IMAGING RESOURCEがニコン「Z fc」のレビューを公開。部分的にカメラの質感や操作性を指摘しているものの、価格は適正で画質やオートフォーカスは良好、そしてスタイリッシュなデザインと評価しています。
IMAGING RESOURCE:Nikon Z fc Hands-on Review
カメラの紹介:
- ニコン最新のミラーレスZカメラだ。最新のミラーレス技術が詰まっているが、外観はフィルム時代を彷彿とさせるデザインである。
 - 2090万画素のAPS-C CMOSセンサーを搭載し、EXPEED 6プロセッサで画像を処理している。基本的にはZ 50と同じで、AFも同様に209点のハイブリッドAFシステムに対応している。ただし、いくつかの違いが見られる。
 ビルド・外観:
- 昔ながらのカッコいい外観だが、古いフィルムカメラほど頑丈な金属パーツの質感は得られない。全体的に、特に下部は少しプラスチッキーな感触である。
 - 底面にはSDカードスロットとバッテリースロットがある。これは三脚に搭載した際に問題となるかもしれない。
 - ダイヤルの質感は良好で、頑丈な作りだ。とても気に入っている。ファインダー左にはISOダイヤルがあり、右にはシャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルがある。
 - いくつかの点で輝きのないZ fcだが、素晴らしいデザインと使いやすさのカメラだ。スタイリッシュでもあり、個人的にはZ fcの見た目が気に入っている。
 - 起動速度や写真の再生速度は高速だ。
 - 小型のEB-EL25バッテリーを使用しており、撮影枚数はわずか300枚だ。
 - USB-Cポート経由で電源を供給することも可能である。
 携帯性:
- 134.5×93.5×43.5mmのカメラサイズはZ 50よりも幅広いが、16.5mm薄くなっている。
 - 重量はZ 50よりも5g軽量だ。
 グリップ:
- 記載なし。
 操作性:
- ISOダイヤルにはISOオート機能が無い。これはZ fcにおけるユーザービリティ最大の不満の一つだ。役に立たない拡張感度「H2」よりも「Aポジション」を配置して欲しかった。
 - ダイヤルを操作するには中央のロックボタンを押し続ける必要がある。
 - シャッタースピードダイヤルもロックされているが、自由に回転可能だ。
 - 露出補正ダイヤルはロックされていない。
 - シャッタースピードダイヤルと同軸で静止画/動画の切替スイッチがある。
 - カメラ上部にはF値を表示する液晶小窓がある。
 - レリーズボタンはきちんとした感触だ。
 - AFエリアの操作はマルチセレクターを使用する。AFジョイスティックはない。
 手ぶれ補正:
- ボディ内手ぶれ補正が無いが、電子手ぶれ補正を利用可能である。(動画)
 ファインダー:
- ファインダーはとても良好だ。236万ドットの解像度を備えた0.39型のOLEDパネルを使用している。
 - 十分にシャープで、良好に機能する。
 - アイカップがもう少し大きく柔らかいと良かった。
 モニター:
- バリアングル式の背面モニタは便利だ。三脚に搭載する時はこの方式が最適である。自撮りにも対応しており、動画撮影にも適している。不必要な時は裏返して保護することも出来る。
 メニューシステム:
- 記載なし。
 オートフォーカス:
- Z 50と同じAFシステムを搭載。209点のハイブリッドAFは水平87%、垂直85%をカバーしている。
 - 様々なフォーカスエリアもードはうまく機能する。
 - 瞳検出は人・動物どちらもで良好だ。
 - 動画撮影時の瞳検出に対応している。これはZ 50からの進化ポイントだ。
 - Z fcのAFは低照度や困難な状況でもほぼ正確でキビキビとした動作である。
 - Z 7やZ 6のAFジョイスティックを搭載していると尚良かった。タッチAFも利用可能だが、ファインダー使用中は利用できない。
 連写性能:
- 12bit RAW使用時は最大で11コマ秒の連写撮影が可能だ。
 - 14bit RAWの場合は9コマ秒まで低下する。
 - ソニー製SDカード使用時に、バッファが詰まるまで12bit RAWを45枚まで撮影できた。
 画質:
- 2090万画素のAPS-Cセンサーは長い間使われているものだ。裏面照射型ではないものの、様々なISO感度設定で優れた画質を実現している。
 - 常用ISO感度は100-51200だが、ISO204800まで拡張可能だ。
 - 低ISO 100-800ではシャープな画質でノイズも少ない。
 - 高感度でも画質は良好だが、当然ながらノイズは増加する。
 - ISO 10000を超えても画質に問題は無い。ISO 11400では細部がかなり損失するものの、特に小さいイメージサイズでは引き続き使用可能だ。
 - ダイナミックレンジも良好だ。
 仕上がり:
- Z fcには約30個のカラープリセットが存在する。
 - 私は「ピクチャーコントロール オート」に固執したが、これで多くの状況はうまくいった。
 - オートホワイトバランスも良好だ。
 - 色は鮮やかで、良好な肌調である。自然シーンでは特にブルーとグリーンの描写が好みだ。
 動画:
- 4K UHD 30pまで対応している。
 - APS-C全幅を使用し、全画素読出しで4K UHDを撮影可能だ。
 - FullHDで最大120pを利用できる。
 - 4Kの画質はかなり良好だ。
 - ローリングシャッターは大きな問題とならない。
 - ボディ内手ぶれ補正が無いが、電子手ぶれ補正を利用可能である。
 - HLGやログの出力には対応していない。
 総評
Nikon Z fcは、Zラインナップに加わった堅実なカメラだ。レトロデザインが特徴的だが、カメラの性能はZ 50と同じで、総合的に見て良いカメラだと思う。デザインに惹かれてZ fcを手にした人もいるだろうが、画質の良さ、強力なオートフォーカス、充実した機能に惹かれてZ fcを手にした人もいると思う。カメラの性能は多くの被写体に最適で、価格は1000ドル未満で、性能を考慮すると適正価格である。
- 長所:
 
・スタイリッシュなデザイン
・小型軽量
・豊富な物理コントロール
・優れたEVFとバリアングルモニタ
・見事な画質
・信頼性の高いAF
・とても良好な動画性能- 短所:
 
・一部の操作は薄っぺらく感じる
・大きなレンズと組み合わせるとバランスが悪い
・ISOオートはメニュー画面から切り替える必要あり
・AFジョイスティックなし
・ヘッドホンジャックがない
・Log機能がない
とのこと。
部分的にプラスチッキーと指摘していますが、外観はレトロで良さそうなデザインデザインですね。カメラの性能はZ 50とよく似ており、手ごろな価格で適正なカメラスペックを実現している模様。
カメラに物理ダイヤルがいくつか搭載されていますが、ISOダイヤルにISO AUTOが無いのは確かに残念なポイント。ヘリテージデザインのカメラではあるものの、どうせISOダイヤルを搭載するならAポジションやCポジションに対応して欲しかったところ。
高感度ISO性能やAF、連写性能の評価は高く、Z fcユーザーの私もIMAGING RESOURCEと同じような印象を持っています。フルサイズ並とは言いませんが、APS-Cセンサーとしては良好な高感度ISO性能かなと。
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