Dustin Abbottがカールツアイスの交換レンズ「ZEISS Otus 1.4/100」のレビューを掲載しています。
- Otusはツアイス史上で最も厳格な基準に基づいて作られているレンズだ。全て金属とガラスで構成された美しい作りである。
- 幅広いフォーカスリングは正確な焦点距離表示と適度な抵抗量で滑らかに動作する。指一本でも操作できるほど完璧な操作感だ。ピント距離全域で300度の回転量を有しているので一部のフォトグラファーは長すぎると感じるかもしれない。
- 防塵防滴仕様では無いので注意が必要だ。防塵防滴仕様では無いからこそ、滑らかなフォーカスリングを実現しているのかもしれない。しかし、2019年に投入されたプレミアムレンズとして、防塵防滴仕様では無いのは理解に苦しむ。
- レンズフードは金属製であり、本体の質感と完全に一致する。
- 最大撮影倍率はこのレンズにおいて今一つとなるポイントだ。最短撮影距離は1mまでとなり、最大撮影倍率は僅か0.116倍だ。ただし、シグマ105mm F1.4もほぼ同じパフォーマンスである。また、最大撮影倍率付近だったとしても、非常にシャープな画質を維持している。
- 歪曲収差は僅かな糸巻き型だ。
- 周辺減光は四隅に向かってかなりの減光が発生する。減光量は直線的で有用な描写となっている。F2.8まで絞ると解消する。
- 絞り開放から中央領域は非常にシャープで、四隅もほぼ同程度のコントラストとシャープネスだ。
・Milvus 135mm F2の絞り開放と匹敵する解像性能のF1.4だ。特に四隅は明らかに優れており、F2まで絞るとさらに差は顕著となる。- アポクロマート設計のため色収差はとても良好に補正されている。このようなレンズは発色とコントラストが豊かな反面、ボケが硬調となる傾向がある。しかし、このレンズのボケ描写はとても良好で、特にポートレートで美しい被写体分離を実現している。
- 逆光耐性はきちんとしているが、過酷な条件ではフレアとゴーストを確認した。
5000ドルのマニュアルフォーカスレンズが万人受けすることは無いだろう。しかし、意図的にきちんと使えば、信じられない程スペシャルで個性的な描写を得ることが出来る。際立ったユニークなポートレートレンズを探しているのであればおススメだ。
長所:美しいレンズの作り・ゴージャスな描写・優れたディテール、色、コントラストの再現性・非常に正確なマニュアルフォーカス・絞り開放からシャープな描写・優れた色収差補正・素晴らしいボケ・正確で豊かな発色・あらゆるピント距離で優れた解像性能
短所:非常に高価・巨大・防塵防滴非対応・MF・特定の状況で逆光耐性が低くなる
とのこと。
他のOtusシリーズと同様、50万円を超える非常に高価なMFレンズですが特殊レンズを贅沢に使ったハイクオリティな描写となっていますね。これまで数多くのツアイスレンズをレビューしてきたDustin Abbott氏の御眼鏡にかなうパフォーマンスである模様。作例を確認すると、確かに高彩度・高コントラストな描写のように見えます。
高価なレンズでありユーザー数も少ないためか、Flickr GroupやPHOTOHITOなどへのユーザー投稿が少なくレンズの描写を確認し辛いのが難点ですねえ。幸いにもCAMERA LABSがFlickr上に多数の作例を公開しており、フォトヨドバシでもEFマウント・Fマウントの実写レビューを公開しています。
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