装ながら小型軽量で携帯性がとても良好なレンズであることが分かります。

12mmでこの携帯性とF2の明るさを実現しているのは素晴らしい。屋内でシャッタースピード1/200~1/320秒を維持してもマイクロフォーサーズで許容できるISO感度に抑えることが可能です。

購入したのはブラック。いぶし銀が映えるシルバーモデルと異なり、マットブラックな仕上がりはプラ鏡筒と見た目でそこまで差がありません。シルバー買っておけばよかったなぁ…。

そう言う訳で17mm F1.8シルバーとの比較。

やはり個人的にはシルバーが断然おススメ。

前玉は固定され回転しません。フィルター径は46mmとマイクロフォーサーズではスタンダードなサイズなのでC-PLやNDを使いまわしやすい。

マウント面を確認すると、製造国は中国。当初は長野県の辰野工場で生産していたようですが、いつの間にやら中国製となっていたようです。今では中国深センの工場も閉鎖されてしまいましたので、新しいロットはベトナム製となっているのかも。

後玉はおよそ20mm幅でマウント面と同じレベルで固定されています。

操作

1cm幅のフォーカスリングは程よく抵抗感を持ち滑らかに動作。

カメラ側でAF/MFを切り替えるとハードストップの無いフォーカスリングとして、スナップショットフォーカス機構でリングを手前にスライドさせると回転角約110度のフォーカスリングとして機能します。

スナップショットフォーカス機構の使用感は特筆すべき項目。

この機構はPROレンズの「マニュアルフォーカスクラッチ」の滑らかピント移動と異なり、段階的にピントが移動する仕組みとなっています。

耳を澄まして駆動音を確認してみると、0.2m~0.5mの間はおよそ6段階、0.5m~無限遠が9段階ほど。段階的なフォーカシングは被写界深度が狭い接写では使い辛く(ピント領域がジャンプして微調整できないため)、主にスナップ撮影で使う機能となるでしょう。

被写界深度指標が「F5.6・F11・F22」と表示されていますが、かなり見づらいのでオリンパス公式の被写界深度表を参考にすると良いかもしれません。

ちなみにカメラ側の制御でMFモードを利用すると、最短撮影距離「0.2m」を飛び越えて、0.15mほどまで寄ることが可能です。

別売り(なんと7千円近い)の金属製角形フードは逆さ付け可能。ただし、逆さ付けの場合はフォーカスリングがスッポリ覆われてしまう上に見た目も良くありません。

フードの内側に植毛はされていませんが、反射防止のマットな塗装が施されています。

正直に言うと、フードが無くても逆光耐性は良好なレンズです。プロテクトフィルターなどを装着してフィルター由来のフレアやゴーストが気になる場合を除き、特にフードの必要性は感じません。

カメラとの組み合わせ

遠景解像

中央解像

回折の影響が目立ち始めるF16まではどの絞り値でも許容範囲以上のパフォーマンを発揮。

敢えて言えばF5.6前後が最も良好。

周辺解像

基本的に像高7割までは中央と似たパフォーマンスを維持しているものの、そこから外側はやや甘い。

これは少し絞る程度では改善せず、F5.6までは絞らないとシャープさがいまいちパッとしない。中央解像は少し低下しますが、フレーム全域の均質性を重視するのであればF8-F11がおススメ。

