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ニコン Z6III 僅差だがミドルレンジで最も完成度が高いカメラ

PetaPixelがニコン「Z6III」のレビューを公開。低ISOにおけるダイナミックレンジが競合製品ほどではないとしつつ、優れた動画機能やドライブ性能を評価。将来的に抜かれる可能性はあるものの、現時点のミドルレンジで最も完成度が高いカメラと言及。

PetaPixel：Nikon Z6 III Review: A Little Rough Around the Edges

連写性能：

  • メカニカルシャッターは最大 14 コマ/秒でほとんどのスポーツやアクションに最適。
  • 読み取り速度の高速化で電子シャッター時はRAW  20コマ/秒。
  • Z 8 や Z 9 のパフォーマンスには及ばないものの、価格を抑えつつ大幅な改善。

ダイナミックレンジ：

  • メカニカルシャッターと電子シャッターのダイナミック レンジは基本的に同じ。非常に珍しい傾向。
  • Z 6II などの古いカメラと比較すると、ダイナミック レンジが大幅に低下。前モデルと比較してダイナミック レンジが約 1 段分減少。
  • 高速読み出しセンサーにおける大きな代償。
  • ISO 800 以上で撮影する場合、競合カメラと同等になる。デメリットは低い ISO 設定を使用する場合のみ発生。
  • EOS R6 Mark IIは電子シャッターモードがZ6IIIよりも劣る。ただし、メカニカルシャッターの低ISO設定ではより良好。
  • α7 IVは電子シャッター時でも優れた結果。ただしローリングシャッターの問題はかなり顕著。メカニカルシャッターを使用すると、3000万画素にも関わらず、はるかに優れた結果。

動画：

  • ローリング シャッターの改善だけでなく、魅力的な機能が数多く追加。
  • 4K/60p 全幅でオーバーサンプリング。この価格帯では非常に珍しい。
  • 4K/120p も利用可能だが、DX クロップ。
  • 6K/60p RAW は N-RAW でのみ利用可能。より広く受け入れられている ProRes RAW では利用不可。
  • ダイナミックレンジは非常に競争力のあるシャドウとハイライト。
  • 公式 N-Log LUT は、非常にコントラストの強い結果。内蔵の「View Assist」を使用すると、実際よりもかなり前にハイライトが吹き飛び、シャドウがブロックされているように見える。
  • 標準の H.265 4K/24p が 2 時間 (録画制限) 連続撮影可能。本体は暖かくなるが、熱くはない。
  • フレーム レートを高速化するとH.265 4K/60P は 52 分後にオーバーヒート。
  • RAW 動画を録画すると録画時間が短縮されるが、カメラとCFexpressカードのどちらに起因するものかは興味深いところ。
  • カードを取り外すと、トースターからパンを急いで取り出すようなものだった。

奇妙な問題がいくつかあるが、全体としては、このクラスで最も魅力的なフルサイズハイブリッドだと考えている。オーバーサンプリング 4K/60p、5.4K、および測光に役立つ波形モニタにより、α7 IV や EOS R6 Mark II よりも大幅に優れたカメラとなっている。この価格でより印象的な録画モードを備えているのは、4/3センサーを搭載した LUMIX GH7 だけだ。

総評：

  • 2,500 ドルの Z6III は、多くの機能をカバーしており、市場で最も扱いやすいカメラの 1 つ。
  • 操作性、改善された EVF の体験、全体的な画質を気に入るだろう。
  • さまざまな種類の写真撮影や動画撮影に対応できる。
  • オートフォーカス性能にはまだ多少の癖があるものの、メカ・電子シャッターの両方で高速連写が可能。スポーツやアクションの撮影の成功率は高い。
  • 動画撮影をする人も真剣に検討する必要がある。
  • 唯一の本当の問題は、この新しいセンサー タイプに帰結。ダイナミック レンジの損失に誰もが悩まされるわけではなく、それに気付くわけでもない。
  • 低照度のコンサートや夜間写真を撮影する写真家は、この欠点がなくなる高い ISO 値で撮影する可能性が高い。
  • しかし、風景写真家は、影を強調するときに余分なノイズが目立ち、競合製品ほど露出を増感および減感する能力が低下していることに気が付くだろう。

ミドルレンジの中で最も完成度が高いカメラだが、競合製品よりはるかに優れているわけでは無い。予算が限られている購入希望者にとっては良い選択肢となるが、近い将来、他のメーカーに追い抜かれる可能性も十分にある。

