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ツアイス「ZX1」は面白いカメラだが、癖が強く非常に高価

DPReviewがツアイス「ZX1」のイニシャルレビューを公開。シンプルなデザインでレスポンスの良いタッチインターフェースと評価する一方、現像処理に時間がかかったり、かなり癖のある操作性であると指摘しています。

面白いカメラだが、癖が強く非常に高価

DPReview:Zeiss ZX1 initial review

  • ZX1はAdobe Lightroom Mobileを内蔵した初めてのデジタルカメラだ。カメラ単体で撮影から編集、アップロードまで完了することが出来る。3740万画素センサーと35mm F2レンズを搭載し、これまで見た中で最も大きな4.34型背面モニタを搭載している。
  • 物理的なコントロールは最小限で、基本的にカメラの操作は背面モニタのタッチ操作がメインとなる。
  • このような試みのカメラは初めてではない。過去にパナソニック「DMC-CM1」やサムスン「galaxy NX」は当時のスマートフォンよりも優れたセンサー・レンズを搭載し、RAW出力にも対応していた。ただし、ZX1は「携帯電話にカメラを追加」されたのではなく、「カメラに携帯電話の機能を追加」と考えるのが良いだろう。
  • 心臓部にはこれまで見たことの無い3740万画素センサーを使用している。正式なテストはまだだが、今のところ優れた解像度を備えているように見えるが、最も柔軟性のRAWではない。
  • 35mm F2レンズは見事なシャープネスと心地よいボケ描写である。
  • 4.3型のタッチパネル液晶モニタは、デジタルカメラで見てきた中では最大クラスだ。右端は右手親指で操作するタッチインターフェースが表示される。
  • Adobe Lightroom Mobileの追加機能は面白い。使用するにはAdobeアカウントでサインインする必要がある。サブスクライブなしで編集できるが、紛らわしい警告表示が出る。
  • 他のカメラでもRAW現像は可能だが、Lightroomほど洗練されたインターフェースではない。
  • ミニマムなコントロールレイアウトだ。物理操作は全部で7カ所のみである。絞りリング・シャッタースピードダイヤル・ISOダイヤル、そしてマニュアルフォーカスリング、AF/MFスイッチ、電源スイッチ、カスタマイズ可能なボタンだけだ。これ以上は簡略化できないだろう。
  • グリップは非常に快適だ。
  • 正直に言うと、ISOダイヤルよりも露出補正ダイヤルのほうが良かった。露出補正はタッチパネルを操作するか、カスタムボタンに割り当てるしかない。ボタンに割り当てても、ボタンを押す際に誤ってモニタに触れてしまうのが厄介だ。
  • タッチインターフェースは全体的にレスポンスが非常に良好だ。
  • ゴム引きマニュアルフォーカスリングの動作は素晴らしく滑らかだ。絞りリングは1/3段ごとに動作する。
  • Android OSを使用しており、電源を切ったり入れたりする必要が無い。電源スイッチをフリックすることでスリープモードになる。再びフリックすると1秒以内に復帰し、撮影可能となる。小まめにスリープすることで、1日中撮影可能だ。
  • 撮影後は電源をオフにすることをおススメする。スリープモードでも何時間も放置するとバッテリーを消費するからだ。スリープ後に指定した時間が経過したらシャットダウンする設定も可能である。
  • カメラには512GBのSSDが内蔵されている。バッテリーは22.9Whの容量があり、交換可能だ。
  • Lightroomでの編集は応答性が高く、スマートフォンでの体験と同じだ。現像処理の時間はPexel 3aよりも30?50%ほど長くかかる。
  • 画像をシェアする際はWi-Fiに接続し、Facebookやflicker、Dropboxなどにログインする必要がある。その後は再生モードから共有が可能だ。Instagramのみ、ログイン方法が異なる。ログイン後のアップロードは非常に簡単だ。
  • スマートフォン風インターフェースの導入はうまくいっているように見える。カメラとしてはかなり癖があるものの、楽しい要素がフラストレーションを上回っている。
  • とは言え、カメラの癖にはイライラしてしまう。AFシステムはベーシックなもので、被写体追従や顔検出が無い。ここ最近のカメラとしては合焦精度も良くない。それにISOダイヤルは、露出補正やFnダイヤルとして使いたいと感じる。
  • さらに、Lightroom Mobileの編集機能には限界があり、現像出力はミドルレンジのAndroidスマートフォンより時間がかかる。もう少し改善が必要だ。
  • 印象的なデザインでシンプルな撮影体験を望む人にとってZX1の存在は嬉しいだろう。しかし、6000ドルの価格設定はあのライカQ2よりも1,000ドル高価なのである。6000ドルあれば多くのカメラ機材とスマートフォンが買えてしまう。

とのこと。
面白そうですが、癖がかなり強そうですね。さらに6000ドルと非常に高価なので、人を選ぶカメラのように見えます。このカメラの強みと言えるLightroom編集の現像出力に時間がかかる点は要注意かもしれません。

搭載している35mm F2レンズはかなり良好な描写に見えます。ボケは滑らかでピント面は絞り開放からシャープ。ただ、2020年の最新カメラとしては、3740万画素センサーの高感度ISO性能があまり良くないように見えます。ダイナミックレンジも期待しているより少し狭いかもしれません。

6000ドルあれば、コンパクトなハイエンドミラーレスも購入できるので、悩ましいところですねえ。

購入早見表

今のところアメリカとドイツの一部店舗でのみ販売

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