後述しますが、像面湾曲が影響しておりピントを四隅に合わせると少し良くなる。

作例

画像リスト Flickr

mzd12mm-res-list

ハイレゾ遠景

やはり中央はシャープ。80MPの出力でも絞り開放から良好な性能です。

四隅はF5.6まで絞っても中央との解像差が気になる傾向。アスペクト比を3:2や16:9に設定して使うと、解像の甘い領域をカットして使うことが可能。

像面湾曲

ピント位置を四隅に配置することで絞り開放の解像性能が僅かに向上する。中央は元から良いので、多少四隅にピントの山を持っていかれたところで結果は良好。

遠景解像でフレーム全域を写す場合にはフレーム隅にピントを合わせたほうが良いのかもしれません。

ピント隅:ピント中央

ボケ

1m

12mm F2という性質上、1m離れるとボケ量は非常に小さくなります。

視線誘導にはまだ使えるかもしれませんが、背景と被写体を完全に分離することは出来ません。

ボケ量は置いておくとして、ボケ質は(12mmとしては)なかなか良好。小ボケ領域が乱れず、癖が少ないため背景が騒がしくなりにくい。

30cm

ここまで寄ると背景はそこそこボケる。

この距離でも癖のないボケであり、四隅まで乱れがありません。24mm画角のレンズとしては良好。

非球面レンズを使用していますが、玉ねぎボケの傾向が無い点もGood。

接写

さらに近寄ると12mm F2でもそれなりボケ量を稼ぐことが可能。

ブリージングが少ないため、純粋に12mmな画角の接写を楽しむことが出来るように感じます。

ボケ量が多くなっても、ボケの縁撮りが強調されないためかなり見栄えの良い後ボケとなっています。

コマ収差・光条

像高8割までは良好ですが、そこから外側でやや目に付くコマ収差がF2.0で発生。酷くは無いけど変形していると気が付くレベル。

F2.8まで絞ると大きく低減し、F4まで絞るとほぼ解消。イルミネーションのように強烈な光源ではコマ収差の変形が見られるものの、星景程度の光であればそこまで目立たないかもしれません。

光条はF5.6から徐々に生成され、回折が目立たないF8~F11でも十分キレイ。F16-F22はさらに光条が大きくなるものの、回折の影響が増加。

周辺減光・歪曲収差

周辺減光補正をオフにして撮影。

F2.0で僅かに減光が発生するものの、F2.8まで絞ればほぼ解消。このサイズと明るさのレンズにしては良好と言えるでしょう。

自動補正が適用されるため光学的な歪曲を確かめる方法が無い。海外の評価を見る限りではRAWで大きな歪曲が発生、しかし補正後の画像を見る限りでは特に問題ありません。

逆光耐性

オリンパスのレンズとしては逆光に強いレンズ。17mm F1.8と同じくほぼゴーストフリー。

パーフェクトでは無いものの、よほど強い光源をフレーミングしない限り問題とはならないはず。

まとめ

Points

  • Good:小型軽量
  • Good:ハイクオリティな金属鏡筒
  • Good:スナップショットフォーカス機構
  • Good:高速オートフォーカスで動作音が僅か
  • Good:絞り開放からシャープな中央~周辺部の画質
  • Good:軸上色収差・倍率色収差が少ない
  • Good:この画角のレンズとしてはボケが綺麗
  • Good:周辺減光が少ない
  • Good:高い逆光耐性
  • Bad:付属品が少ない
  • Bad:開放付近でやや甘い四隅の画質
  • Bad:僅かに像面湾曲がある
  • Bad:開放で四隅のコマ収差が少し目に付く

評判に違わぬ小型軽量でプレミアムなコンパクトレンズ。

正直に言うと、解像性能は「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」や「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0 ASPH.」を絞って使った方が伸びる。(12-100PROに限って言えば絞る必要もない)

ただ、この手のひらサイズでF2の明るさと12mmの画角を備えたレンズは他に無い。それがこのプレミアムな鏡筒と実用に耐えうる画質を伴っているのだから買わない理由は価格設定くらいしか見つからない。さらにフードが付属していれば尚よかった。

もし、購入を検討中でこのレビューをご覧になっているのだとしたら一つ忠告。

ある程度ボケ量が欲しいのであれば「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」「LEICA DG SUMMILUX 15mm/F1.7 ASPH.」のほうが圧倒的に適しています。12mm F2は本当に接写しないとボケません。換算24mmでボケが必要なら素直にラージフォーマットセンサーのカメラかパナソニック「LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.」をチョイスするのが無難でしょう。

一方でF2の明るさと被写界深度の深さを活かした撮影に便利。携帯性の良さと相まって家族写真やスナップ、ストリートフォトに適していると感じるレンズ。

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