世界初の部分積層型CMOSセンサーとEXPEED 7を組み合わせた「Z 6」シリーズの最新モデル。外装のデザインやコントロールレイアウトを含めてフルモデルチェンジしており、従来機と比べて大幅な性能向上が期待できるスペック。読み出し速度がZ 6IIの約3.5倍となり、ローリングシャッターを抑えた静止画（電子シャッター時）や動画撮影を実現しています。

さらに高速連写は20コマ秒まで対応し、4K 120pや5.4K 60pの動画撮影が可能となっているのも魅力的。CFexpress Type Bに対応しており、20コマ秒の高速連写の無限連写や高ビットレート動画の内部収録は競合製品と比べて抜きんでるポイント。国内では為替の影響もあってかZ 6IIよりも高めの価格設定ですが、海外では競合他社のライバル製品と同程度に抑えられています。（このため国内外で評価が分かれる可能性あり）

PetaPixelのレビューによると、低ISOにおけるダイナミックレンジはEOS R6 Mark IIやα7 IVのような競合製品と比べると見劣りするようです。これを実感する撮影シーン（低ISOでの撮影後にRAW現像で暗部や明部を調整する人）は限られていると思いますが、購入前にカメラ（センサー）の特性は理解しておいたほうが良いかもしれませんね。

ニコン Z6III 最新情報まとめ

  • 発売日：2024年7月12日
  • 予約開始日：2024年6月19日10時
  • 希望小売価格：オープンプライス
  • ニコンダイレクト：435,600円（税込）
  • 市場推定価格：435,600円（税込）
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主な仕様

  • イメージセンサー
    ・タイプ：部分積層型CMOSセンサー
    ・有効画素数：2450万画素
    ・読み出し速度がZ6IIの約3.5倍
    ・すべての撮影モードでローリングシャッター歪みを抑えた撮影が可能
    ・Z6IIより約10倍の高速データ処理が可能
    ・除塵ユニット：8.0段（フォーカスポイントVR）
    ・手振れ補正：8.0段（フォーカスポイントVR・ピクセルシフト撮影）
  • ISO 100～64000
  • HEIF
  • 高効率RAW・高効率★RAW・ロスレス圧縮RAW
  • CFexpressカード Type B・SD UHS-II
  • プロセッサ：EXPEED 7
  • AFシステム：ハイブリッドAF
    ・測距点：299点
    ・測距輝度範囲：-10～19EV f/1.2レンズ使用時
    ・被写体認識：人物（顔、瞳、頭部、胴体）、犬、猫、鳥、飛行機、車、バイク、自転車、列車
    ・その他：
  • ドライブ性能：
    ・メカニカルシャッター：1/8000～30秒
    ・電子シャッター：～1/16000秒
    ・フラッシュ同調速度：1/200秒以下
    ・フラッシュ同調速度（電子）：1/60秒以下
    ・撮影速度：約14コマ/秒 メカ・約20コマ/秒 電子
    ・撮影枚数：1000コマ以上
  • ファインダー：約576万ドット 0.5型UXGA OLE 約0.8倍 120 fps
    Real-Live Viewfinderに近い見えが得られるように設計
    DCI-P3相当の広い色域
    4000cd/m2対応
  • モニター：バリアングル式 3.2型 約210万ドット
  • 動画：
    ・5.4K：60p
    ・4K：120p
    ・1080：240p
    ・出力：NEV、MOV、MP4
    ・N-RAW（12bit）
    ・Apple ProRes RAW HQ / 422HQ
    ・電子IS：対応
    ・連続撮影時間：125分
  • インターフェース：
    ・USB：Type-C端子（SuperSpeed USB）
    ・ヘッドホン：φ3.5m
    ・マイク：φ3.5m 音声のライン入力に対応
    ・HDMI：Type A
    ・Wi-Fi：IEEE802.11b/g/n/a/ac
    ・Bluetooth標準規格 Ver.5.0
    ・その他：アクセサリーターミナル
  • バッテリー
    ・タイプ：EN-EL15c
    ・撮影可能枚数：EVF 約360コマ / LCD 約390コマ
    ・MB-N14対応
  • サイズ：約138.5×101.5×74mm
  • 重量：約760g
  • 防塵防滴：対応
  • ボディ材質：
    ・前面：マグネシウム合金
    ・上面/背面：Sereebo® Pシリーズ
  • Nikon Imaging Cloud
  • フレキシブルカラーピクチャーコントロール

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